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チェンジメーカー 第15回 黒部能史(くろべ・よしふみ) 特定非営利活動法人リベロ津軽SC理事・特定非営利活動法人弘前Jスポーツプロジェクト理事長

2012年11月09日

チェンジメーカー 第15回 黒部能史(くろべ・よしふみ) 特定非営利活動法人リベロ津軽SC理事・特定非営利活動法人弘前Jスポーツプロジェクト理事長

Profile

黒部 能史 / KUROBE Yoshifumi さん
特定非営利活動法人リベロ津軽SC理事/特定非営利活動法人弘前Jスポーツプロジェクト理事長
2008年度SMC本講座修了(5期生)

1976年6月、青森県生まれ。
青森県立弘前高校卒業後、東北学院大学に進学。卒業後は、家業の日用品卸の株式会社クロベに入社。2000年に設立されたU15年代のクラブ、リベロ津軽SCの理念に共感し、本業のかたわら理事として手伝い始め、指導以外の経営、大会運営、スタッフ教育に関わる。今はU12、U15、U18年代を揃えたクラブとして活動。県1部リーグの同クラブトップチームを別組織化し、弘前市からJリースを目指すブランデュー弘前FCに。
今年5月にNPO法人弘前Jスポーツプロジェクトを設立し、理事長に就任。株式会社クロベ代表取締役社長。

その1 理念に共感して手伝う 

坂口:さっそく始めましょうか。よろしくお願いいたします。

黒部:よろしくお願いします。

坂口:まず、リベロ津軽がどんなクラブか教えてください。

黒部:リベロ津軽は、最初はU15からスタートしたクラブですね。当時、12、3年前になりますが、地元の中学生年代のサッカー環境があまりよくない状況を何とかしてあげようということでできたクラブです。その理念に共感して手伝い始めました。

その後、U12、U18、社会人と増えて。で、さらに、テニスとボーリングがくっついて、今は3種目の総合型のクラブになっていますね。

テニスもサッカーと同じように小学生から大人までって形になってきました。ボーリングはまだ子どもたちだけなんですよ。だんだん種目も増えてきてますね。で、どちらかというと競技志向が強い。楽しむとか、普及っていうよりも競技志向のクラブですね。

坂口:では、津軽リベロで、今、黒部さんがやってらっしゃること、あと、これまでやってきたことについてお話ししていただけますか。

黒部:コーチはできないので、経営の部分で、外部理事として関わってきました。ここはこうした方がいいんじゃないの?、こうなったらもうちょっと収益上がるんじゃないの?とか、話しながらですね。例えば、大会の運営なんかも、参加チームを増やした方がいいんじゃないかとか、このカテゴリーをやった方がいいんじゃないかとか、外から突っつくというか。話し合いながらフィードバックをしてきました。

本業として会社の社長やってるので、お金の問題とかね、そういう計算を中心に、社会的なマナーなんかを教えたり。クラブのいちばんの財産は、クラブ員もそうなんですけど、コーチたちの資質っていうのも商品、うちは大事な商品だと思ってきたんで、自分より年上の人もおりますけど、若い子が多いので、そういうときはこうしなきゃダメなんじゃないの、こうした方がいいんじゃない、って。ボクは、いつも事務所にいるわけではないので、コミュニケーションは頻繁に取れないんですけども、週1回くらい行って、そういう指導、話し合いを積極的にしてきました。その(サッカーの指導の)世界にしか住んでない人たちなので、一般的な会社はどう考えるか、っていう感覚は、どうしても欠如していました。なので、そういったことを中心に。

坂口:コーチの方たちは、専従なんですか?

黒部:専従ですね。

坂口:プロのコーチなんですね。

黒部:ボランティアコーチもいます。彼らには、そこまで深く追及してどうのこうのって言いません。でも、責任者をやっている専従のコーチには、しっかりとやってほしいので。

坂口:専従のコーチは何人いらっしゃるんですか?

黒部:今、5人ですね。

坂口:専従のコーチが5人ですか。すごいですね。黒部さんみたいに兼業じゃない、運営担当の専従の方はいるんですか?

黒部:クラブマネジャーみたいな立場の人ですか?
いないですね。

次にどう展開するのってビジョンを示す立場の人が、今のところいなくてですね・・・
最近、44、5歳くらいで小学校の先生あがりのコーチが入ってきてくれたんですよ。今、その方に、こうした方がいいよ、ああだよ、こうだよ、と少しずつSMCで学んだことを中心に話してあげています。それで、本人もSMC行こうかなって気になってきたみたいで。今のところは、そういう段階ですね。

坂口:その方は教員を辞められて?

