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会長就任1年を迎えて~【コラム】 田嶋幸三の「フットボールがつなぐもの」vol.5~

2017年03月28日

会長就任1年を迎えて~【コラム】 田嶋幸三の「フットボールがつなぐもの」vol.5~

47都道府県協会の自立

会長に就任して今日でちょうど1年が経ちました。
この1年、「育成日本復活」「FIFAワールドカップ出場」「47都道府県サッカー協会(47FA)の自立」「女子サッカーの発展」「社会貢献活動」と課題を掲げ、すぐに着手すること、しっかり計画して取り組むことなど、優先順位をつけて実行してきました。
サッカーファミリータウンミーティングは3月26日(日)時点で16県を終え、その中で様々な課題があることを再認識しました。

組織がしっかりしたガバナンスのもとで選手育成や女子サッカーの普及、指導者・審判員の養成、グラスルーツ、地域のスポーツ振興などを行い、それを強い日本代表につなげていく。それには、マーケティングの力が必要です。JFAや各FAの活動からサッカーやFAの価値を見出してもらうことによって、強固なマーケティング力を備えることになるのです。FA自らが財源を生み出す組織になれば、万が一、SAMURAI BLUE(日本代表)が世界大会に出られないことがあっても、育成や指導者養成などが立ち行かなくなることはありません。つまり、47FAの自立なくして日本サッカーの発展はありえないのです。
自立のために、各FAがサッカーの魅力やFAの存在価値をどう地元や企業に売り込むのか。地域にどう貢献していくのか。そういったことを地元の人々に理解していただく必要があります。しかし、多くのFAでは、そういったビジネスの意識がまだ醸成されていない、あるいは、マンパワーが足りないといったところも多いため、現状ではJFAのサポートが不可欠です。ですから、FAが置かれている状況や活動の幅などを十分考慮した上で、テイラーメード型の支援体制を構築していくことが必要だと考えています。

U-12年代への取り組み

U-12(4種)年代の登録数の減少をどう食い止めていくかという課題もあります。

「かつてないほど急速に変化する現代社会において、過去の成功は未来を約束するものではない。確固たる100年の歴史を踏まえ、現在直面している課題に加え予測される課題に対して今すぐ取り組まなければならない」とは、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長の言葉です。
少子化が進む現状を考えると、キッズやU-12年代のグラスルーツへの投資をすぐにでもやっていかないと、将来、日本サッカー、ひいては日本のスポーツ界、また、子どもたちの健全な育成という観点からも大きな危機に直面することになるでしょう。

キッズプログラムは「キャプテンズミッション(後のプレジデンツミッション)の一環として2002年にスタートし、他のミッション同様に取り組むFAに補助金を出して推進してきた活動です。近年、この参加者の減少が見られることから、もう一度、ここにテコ入れし、2002年の実績程度の数に戻したいと考えています。

また、2014年から進めている小学校教員を対象にした「小学校体育サポートプロジェクト」ももっと拡大させる必要があります。
ご存知の通り、2013年に小学校の『学習指導要領』が改定され、小学校の体育においてサッカーが必修ではなく、「選択可能の運動」に変更されました。
サッカーは子どもに人気のスポーツですが、手でボールを扱う競技に比べて教えにくいことから、未経験の先生にとっては難しく、敬遠しがちです。しかし、そこにアプローチしなければ、学校体育からサッカーが消えてしまうかもしれない。

2014年、JFAは小学校体育サポート研修会を開催することを決定し、同年6月に、教員をサポートするための手引書となる『サッカー指導の教科書』を発行。同じくこの年に、小学校教員向けの研修会をスタートさせ、これまで全国各地で150回を超える研修会を実施してきました。
指導は、インストラクター資格を持つJFAの指導者が務め、小学校教員のほか、教育委員会関係者(指導主事)、小学校教員養成系大学教員、教職を目指す大学生も対象に行っています。児童全員がサッカーに参加できる工夫や、ボールが苦手な子どもにも楽しくできる運動などが組み込まれており、好評を博しています。サッカーは色々な動きが習得でき、子どもたちの体力アップという側面からも非常に有益なスポーツですので、開催頻度を上げていきたいと考えています。

