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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(8月)

2015年09月15日

[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(8月)

8月は青森県の活動からスタートしました。

8月2日、3日の両日、五戸町のひばり野公園サッカー場(人工芝)で「みちのく少年サッカー大会」が行われるため、1日、2日と五戸町を訪れました。同大会は、毎年、五戸町の「ごのへ夏まつり」と併せて開催され、大会名称を変えながらも選手の親世代から継続されている歴史ある大会で、FC釜石と五戸すずかけの交流も30年以上続いています。

五戸会場で行われた交流会、復興特任コーチになって2度目の参加です。FC釜石のスタッフ、子どもたちと触れ合い、さまざまなお話を聞かせていただきました。震災から4年5ヶ月、復興特任コーチに就任して3年目を迎えますが、被災者の皆さんと心打ち解けてきたと感じるとともに、日常の生活に戻れていない被災地支援の継続がまだまだ必要であることをあらためて感じました。

交流会では私もお古のスパイクなどを提供。じゃんけん大会や子どもたちの催し物で盛り上がりました。二次会は、夏まつりの会場へ場所を移し、花火大会を鑑賞しました。子どもたちの交流に花が添えられ、夏休みの良い思い出になったと思います。

6日には宮城県仙南地区を視察。亘理町荒浜は現在、嵩上げと道路の区画整備が進んでいます。津波被害を受けた荒浜中学校は取り壊され、新たに1階部分を高床にし、屋上までの避難階段を設置して昨年8月に完成しました。亘理町鳥の温泉施設「わたり温泉鳥の海」は、昨年10月に日帰り入浴を再開。「亘理町荒浜にぎわい回廊商店街」も今年3月、8店舗が入ってグランドオープンしました。

8日は福島県の活動へ。相馬を訪れ、相双地区協会の新妻技術委員長と地区トレセンの日程の確認と打合せを行いました。その後、昨年U‐19日本代表がキャンプ時宿泊でお世話になった松川浦を視察。当時、海沿いの道路は工事中で、迂回路を通らなければなりませんでしたが、嵩上げと道路補修工事が完成し、今回は新しくできた道路を通って松川浦に行きました。相馬港の防潮堤も着々と進められています。

相馬の帰り道、一般道6号線を通って再び宮城県へ。東南端に位置する山元町でも海岸復旧工事が行われており、壊滅したJR常磐線を内陸側の6号線と並行させた移設工事が進んでいます。山下駅付近も区画造成中。復興公営住宅に入居している人はいるものの、まだまだこれからという感じです。

翌9日は岩手県へ足を伸ばし、盛岡市の盛岡南公園球技場で開催された「第9回県民共済カップサッカーフェスティバルU‐11&&U‐12」を視察しました。岩手沿岸部からは、デルフィーレ田老と大船渡三陸シーガルFC、宮古フェニックス、花輪スポーツ少年団が参加していました。岩泉FCは人数が少なくなったため単独チームで参加できないということで、デルフィーレ田老に子どもたちを交えた合併チームで出場しました。大船渡三陸シーガルFCも「他人事ではない」と、来年の選手確保に不安を抱えていました。花輪スポーツ少年団はこれまで平日にトレーニングができなかったため、私もなかなか行けませんでしたが、水曜と木曜日の夜に花輪小学校体育館でトレーニングしていると聞きましたので、今後は是非、伺いたいと考えています。

震災が少子化問題に拍車をかけ、その影響を受けているチームも多く、いろいろな問題を抱えていますが、「それでも子どもたちが楽しくサッカーしている姿を見ると、何とかしてやらなければと思う」と、指導者の皆さんは異口同音に仰っていました。

相双地区トレセンU‐11、U‐12は16日の9時から12時の間、相馬市相馬光陽サッカー場で行われました。ウォーミングアップはアイスブレイクから入り、U‐11&U‐12合同でトライアングルパス。パス&コントロールの質とトライアングルを意識する(見る)ことから、オフの時(ボールに関わっていない時の動き)の関わり(ポジショニング)まで求めて行い、F(フリーマン)+2対2(3対2)で精度と関わりを確認しゴール前の攻防へ。S(サーバー)+4対4+GK(片面ゴール)をフリーズ(説明)しながら行いました。子どもたちは理解しようと一生懸命耳を傾けていました。最後のゲームでは雨がぱらついていましたが積極的なプレーが見られました。

