btn_page_top sp_btn_page_top
ホーム > JFAスポーツマネジャーズカレッジ > チェンジメーカー > 最新ニュース一覧 > チェンジメーカー 第14回 岡本真(おかもと・まこと) 特定非営利活動法人スポーツクラブNICE理事長

ニュース

チェンジメーカー 第14回 岡本真(おかもと・まこと) 特定非営利活動法人スポーツクラブNICE理事長

2012年10月15日

チェンジメーカー 第14回 岡本真(おかもと・まこと) 特定非営利活動法人スポーツクラブNICE理事長

Profile

岡本 真 / OKAMOTO Makoto さん
特定非営利活動法人スポーツクラブNICE理事長
2010年度SMCサテライト講座修了

1963年4月、広島県生まれ。広島県市立広島城北高校卒業後、国士舘大学に進学。在学中は富澤ミシェルらと活躍。卒業後は、フジタサッカークラブで全国社会人大会、国体等に出場。1年間の臨時職員、定時制高校勤務を経て、県立松永高校の教員となる。同校に11年勤務し、サッカー部を部員100人以上の県内有数の強豪校に育てる。
その後、2回の異動後、現在の福山工業高に着任。教員としての仕事の傍ら、2007年に子どもたちを対象をした、NPO法人スポーツクラブNICEを設立。同クラブ理事長。A級ジェネラル、U12A級コーチ。

その1 いつでも帰ってこられる古巣

坂口:よろしくお願いいたします。

岡本:お願いします!

坂口:では、まず、クラブ、NPOの活動について、これまでの経緯も含めてお話していただけますか。

岡本:NPO法人スポーツクラブNICEは、2007年につくりました。
なぜ、つくったかというと、理由はいくつかあって、ひとつめは、松永高校時代に一生懸命サッカーに取り組んだ結果、中国大会であるとか、県の決勝や準決勝に行くようなチームになった。OB会や後援会も立ち上げて、非常に充実した時期を過ごしました。
でも、県立高校の教員には転勤があるんで、それと同時にそういったものが崩れ去っていく。先生が転勤していなくなると、そこにOBも帰ってこれなくなる。そこで、いつでも帰ってこられる古巣のようなもの、消えてなくならないもの、これを作りたいなと。
それが、スポーツクラブNICEを立ち上げた理由のひとつ。

二つめは、多くの指導者が地域にいるけど、指導者講習会に行きたいけど行くことができない。草の根のボランティアコーチには行きたいけど行くのはちょっとハードルが高い。なぜなら、少し昔は会場が中央ばかりで、地方ではなかなかなかった。今のようにC級も地方になかったので。
でも、熱心な指導者は講習会で何をやっているのかは聞きたい、勉強したいと。
それをこの地方で指導者講習会を開けることで、いろんな指導者の育成と底上げにつながるんじゃないかと。

あともうひとつ、三つめは、ボクの実家が保育園なんで、昔から子供たちが好きだから。だからグラスルーツ、キッズとジュニア年代をスクールできちんと指導してあげたいなと。
ここの指導がしっかりしていないとジュニアユースも、ユースもないし、はたまたJリーグも代表もレベルアップはないってことがよく分かったんで。そこを立ち上げて行こうと。
これが三つの理由です。

坂口:NICEは、松永高校から転勤になったあとすぐに立ち上げたんですか?

岡本:転勤になって、4、5年経ってからかな。その間、松永高校を見てるとだんだん、だんだんと崩れていくんです。音を立てて崩れるように崩れていって、最終的には地域の大会を棄権しなければいけないくらいの人数になっていって・・・。それを見てですね。

ジュニアユースチーム『Bedankt (ベダンクト)FC』のメンバー。
"bedankt" はオランダ語で最上級の「ありがとう」を表す。

坂口:今のNICEでの活動内容をお話していただけますか?

岡本:活動は週に5日間。キッズのスクールは週1日で、ジュニアは1週間に3日間、ジュニアユースが1週間に5日です。ジュニアユースは2010年にSMCサテライト講座を受けたときに、2012年にジュニアユースをチーム登録したいってビジョンを書きました。それを絶対やりたいっていうのがあって、で、この4月に。2012年4月。

坂口:この4月から始まったんですね!