女子サッカーの発展と指導者の養成

女子サッカーについては昨年5月、「普及」「代表強化」「育成」「指導者養成」の四つを柱にした「女子サッカーのためのマスタープラン」を策定しました。
女子の場合、登録者の割合は全体の5%弱で、基盤がしっかりしているわけではありません。そこで、長年の課題となっていた「中学年代での登録数の減少」を抑えるために、国民体育大会(国体)に「少年女子」のカテゴリーを創設するよう動いています。正式競技として認められれば各都道府県の体協やサッカー協会(FA)のサポートが受けやすくなり、中学校での女子サッカー部の増加にもつながるはずです。今年は、各FAの意見を聞きながら、国体実施委員会や体育協会で議論を進め、できるだけ早く実施できるように進めていきたいと考えています。

また、今年から本格的に女子サッカー普及コーディネーターを始動させます。普及コーディネーターは、女子サッカー普及の調整役で、各FAの独自性や状況を考慮した女子サッカーの普及策の立案とその実行、女子委員会やナショナルトレセンコーチ(地域担当)などとの情報共有、各関係者とのネットワークを構築、コンサルテーションなどを行う重要な役割を担います。現在、各FAに対して、コーディネーターにふさわしい人を推薦してもらうようお願いしており、その後、全員を集めてJFAハウスで研修会を行うことで調整しています。

女性指導者の養成にも力を注いでいます。現在、女性指導者の割合は指導者全体のわずか3%。女子サッカーの発展において女性指導者の存在も大きな鍵であり、その養成もまた、将来に向けて種を蒔くことだと思っています。
2015年、男子に続いて女子の現役プロ選手向けのB級・C級コーチ養成講習会特別コースの開催が決まりましたが、それを含め、なでしこリーグの現役選手にC級コーチライセンスの取得を促しています。これについては、クラブチームでの活動に支障をきたさないよう、オフの時期に講習会を開催したり、クラブ単位でライセンスを取得できる方法など、フレキシブルな形で実施していくことにしています。

男女エリートコーチの養成については、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)やドイツサッカー連盟(DFB)などの協力を得て、欧州のプロライセンスと互換性のある指導者養成にするよう、技術委員会と相談しながら進めていく考えです。指導者の海外留学もどんどん増やしていきたいと西野朗技術委員長とも話しています。

また、GKコーチの養成も急務です。というのも、Jリーグの上位チームのGKを韓国人選手など外国籍選手が占めるようになり、日本人のGKの出場機会が減る傾向にあります。現在のGKの育成システムに問題はないのか。韓国やヨーロッパのGK育成を研究しつつ、日本の問題点を究明する必要があると考えています。

育成年代の選手に国際経験の場を創出

日本代表の成功は育成の成果によるものであり、前回の世界大会を逃したU-17日本代表、4大会も世界から遠ざかっていたU-20日本代表については危機感を持って強化を進めてきました。

一昨年前から日本サッカー協会主催の国際大会を開催(U-16インターナショナルドリームカップJAPAN)。昨年は補正予算をつけて海外遠征を実施するなど、ユース選手の国際経験の場を創出してきました。様々な取り組みが実を結び、昨年はU-16、U-19日本代表が共にアジア予選を突破。しかもU-19世代は初のアジアチャンピオンという大躍進を見せてくれました。現在、両チームは、5月に開幕するFIFA U-20ワールドカップ、10月のU-17ワールドカップに向けて強化の真っ只中にいます。

世界のサッカーは日進月歩で、一瞬たりとも手を緩めたら日本はガラパゴス化し、世界から取り残されてしまいます。バッハ会長が言う通り、世界大会連続出場を果たしたからといって次の世界舞台が簡単に用意されるわけではありません。今ある課題、将来起こりうる問題に対して先延ばしすることなく取り組んでいかなければならないと認識を新たにしています。


普及活動や選手育成、指導者養成、社会貢献活動等の事業は、潤沢な資金があってこそ充実した活動が可能になります。その財源となるのが“魅力ある日本代表”であり、そのために「FIFAワールドカップ出場」は必須の条件です。

先週のアジア最終予選(Road to Russia)、SAMURAI BLUEはアラブ首長国連邦(UAE)との試合を2-0で勝って、アウェイで貴重な勝点3を獲得しました。本日、埼玉スタジアム2002でタイ代表と対戦します。
これから戦いはますますヒートアップし、世間の関心も高まっていきますので、日本全体で応援する機運をつくってチームを盛り立てたいと思っています。引き続き、力強いご声援をお願いします。

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