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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第36回 築舘範男 東ティモール代表監督

2019年04月26日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第36回 築舘範男 東ティモール代表監督

2度目の東ティモール

2011年から2013年の間、東ティモールにてU-23、U-19、U-16とユース年代の指導をしていました。それから数年を経て昨年5月より再びこの国の代表チームを指導することになりました。前回との相違点は、今回はトップカテゴリーの代表であることです。国の代表はどこの国であっても国民の期待にこたえる義務があります。将来の成長と現在の結果のバランスが要求されるのです。幸い、以前のユース年代の代表チームで指導していた選手の半数が現在トップチームでプレーしていることは選手の特徴を知るうえで大きな利点となります。しかし、逆に先入観という大きなリスクもはらんでおり、気を付ける必要があります。今現在、伸びてきた新しい選手達をしっかりと把握することを忘れてはいけないと自分を戒めています。

違うこと、同じこと

今まで、私はグアム、ラオス、バングラデシュ、ブータンでの指導をする機会をいただき、これらの経験は、私にとって大変大きな力となっています。
一番力になっていると思うのは、「どの国も違う」そして「どの国も同じ」ということです。
矛盾していますが、「違い」と「同じ」について述べたいと思います。

「違うこと」=政治、宗教、国民性
特に、政治、宗教はその国のサッカー協会のシステムに、大きく影響していいます。
社会主義、民主主義、王制、イスラム教、仏教,キリスト教と、それぞれに良さがありますが、私にとって慣れない部分や考え方の違いが多くありました。例えば、日本で大事にされているコンセプトのひとつ「プレーヤーズファースト」がしっくりこない時があります。人々が見ている方向は選手だけではありません。政治や宗教的教えの影響が強いこともあり、何を正しいとするのかは非常に難しいのです。人間の価値観の違いであり、その国ではそれが正しいとされているのであろう、と理解しています。
「同じこと」=みんながサッカーを愛している
どんなレベルの大会においても、自国チームのプレーに一喜一憂し、選手は国の人々からエネルギーをもらい、国民、サポーターは、自国チームの選手から勇気をもらうのです。
どこの国でも見解の相違から、理解しがたいこともありますが、サッカーをする時は、自身の全エネルギーを注ぐ義務があると思っています。これは、日本でも同じかもしれませんね。

今後の予定

年末に、「SEA GAMES」というASEAN地区のオリンピックとも言える大会がフィリピンで開催されます。大会までには紆余曲折が予想されますが、すべてのエネルギーをフィリピンで出し尽くしたいと思います。

 

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