黒部:はい。辞めて。専従でやってますね。周りのみんなももったいないから辞めるなって言ったんですけどね。まだこれから給与も上がっていくだろうし、教員なら食いっぱぐれることもないだろうから、ボランティアでいいんじゃないのって。でも、辞めて来てくれたんで大事にしないと。

坂口:そうですね、覚悟がある人が背負っていくわけですからね。
他に黒部さんがリベロの中でやってこられたことはありますか?

黒部:あとは広報ですね。地域の人に知らせるってことに携わってきました。広報誌を作ったりとか、プレスリリースはこういう風に作るんだよとか。こうやって記事を書いて広報するんだよってことをひと通り、いろいろやってきました。非常に広く多岐に渡ってるんですけど、非常に薄い。 笑
教えること以外のことを、やってきました。

坂口:コーチ以外の裏側の仕事にはすべて関わってきたんですね。

その2 10年計画

坂口:では、もうひとつの組織、弘前Jスポーツプロジェクトのお話をしていただきましょうか。

黒部:ブランデュー弘前FC。それこそ立ち上がったばっかりのチームです。社会人のトップチーム、今、青森県1部リーグなんですけども、Jリーグまで持ち上げていこうと計画しているクラブです。

坂口:それが、今年5月10日にNPO法人化したんですね。リベロ津軽のトップチームを移行して・・・

黒部:リベロ津軽のトップチームを引継いで、別組織、弘前Jスポーツプロジェクトにしました。どうしてもお金かかるじゃないですか。で、失敗することもあるじゃないですか。失敗して、子どもたちのチームを潰してほしくないって思いがあった。自分の中にもありましたし、リベロの理事長にもそういう思いがありました。じゃあ、分けましょう、と。

喧嘩別れとかそういうんじゃなくて、分かれるけど、財布は別だけど、協力してやって行きましょう、ってチームづくり、クラブづくりをしていこうと。最終的には、湘南ベルマーレみたいな感じになっていければいいんじゃないかなって。

坂口:名前が違いますが、1つのものを2つの法人格でやるってことですよね。どちらもNPO法人ですね。

黒部:スタートはNPOの方がまだちょっと気が楽かな、ということで、NPOにしました。NPOから始めて、大きくなっていくうちに株式化していきたいなと思っています。でないとお金のやり取りができないので。

坂口:そうですよね。ブランデューの方の運営資金はどこから出てるんですか?

黒部:ほとんどNPOの賛助会費と市の助成金という形でまかなっています。

坂口 県リーグを戦っていくぐらいだったら何とかなるというところですね。選手は、全員、アマチュアですよね?
何かしらのお仕事をしながらの・・・けど、平日も練習あるんですよね?

黒部:夜19時から21時までみっちりやってます

坂口:選手はそれに支障がないようなお仕事に就かれてるんですね。

黒部:就かれて・・・というか、たまたまそういう仕事に就いていた人たちが活動に参加していたので。中には、うちでやりたいけども、仕事の関係で出られないよって人もいますね。次の段階として、良いのか悪いのか、本当はよくわからないんですけど、仕事の斡旋、こういう人がいるんで雇ってもらえないですかってことができればいいな、と。

坂口:選手の方たちは、だいたい弘前とか地元の方なんですか?

黒部:たいがい弘前か、その周辺都市出身。あとは、大学生で大学のサッカー部に入らないでこちらのチームに入りたいっていう子もいたんで、その子たちは北海道ですね、3人ぐらい。

坂口:今、何人ぐらいで活動してるんですか?

黒部:18人ですね。自分自身はね、すぐにJリーグには行けないだろうけども、何年後か十何年後か、弘前にJのチームができたときに、選手が自分の子どもとか孫に「あのチームの選手だったんだぜ」って自慢できたらいいよね、ってくらいの大らかな気持ちで取り組んでいます。

でも選手たちは、みんなみんな本気で、自分たちがひとつでも上のリーグに絶対、上げるんだ!上のリーグでやるんだ!という想いが非常に強いです。

坂口:どれぐらいの時間軸での計画というか、ビジョンでJを目指してるんですか?

黒部:10年計画ですね。

坂口:(うん、うん)

黒部:周りのみんなには遅いって言われるんですけどね。

坂口:どうなんですかね。

黒部:僕はちょうどいいと思うんですけどね。

坂口:もっと早くっていう人たちは結構いるんですか?

