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アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~第26回 鈴木隣 U-16スリランカ代表監督・ナショナルアカデミー統括

2017年04月11日

アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~第26回 鈴木隣 U-16スリランカ代表監督・ナショナルアカデミー統括

アジアの各国で活躍する指導者達の声を伝える「アジアのピッチから」。第26回は、スリランカでU-16代表監督及びナショナルアカデミー統括を務める鈴木隣氏のレポートです。

ナショナルアカデミーを開校

サッカーの発展には短期、中期、長期のプランが必要であり、特に選手育成は長期的かつ重要な課題です。JFAの「ナショナルトレーニングセンター制度」を参考に、スリランカサッカー協会(FFSL)と幾度もミーティングを重ね、現地の学校と連携してようやくこの4月にアカデミーの開校にこぎつけることができました。最近はこういった制度構築に多くのエネルギ-を費やしています。

スリランカ北部州ジャフナにあるこのアカデミーには10歳から18歳までの9学年各30名が所属しています。FIFAの支援により工事が進められている人工芝のグランドが完成次第コロンボで、その後、ハットン、マータラ、バドゥッラの各地で計5校のアカデミーが順次開校予定です。 各トレーニングセンターで270名、全国5か所で計1350名の選手を指導することが可能となります。いずれは、月に1度各トレーニングセンター対抗の試合を行いながら全国のトレーニングセンター同士で切磋琢磨する環境を作ります。

JICAスリランカ事務所との協働による相乗効果

これらの活動は、国際協力機構(JICA)スリランカ事務所と協働して行っています。JICAサッカー隊員の多くは地方の各都市で活動しており、各地のサッカー事情に精通しています。FFSLと私にとっては、情報交換が正確かつスムーズに行えること、また、隊員達にとってはスリランカ代表チームとともに活動することで、各地方選手と代表レベルの選手の差を把握し、各自が担当する都市で不足している点を自分のチームで強化する、という利点があります。さらに、彼らは代表チームの練習を通じて練習方法を学ぶことができるため、サッカー隊員の研修の場にもなっています。今回スリランカで開催されたU-16の国際大会では、指導者講習も同時に行われました。隊員達がこの講習会に通訳として参加することにより、現地のコーチとのネットワークを構築し、この講習内容を各担当地区に持ち帰ることで、地方でのサッカー発展にもつながります。スリランカサッカーの発展にJICAと協働は不可欠です。

SFTプログラム 南アジア・日本U-16サッカー交流大会

3月に、ネパール・ブータン・日本そしてスリランカの4カ国のU-16代表チームによる国際大会がスリランカで開催されました。これは、スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)プログラムの委託を受けたJFAの支援で実現したものです。

昨年11月にJFAの視察団がスリランカを訪れ、今大会の競技場やホテル等の施設を視察するところから準備はスタートしました。その後約4か月の準備期間があったものの、大会直前まで様々な確認作業が続きました。このような国際大会をスリランカで開くのは今回が初めてということもあり、大会運営について色々と学ぶことが出来ました。

並行して、この大会に臨むU-16スリランカ代表の準備も進めました。約500名の選手の中から、しっかり走れて戦える選手を基準として選考し、初戦の日本代表チームとの試合を目標にキャンプを行ったのです。日本戦では約8割が守備に回ると予測し、ディフェンス・カウンターアタック・セットプレーを中心に練習しました。FFSLと話し合い、チームのコーチングスタッフに若くて動ける指導者を選考しました。若い指導者が代表チームに入る機会は今までほとんどなかったため、経験を積んでもらうのが狙いです。

さらに、スリランカでU-14代表チームを指導するJICA協力隊員の中野コーチにもスタッフに入ってもらいました。中野コーチはシンハラ語が堪能であり、個人・グループ・チームの各戦術を教える際に、シンハラ語にて指導することで、選手に戦術を浸透させることができました。

日本代表との試合では、スリランカ人選手の特徴を生かしたサッカーで、1-3と善戦し選手達は大きな自信を得ましたが、続くブータン・ネパールの試合はかなり苦しいものとなりました。攻撃戦術の不足、オフ・ザ・ボールの動きの質の悪さや特に動きながらボールを扱う技術の低さを痛感させられました。これらの改善が今後のスリランカサッカーの課題です。

大会期間中に開催されたJFAによるコーチングセミナーには、出場各国のコーチングスタッフやスリランカ全国から集まった指導者約70名が参加、実技や講義を通じて、サッカーの発展には代表強化・指導者養成・ユース育成の三位一体の取り組みの必要性を学ぶ機会となりました。同じくJFAから派遣されているブータンの李成俊監督、ネパールの武田千秋技術委員長らと南アジアサッカー全体の現状や各国の課題を共有できたことも大きな収穫です。これら全てを、今後の指導に役立てて行きます。

今や世界中に知られるセイロン紅茶は、日々成長する茶木の先端にある若い葉だけを摘み、それを「マスターブレンダー」と呼ばれる職人が華やかな紅茶に仕上げます。サッカーにおいてその若い葉をブレンドするのが指導者です。今後もスリランカに於いて、その「マスターブレンダー」としての仕事に注力すると共に、未来のマスターブレンダー達を育てていきたいと思います。

JFA公認海外派遣指導者

鈴木 隣 U-16スリランカ代表監督・ナショナルアカデミー統括

埴田 淳 ブータン代表GKコーチ

武田 千秋 ネパール 技術委員長

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