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JFA ビーチサッカークリニック選抜、PRIDE BEACH GAMESに参戦
2023年10月10日
2022年から取り組む、ビーチサッカーにおける育成事業、クリニック選抜合宿を10月4日(水)からJFA夢フィールドピッチカリオカで実施しました。
今年度は、合宿後にPRIDE BEACH GAMESに参戦し、日本トップレベルのクラブとの試合を行いました。
集合時から、「ビーチサッカー日本代表の椅子は待っていても来ない。自分で奪い取る意識で取り組んで欲しい」と田畑輝樹コーチから鼓舞されてスタートしました。
トレーニングでは、各地域クリニックでも行った攻撃、守備の動きを復習するところから始まり、田畑コーチは「相互作用」を共通意識として何度も意識をさせていました。パスの受け手、貰い手だけの関係ではなく、1つのパスの中でオフザボールの選手全員が関わりを持ちながら動き続けることで、仲間を助け自らも生きるということを戦術の中で理解させました。
2日目からは選手間の声掛けが活発になりました。
ポジションの確認時には、動き出すタイミングや出し手との合図、日頃所属クラブが違う選手たちが各々に意見をぶつけ合いながら関係性を構築していきます。田畑コーチからは「フリーズしてる」「ボールウォッチャー」と、動きが止まる度に指摘の声が飛んでいましたが、それも徐々に選手間で声が出せるようになっていきました。
3日目は、試合に向けより戦術の確認が進み、相手選手の特徴に合わせる注意点に関しても要求が高いものになっていきました。また、セットプレーもより実践に向けての指示が多くなります。
今回の取り組みでは、フットサルの活動(U-19日本代表のオーシャンズカップ出場)に倣い実践での活動を盛り込んでいるため、選手全員の目的意識がはっきりしこのチームの一体感が高くなってきました。
PRIDE BEACH GAMESでは、4チームのトーナメント戦になっており、初戦は九州チャンピオンでもあるラソアペーゴ北九州との対戦になりました。
絶対的なエースのいるチームに対し、守備陣形を変えながら対応を試みましたが、その選手のオーバーヘッドで先制点を奪われます。その後、FKを決められ0-2で1ピリオドを終えました。
トレーニングで取り組んできた、相互作用での崩しは見られず相手の圧力ある守備にボールロストする場面が見られ、田畑コーチも「やろうとしてミスするのと、何も考えず弱腰のネガティブなミスをするのでは意味が全く変わる。トレーニングを思い出してくれ」と語尾を強め伝えます。
2ピリオドでは、選手間でコミュニケーションを取り合い、積極的にボールを奪いに行ったことでOGを誘い、さらにFKを信末悠汰選手(ドルソーレ行橋)が決めて同点に追いつきます。
3ピリオドでは、相手選手のスーパーゴールで再度リードを許すものの、崩しの形から最後信末選手が頭で触り再び同点。そのまま終了となりました。大会レギュレーションにて延長は行われず、3人ずつのPKで勝敗をつけることになり、結果は、2-3で敗戦となりました。
この結果、最終日は、ビーチサッカークラブの最古参であり強豪のソーマプライア沖縄との対戦に決定しました。
最終日は、トレーニングで取り組んだ攻撃、守備を改めて確認して試合に入ります。
ただ、1ピリオド目でなかなかうまくチームが機能しません。相手のミスもありOGで先制するも立て続けに失点し、逆転を許します。連日、1ピリオド終了時点で田畑コーチにチームコンセプトの徹底とやり切るメンタリティの言葉をかけられる状況になってしまいます。
2ピリオドでは、躍動した動きが見られるようになります。トレーニングで取り組んだ形で、最後は石川和哉選手(トリコロール?)から大田誠人選手の前のスペースにスピードのあるパスが通りダイレクトで決めます。続いて長廉太朗選手(アヴェルダージ熊本)信末悠汰選手と立て続けにゴールを奪い、逆転します。
しかし、第3ピリオド、相手の早い動き出しについていけない場面が続き、2失点。この試合も同点にて終了することになります。連日のPK戦になりましたが、最終試合は2-0にて勝利。
今回の大会JFA ビーチサッカークリニック選抜は1勝1敗(ともにPK戦)にて大会を終えました。
クロージングでは「JFAがこのような機会を作ってくれた、それに応えるのはこの中から1人でも多く代表の座を奪うことでしかない。現状みんなにはさらなる成長が必要だということを感じてくれたと思う。でも、そういうものを感じてもらうための今回だった。ここからみんながどう成長してくれるのか、今日からのほうが大事だと思ってほしい」と、田畑コーチから選手たちに今後の成長を期待すると伝え、活動を締めくくりました。