黒部:いますよ。街のお偉いさんとか。「もっと早くならねぇのか、最短で何年かかるんだ」って。最短で4年です、というと、「それぐらいで行けねぇのか。」いやー、無理ですよって。できるかもしれないですけど、中身はきっとガタガタですよ。それでもいいんだったら頑張りますけど、お金くださいって。

坂口:それ次第ですよってみたいな話になっちゃいますよね。

黒部:やっぱり育てていかないといけないし、今後のことに関わってくるんですけど、お金で外からいい選手連れて来ればいいかっていえばそうじゃないし。連れてきたその人がいなくなっちゃったら地元に何が残るのか。例えば、地元の企業から何百万、何千万もらってその人に払ったとしても、地元に何にも残んなかったら意味ないことですよ。

じっくり育てて、外からいい人が来たら、長くその人にいてもらって、下にいい影響を与えていってもらいたいですね。リベロ津軽の子どもたちとか街のほかのクラブの子どもたちに影響を少しずつ与えながら、ユース年代がちゃんと育っていく形から、作っていければいいなって思っています。それには、やっぱりどうしても最短で10年はかかるんじゃないかなと思ってますね。

坂口:そうですよね。始まったばっかりですからね。

黒部:本当は、50年とか60年とか言いたいんですけどね。お金出してくれなくなっちゃうんでね。 笑

その3 仲間がたからもの

坂口:では、SMCの話を。
2008年に受講された感想を教えてください。

黒部:楽しかったですよね。まずは。そして、苦しかったですよね。 笑

坂口:

黒部:いろんな人たちに出会えたこととかね、いろんな楽しいことや、スポーツの話だけではなくて、本業に役立つことがすごくたくさんあった。今までレールの上を漠然と生きてきて、漠然と仕事をやってきて、例えば、ビジネスモデルだよ、とか、フロー図だよ、とかってことを意識してやってこなかったんです。だから、仕事の本質っていうか、根本を意識しながらやれるようになったのは、ちょっと大きかったと思いますね。

坂口:ちゃんとビジネスをされている方からそう言われると嬉しいですね。 笑

黒部:今までやってきた流れで、そのままやっていく、っていうのが、いちばん、落とし穴があるな、って。これまでこうやってきたからこうなんだ、っていう思い込みをね、本当にそれでいいのか、一から洗い出す機会にもなりましたしね。

坂口:それも嬉しいですね。受講してみてよかったこと、ほかにもありますか?

黒部:月並みですけど、全国各地に仲間がいるっていうのがやっぱりいちばんですよね。本業であちこち飛び回っているので、例えば、大阪行くとか、東京行くよ、とかって言うとあちこち仲間がいて、飯食ってね、情報交換して、その中で必ず刺激をもらえる。大人になってから学ぶことってそんなにないし、ひとりで学ぶ機会はあるけど、30人の集団で学ぶことってなかなかないじゃないですか。その連帯感っていうか懐かしさも含めて、大人になってからはなかなか得られないものですよね。

同じ方向を向いて勉強をしてきた仲間なので、その後どうなってるのかってことも気になるし。その情報聞いて、これじゃいかんなって思ったり。仕事の方も頑張っていこうって気持ちになるし、サッカーももっと携わらなきゃいけないな、とかね。すげぇな、この県はここまで考えてんのか、じゃあ、うちはどうなのか?とかね。いい刺激になってますね。知識としても、いい情報入ってきますしね。

そういう仲間がたからものっていうかね、 笑
いちばんの収穫だったんじゃないですかね。

その4 地元を愛するクラブ

坂口:さっき10年計画ってお話がありましたけど、これからやっていきたいことをもう少しお話しいただけますか。

黒部:まず、これからやっていきたいことは、仲間づくりですね。少子化で、リベロ津軽も当然、子どもたちが少なくなってきています。かといって、活動を縮小させるわけにもいかない。周辺市町村では、学校の統廃合があったりとか、スポ少の指導者がいないとか、活動できなくなる団体がでてきています。そういった問題を、ひとつひとつ助けてあげられるクラブづくり、仲間づくりをしていかなければいけないのかなと思っています。

で、弘前Jスポーツプロジェクトも同じなんですけど、地域密着っていうこと・・・
地域の困っていることをどうやって解決していくかってことをもうちょっと真剣に考えなくちゃいけないのかな、と。それが、プロチームをつくることの意味はなんなの?ってことだと思うんですけど。