岡本:ええ。だから今は1年生だけですね。

坂口:みなさん、NICEのジュニアから育ってきた子たちですか?

岡本:いや、そればっかりじゃなくて、周囲からも来てます。今後はキッズ、ジュニアから育ってきた子たちが中心になってくれればいいな、と。今年は立ち上げたばっかりで、本当に登録するのかどうなのかという不安の声も周囲にあったり、週5日間活動できるのかどうか、場所はどうするのか。そういったところからスタートしました。でも、14人、今来ていただいて。ちょうどいいかなと思っています。2年後に3学年揃うと40~45人になるんで。

坂口:順調ですか?

岡本:順調です!
非常に順調です!

その2 ベターがベストになる

坂口:いま、ジュニアユース、中学生も含めてクラブ会員は何人ですか

岡本:全部合わせると約100人ぐらいです

坂口:大人のチームや、ほかの種目はなくて、キッズから中学生年代までのサッカーだけのクラブですね。

岡本:はい、それがクラブのベースですね。ほかの活動は、幼稚園、保育園への出張の親子サッカー教室。それから、講演会。
あとは柔道教室。これは常設ではなくて、スポットの活動です。体験型。

坂口:柔道も、岡本さんが教えてるんですか?

「アドベンチャーキャンプ」

岡本:いや、ボクじゃなくて、柔道5段の後輩が教えます。それは、柔道ってどんなスポーツかって体験させるだけっていうか。柔道着を着せて、こんなんだよって。で、受け身ってこんなんだよ、って体験をさせる。ただそれだけだけど、柔道って、日本の古くからある武道なので、それを体験させてあげたいなと。

あとはキャンプ。日本サッカー協会もやってるASEを取り入れたアウトドア活動です。「アドベンチャーキャンプ」っていう名前で、大人気です。これは1年に2回か3回くらい、小学校1年生から6年生までが対象です。キャンプでは、自然体験であったり、自分たちでご飯を作ることであったり、バーベキューやキャンプファイヤー。そんな体験をしてもらいます。それで、山の中にASEプログラムのセットを我々スタッフが事前に準備をしておいて。丸太渡りとか・・・

坂口:壁を乗り越えたりとか!

岡本:そう、そう、そう!
だったり、スパイダーウェーブとか。山の中で遊ぶのは面白いですよ。

坂口:このイベントは、サッカーの活動とは関係なく募集しているんですか?

岡本:別でやってますね。もちろん、クラブの子たちにも声をかけるし、クラブ外にも募集して、できるだけ広く多くの地域の子どもたちにいい経験をさせてあげたいっていうのがボクの考え方です。

坂口:あと、ご講演っていうのは、どういった内容なんですか?

岡本:スポーツクラブNICEが重視していることは、「誉めて伸ばす」というところです。たとえば、「今のよかったよー」とお母さん、お父さん、保育士さんたちも言います。で、何がよかったの?、どのようによかったの?いいヒントをあげることで、ベターがベストになる。そのヒントをどのように伝えるか。そういった子どもとのコミュニケーションについて講演で話しています。

仲間づくり、感謝すること、協力すること、喜怒哀楽を共有できること。スポーツには素晴らしいよさがあると。
その中で誉めることは、子どもを伸ばす手段としては最高ですよ、という話をしています。もちろん、運動することの大切さについてもね。

講演は、幼稚園、保育園、小学校にも行ってますね。今は地元だけでなく、他県からも要望があったら行ってます。

坂口:どれぐらいやられてるんですか?

岡本:講演の数ですか?
いま、全部合わせたら年間30本くらい行ってますね。月に1本から3本ですね。

その3 明るく、元気に、ハツラツと!

坂口:企業でも講演されているんですよね?