試合結果
10月7日(土)
初戦 vs ラソアペーゴ北九州
3(0-2 2-0 1-1)3 PK2-3
0-1 失点
0-2 失点
1-2 OG
2-2 信末悠汰(ドルソーレ行橋)
2-3 失点
3-3 信末悠汰(ドルソーレ行橋)
PK GK:山本哲也(BSC明石アレイア)
◯大田誠人 ◯相手
×長廉太朗 ◯相手
◯信末悠汰 ◯相手
10月8日(日)
順位決定戦 vs ソーマプライア沖縄
4(1-2 3-0 0-2)4 PK2-0
1-0 OG
1-1 失点
1-2 失点
2-2 大田誠人(アヴェルダージ熊本)
3-2 長廉太朗(アヴェルダージ熊本)
4-2 信末悠汰(ドルソーレ行橋)
4-3 失点
4-4 失点
PK GK:小泉智樹(東京レキオス)
◯大田誠人 ×相手
×長廉太朗 ×相手
◯信末悠汰
選手コメント
GK 小泉智樹 選手(東京レキオス)
はじめに、このような素晴らしい環境を整えてくださった方々に感謝します。
今回の合宿は、大会にも出場させていただき、実践を意識しながらトレーニングを行いました。
最初はお互いのプレーが合わないことも多かったですが、試合では、トレーニングで行った戦術がうまく機能した場面もありました。ただ、試合の入りが悪かったり、田畑さんに言われてからスイッチが入ったりするなど、自分たちで改善しなければならないところも多くありました。技術だけでなく、このような意識の部分もレベルアップしていく必要があると感じました。
また、今回はトレーナーの方からセルフケアやドーピング、栄養面のことについても学びました。世界で戦うためにトレーニングだけでなく、日常生活も意識を変えていきたいです。僕のポジションはキーパーで、キーパーに求められることは非常に多いので、その役割を果たせるようにさらにステップアップしていきたいと思います。
改めて、今回の合宿に携わっていただいた皆様、ありがとうございました。
FP 長廉太朗 選手(アヴェルダージ熊本)
今回このような活動を実施していただき、ありがとうございます。
トップレベルの指導を体感し、刺激を受け、各々がレベルアップできる機会となりました。
トレーニングではひとりひとりが考えてプレーする。相互関係を意識し味方との連係を深める。
今までのビーチサッカーにない新しい試みを実践しました。
まだまだ入口の段階ではありますが、選手としてこれからのプレーに大きく影響する指導を受けることができました。
ここがゴールではなく本気でビーチサッカー日本代表を目指し活躍する覚悟の大切さなど、プレー面以外での心のあり方などJFAのアイデンティティを強く感じ、より一層個人としても目指す目標が固まりました。
とても有意義で濃密な5日間となりました。
これからのビーチサッカー界を引っ張っていける存在になれるよう日々のトレーニングから全てを変えなければいけないと感じました。
最後に素晴らしい環境でトレーニング、大会参加出来たこと感謝します。スタッフの皆さまありがとうございました。
FP 向川巧真 選手(BSC川崎)
この度は、素晴らしいトレーニング合宿ができ、環境を整えてくださった田畑監督をはじめ、JFAの方々のご協力に感謝します。
この合宿では『相互作用』を全選手が考え、プレーをしなければならないと言うところからスタートし、4泊5日間の中で攻守共に様々な戦術的な部分に対して取り組んでいきました。
また、普段一緒にプレーしてない方や、初めて会う選手と一緒にプレーする事に対しての難しさ、適応能力の大切さを改めて感じされた選手は多かったと思います。
ですが、各選手トレーニング中だけではなく食事の時間、アイシング中などに自分のプレースタイルやトレーニングの戦術について確認し合う姿が多く見られた印象です。
また、今回の合宿でPRIDE BEACH GAMES 2023にJFA ビーチサッカークリニック選抜として参加させて頂きました。普段私は関東リーグでプレーしているため中々関東以外のチームとは戦うことがなかった為、凄くいい経験にもなりました。ラソアペーゴ北九州にはPK戦で負け、ソーマプライア沖縄にはPK戦で勝利することができました。
各選手トレーニング合宿で学んできた戦術に適応し戦うことができていました。
私自身は他の選手より適応できていなく、凄く悔しい思いをしました。ですが、この経験を無駄にせずここで学べたことを自チームに戻った後、どのように過ごすが大切だと改めて感じました。
最後に改めて、今回のクリニックの環境を整えてくださった皆様に感謝申し上げます。