19日は、今年初めての相双地区U‐13・U‐14トレセンへ。レベルを把握したかったので、単純な対面パス(制限付)で、距離も近く~遠く、ゆっくり~速くと、徐々にテンポを上げていきました。4対2でパス&コントロールの精度を確認するとともに、オフの時の役割と準備、DFの変化を確認すること、パスの出しっ放しならないよう指示しました。次のメニューへ移るよりも4対2を徹底させて、最後のゲームに移りました。終了後、U‐13、U‐14トレセンの選手たちに対し、トレセンに選ばれているという自覚、練習に取り組む高い意識を促しました。次回は、向上した姿と、やればできるというところを見せてほしいと思っています。

22日に再び宮城県を訪れ、名取市閖上スポーツ少年団のトレーニングを視察しました。練習場の閖上小学校体育館は津波の被害を受けた後、遺留品置き場になっていましたので、当初、子どもたちはその匂いや埃っぽさを嫌がっていたそうです。しかし、サッカーをプレーできるということで気にしなくなったといいます。この日は子どもたちが全員揃うということで、保護者の皆さんと防災教育市民団体、武蔵野大学のボランティアの皆さんで、「流しそうめん」を企画。練習後の流しそうめん大会は夏休みの良い思い出になりました。

この3年間、防災教育市民団体や武蔵野大学のボランティア、保護者の皆さんが瓦礫拾いや草むしりをしてくださったお陰で、グラウンドが使えるようになりました。本当にありがたいです。しかし、閖上小学校と閖上中学校は今年9月以降に取り壊されることなり、チームは再び練習会場を失うことになります。代替の仮設グラウンドが建設される予定はあるものの、完成はいつになるか分からない状況だそうです。また、津波の被害を受けた地区は居住禁止区域になり、被害を受けなかった人々も立ち退かなければならなくなったとか。新居の復興公営住宅に移れるのも3年後だそうです。

22~23日は、3種(中学生)の選手を対象に行っている名取市ロータリークラブ杯を視察しました。数年前に指導した子どもたちが大きくなっており、元気に挨拶に来てくれてくれたことが嬉しかったです。

25日は石巻市の鹿妻スポーツ少年団へ。毎週火曜日は石巻市立鹿妻小学校の体育館でトレーニングをしていますが、雨が降ると陸上部が優先的に使うため、サッカーの練習はできなくなるそうです。今回のトレーニングでは、4年生から6年生の16人でパス&コントロールとドリブルエクササイズを行い、最後は、体験のため参加した2人を交えゲームを楽しみました。

26日は南三陸FCの練習に参加しました。会場は南三陸町立志津川小学校グラウンド。2年前の2013年9月、日本ユニセフ協会の支援で照明が設置され、ナイター練習も可能になりました。チームの指導者の下、私も子どもたちと一緒に楽しくトレーニングさせていただきました。被災地ではグラウンドに照明があれば、練習できるチームももっと増えると思います。

翌27日は東松島市のNARUNO-FCの練習に足を運びました。あいにくの雨となりましたが、今年5月に東松島市鷹来ノ森運動場に屋内練習場が完成したため、支障なくトレーニングが行われました。元は航空自衛隊のブルーインパルスの格納庫でしたが東松山市の航空自衛隊から寄付していただき、同運動場に設置しました。天候に左右されずに練習できることから、子どもたちも大喜びです。

30日は、利府にある宮城県サッカー場で行われたトレセン交流大会へ。県内10地区の4年生を対象にしたトレセンで、県トレセンスタッフと各地区のトレセンスタッフのそれぞれ2人が指導に当たり、同交流会では指導者講習会も併催。その後、被災地の気仙沼、南三陸、石巻、仙南地区の指導者の皆さんと近況を確認し合いました。皆さん、明るく前向きに取り組まれており、安心しました。私も引き続き、力になれればと思いました。

今後も子どもたちの未来を創造するべくがんばっていきましょう!

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