岡本:はい!そうですね。企業研修にも行っています。

岡本:企業研修は、会社単位であったり、商工会議所やJCであったり。団体にも行いますし、地元で個人を対象にしたセミナーもやってます。

「コミュニケーションスキルアップセミナー」。

内容は社会人の新人研修みたいな形で、挨拶の重要性、挨拶のキーポイント、それからファーストインプレッション(第一印象)のキーポイントを学んで、それを実践してみましょう、と。

さらに、会社に入るとストレスや不満が溜まります。他人の悪いところや気に入らないことが目につきがちです。なので反対に、人のよいところ、上司のよいところ、部下のよいところ、同僚のよいところを発見して、それを相手に伝える、ということをやってみます。

そんなときに、日本サッカー協会の「グリーンカード」は、非常に有効に使えるんです。

オリジナルのグリーンカード。

セミナーを受けた方には必ずグリーンカードを1枚ずつ配っています。しまわずに、毎日、できるだけ使える状態で持っておいていつでも使ってください、と。食事に行ったときに食事を誉めるときにも使えるし、家の中では、子どもがいる方は子どもにも使える、旦那さんは奥さんにも使えるし、カードを奥さんに渡しておいて「俺に出してくれ」という使い方もできる。
相手のよいところをうまく見つけて誉めることは、いろんなことにプラスに働きます。続けていくと非常に大きな効果をつくり出します。
まぁ、そんなレクチャーをやってます。

坂口:オリジナルのグリーンカードですね!

岡本:オリジナルというか、JFAとコラボさせてもらったんです。

坂口:ほかにもスポーツクラブNICEで、特徴的なことってありますか?
クラブをやっていく上でベースとなっている、岡本さんの理念やお考えとか。

岡本:ボクの考えは、子どもたちがすべてのベースです。プレイヤーズファーストで、チルドレンファースト。子どもたちの考えや発想をスポイルしない、ふたをして押さえつけない。だから、キーワードにWait & See、って言葉をよく使います。まず、いろんなことをトライさせてあげないといけない。Try & Errorです。その失敗の中で、誉めてあげて、改善してあげて、Error & Tryと。失敗からまたトライして。

トライしたら必ず失敗します。そのときすぐに正解を言いすぎないということですね。だからWait & See、見守ってあげる。根気強く見守りながら、どう改善したらいいのか、なぜ失敗したのか。その原因をよく観察して、良いところをしっかり誉めながら、悪いところを修正するヒントをあげる。答えではなくて、いいヒントをあげることで、子ども自身の力で伸びていくのがいちばんだと思っています。

昔、ボクはどっかでオクタントコーチングっていうのを勉強して。正五角形の中に星形を描くグラフがありますよね。良いところが伸びていて、悪いところがへこんでる。悪いところを修正して良くすれば、星形の面積が大きくなるけど、オクタントコーチングっていうのは、悪いところを修正するよりも、良いところをグーンと伸ばしてやれば、ほかもそれに引っ張られて伸びてくるという考え方。タコの足を引っ張ったときのように伸びて、面積がもっと大きくなる。

それが非常に頭に残っていて、良いところを積極的に観察して伸ばしてあげること。それがボクの指導理念です。大きな声を出さないといけない場面や、叱らないといけない場面もあるし、迫力を持ってコーチングしないといけない場面もあります。でも、そのとき大切なことは、眉間にしわを作らず、目は怒ってなくて、微笑んでること。目には優しさを持つ。

例えば、こうやってなにかワーッと言うと、子どもがパッとこっちを向く。そのときに、こういう(真剣に怒った)顔じゃなくて、少し目に微笑みを感じさせる。そうすると、子どもたちもすごくよく見ているので、「ああ、押さえつけられてないな」「でも今はピリッとしないといけないんだな」と感じてくれる。そういう指導を心がけてます。

コーチ陣にも子どもたちにも、いつも伝えているモットーは、「明るく、元気に、ハツラツと!」です。

坂口:先ほど子どもたちの写真を拝見しましたけど、どの写真も、全員がすごく気持ちよく笑ってます。どの子も「明るく、元気に、ハツラツと!」という言葉を体現してますよね。

その4  保育園の隣には芝生のグラウンド!

坂口:岡本さんがSMCのサテライト講座を受けられたのが、2010年ですが、受講されていかがでしたか?
印象であったり、その後、活かせていることが何かありますか?