つくること自体が目的じゃないし、プロチームは所詮、ひとつの道具、手段でしかない。目的の本質っていうのは弘前の街づくりなんですね。街の活性化だったりとか、人づくりにつながっていくことをしていこうと考えています。最終的には、それが僕らの本業の商売に跳ね返ってくるわけですから。元気いいところには人が集まってきますし、住みやすいところは子どもが増えてくる。そうなると街がよくなってくる。そんなサイクルをスポーツでつくっていきたいなって思いますね。

月並みなことばで「地域のみなさまに愛されるチームになります、目指します」っていいますけど、僕からいわせるとそれは逆で、今そこにある問題、地元の自治体や地域が抱えている問題解決を僕らが率先してやるから愛されるんであって、それができなければ、たとえ、いくら有名選手がいてサイン会やってワーッて人が来ても、その時、その場だけはいいかもしれないけども、本当に愛されるチームにはならない。
地元を愛するクラブ、チームだからこそ、人に愛される。そういうクラブになっていきたいなって。まずは、この地元を愛することから始めたいと思っています。僕自身、大好きなので、この弘前が。

Jスポーツプロジェクトを一緒に立ち上げて運営しているメンバーは商工会議所とか青年会議所とかのメンバーで、みんな、弘前のことが大好きなので。ただスポーツだけやって、ワーッて楽しんで終わりじゃなくて、地元の問題を解決する手段としてこのクラブがあるんだよって。そういう形にしたいって思いが、みんなに、ありますね。
そこを追求していけば愛されるようになるんじゃないかなと。まずは与えることから始めたいですね。

坂口:ありがとうございます。余談になりますけども、弘前の好きなところってどんなところですか?

黒部:全部なので、なんとも言えないです。まず、過ごしやすい。そして、みんな人柄もいい。
だいたい田舎で新しいことしようとすると、足引っ張る人が多いんですけども、昔は多かったらしいんですが、今、ここはそういう街ではないですね。若いころに足を引っ張られて思うことができなかった世代が40、50歳になって、自分たちはもう応援するよって、嫌な思いさせたくないから応援するよって街になってきてるんですね、弘前全体が。僕らが次の世代なんですけども、だから、僕ら30代がいろんなことをし始めてるんですよ。

教育面だったり、僕はスポーツですけども、地元の商工会関係でも買い物難民をなんとかしようとか、そんな流れができてきてるんで、いろんな人を応援したり、いろんな人に応援してもらえるような自治体っていうかね。市長もそういう人なので、人を応援できる街っていうのがすごく好きですね。環境に関しても抜群だと思いますし。悪いところはまったくなくて。
気持ち悪いですよね。 笑

坂口:

黒部さんのインタビューは、藤田記念庭園の洋館2階の会議室を
借りて行われました。藤田記念庭園は弘前公園に隣接し、
弘前人の魂、岩木山を望む広大な日本庭園のほかに、
登録有形文化財の洋館、和館、考古館、茶屋などがある、
東北地方有数の庭園です。

黒部:今日のインタビューも、どうせなら、サイトを見た方に弘前の良いところを知ってもらおうと思ってこの藤田記念庭園を会場に選んだんですよ。

坂口:いいですねえ。でもきっと、足の引っ張り合いをやってる場合じゃないよね、っていう段階に来てるんでしょうね。それに早く気がついているか、気がついてないか。気がつけば、どんどん動き出さざるを得ないですよね。

黒部:市長が代わってからそれが顕著ですね。2年間ぐらいなんですけど、この2年間のスピードって、今までなんだったの?っていうくらいのスピードで。ワーッて変わっていって、もう、これやろう、あれやろうって、若い人が一生懸命、街を盛り上げていたり。
すごくよくなるんじゃないですかね。

それに、自分たちの宝っていうか、シンボルがあるんでまとまるんですよね。たとえば、弘前公園とか、岩木山とか。ほかの都市圏と違って、自分たちが愛する自然とか文化があるんで、すごく、わかりやすい。自分たちのアイデンティティてなんだろうっていうときに、絶対そのあたりが出てくるんで。

坂口:たとえば、今日は僕は仕事ですが、旅行者から見ても、それ分かり易いですよね。

黒部:弘前に仕事で来られる方がファンになって、また来るっていうのがすごく多いみたいです。

一昨日、たまたま毎日新聞の若手の方とお会いして、弘前に少し前に初めて来たけど、癖になるな、と。人がいいってね。いろんな店行っても、みんな親切だったり、一癖二癖あるんだけど、気にならない人がいっぱいいる、これは面白いって、何回も来てるんだ、って話してましたね。
そういわれると嬉しいですよね。

坂口:本当に面白いし、素敵な街ですよ。僕もまた来たい。
ありがとうございました。

黒部:ありがとうございました。

 

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