岡本:環境分析も、あらためて真剣に考えていくと自分の周囲にはすごくたくさんのヒントがあるな、という気づきがありました。マインドマップも、いいツールです。

あとは、子どもたちのために全国にクラブをつくりたい、という仲間が、たくさんいることを知りました。スポーツクラブだけでなく、サッカーだけでなく、いろんな、多岐にわたる志を持った仲間。そういった方々と出会えたことは非常に大きかったです。

N年後のビジョンづくり。あれはとても為になっています。あれがあったからジュニアユースができた。この時期に立ち上げたい、っていうのが
あったから。サテライト講座で書いた「N年後にジュニアユースを日本協会に登録する」。それが今年だったので、実現できた。

坂口:予定通り?

岡本:予定通りですね。

坂口:素晴らしいですね!
来年は本講座受講されたいってうかがってます。

今年8月のイタリア研修。
ヴィテルボでユースの選手(16、17歳)たちと。

岡本:はい。本当は今年、受講しようと考えていましたが、8月にイタリアに研修に行ったので、来年。来年は本講座に行きます。

坂口:お待ちしております。どんなことを期待してますか?

岡本:まず、今までやってきたことを再確認できる場でもあるなと。また、新たにもっと深く、経営について大切な部分を勉強したいなと。もうひとつは、本講座は、サテライトより日数も多く、それを全国から受講しに来るという、さらに高い志を持った仲間に出会えることが非常に楽しみですね。

坂口:そういった点では、充分楽しんでいただけるはずですし、岡本さんの場合、すでにいろんなことをやられているので、それをいろんな人たちと共有してい頂けることを私としても期待しています。

岡本:僕がやっていることをみなさんに伝えることも大事ですし、伝えることを通じてやってきたことの再確認ができる場でもあるし。みなさんからも考え方やアイデアをいただいて、1歩でも2歩でもステップアップしたいなと思います。

坂口:お待ちしています!
それでは最後の質問なんですけど、これからについてちょっとお聞きします。これから岡本さんがこのクラブを通じてでもいいですし、ライフワークの中で実現していきたいことがありましたら、お話してください。

岡本:子どもたちはプロサッカー選手になりたいという夢を、小学生も中学生も高校生も持ってるんですよ。だけど、なるのが非常に難しい上に、引退後もその世界で生きていくことは、さらに難しい。引退して、Jクラブのコーチになれるかというと、みんながみんなそうはなれなくて、サッカーから離れた仕事に就く人の方が多い。だから、こういった総合型地域スポーツクラブが数多くできることで、セカンドキャリアの場になればいいな、とそんなことを考えています。

Jリーグを引退しても、サッカーの指導、スポーツの指導ができれば、その人を活かすことができる。夢を実現してプロサッカー選手になったその経験を子どもたちに伝えることができる。

もちろんサッカーだけでは食べていくことはできないかもしれない。ならば、キャンプであるとか、セミナーであるとか。はたまた柔道教室とか、そういったことも含めながら、だけどベースにあるのはサッカーで。サッカーを通じてその経験を子どもたちに伝えてもらいたいなと。それで生きていける場になればいいなと。

坂口:今、そういう場をつくってらっしゃるということですね?

岡本:はい。そういうことです。あとひとつ。実家が保育園をやってますので、その保育園の子たちをベースにした環境というのも整えてあげたい。目標はヨーロッパ型の地域スポーツクラブです。保育園の隣には芝生のグラウンドがあって、午前中はそこで園児たちが走り回る。で、夕方ぐらいから小学校の低学年が来て、そのときには僕はおじいちゃんになりながらも1、2年生を指導してサッカーを楽しむと。

3、4年生、5、6年生が来るころには、若いコーチが来て教え、僕はその頃にはシャワーを浴びて着替えて、子どもたちのサッカーする姿をクラブハウスで見ながら、冷たいビールを飲みたいなと。 笑
で、そのあとには、ジュニアユース、ユース。または、社会人であったり、レディースであったり。みんながサッカーを楽しむ。そういった場を、頑張ってつくりたいなと思っていますね。

 

アーカイブ
JFAスポーツマネジャーズカレッジ
NEWS メニュー
  • JFA Sports Managers Collegefacebook

JFA.jp SITEMAP