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第1回 『第二の故郷』

2006年06月11日

 

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記念すべき第一回目。アカデミーが始まって2ヶ月が経ち、本当にいろいろな方のお世話になっていることを日々実感している。多くのサポートをいただいている中から、まずどなたを紹介しようかと考えていたところ、真っ先に浮かんだ方が高原カネ子さん。5月の帰省期間に2名の生徒がアカデミー生のトップを切ってお世話になった方である。
今回は高原さんがサポートファミリーに登録したきっかけやホームステイ中のアカデミー生の様子、高原さんの普段の活動を紹介します。


サポートファミリーに登録したきっかけ 
 高原さんには3人のお子さん(既に成人されている)がいらっしゃる。三番目の娘さんが高校在学中にカナダへ短期留学し、その後アメリカの大学に進学した。カナダではホームステイ、アメリカでは寮に住んでいたとのことだが、その間に現地の方、ホームステイ先の家族、寮の職員の方など、たくさんの方に大変お世話になったことを今でも感謝しているそうである。その恩返しをどこかでしたいと思っていたところに、このサポートファミリーの話が来て、形は違えど親元を離れ寮生活を送るアカデミーの生徒たちに何か力になることで、恩返しの変わりになるのでは、と思ったそうである。まさに「厚意のリレー」である。子どもが自分の元から離れ、目標を達成するために離れた土地で努力し、成長していく過程で直面する寂しさや苦労、そして保護者が子どもに対して心配する気持ちをご自身が実体験として経験しているからこそ理解できる。そしてご自身が温かく感じたサポートを単身で楢葉の町に夢を持って集まってきた子どもたちに今度は自分が返してあげたいとの気持ちでサポートファミリーに登録したそうだ。


アカデミー生の印象
 実際にアカデミー生を受け入れて感じた生徒たちの印象は、「夢を持っている子は何かが違う、筋が一本通っているようだ」とのこと。
 受け入れにあたって、生徒たちに対してどのように接したらよいか娘さんに尋ねたそうである。娘さん曰く「家に帰ってきたの(と同じ)だから放っておけばいいのよ」。そこで、初日にスケジュールや約束事を決め、みんなで外出する以外は自由にさせる時間を大事にしたとのこと。もちろん家に帰ってきたのだからお手伝いも行おうということで、お皿洗いなどを分業して行った。
 このように、帰省したときと同様になるようご配慮していただいたため、生徒たちもリラックス・リフレッシュできたようである。
 さて、取材中にお聞きしたエピソードで驚いたことがひとつ。娘さんがアメリカに留学した際に二つの約束をしたそうである。ひとつめは一度でも落第したら即帰国というもの。そしてもうひとつが卒業するまで里帰りはしないというもの。留学中の連絡はもっぱら手紙。それだけでコミュニケーションを取り合っていたそうである。それを実行して大学を卒業した娘さんもすごいが、心配な気持ちを心のうちにとどめ、遠い日本で成長を見守っていた高原さんの覚悟とはどれほどのものだったのだろうか。まだ子をもつ親になっていない私では想像できない。


会津への旅
 ホームステイ中に猪狩教育長さんの協力も得て、会津に連れて行っていただき、野口英世記念館、鶴ヶ城、世界のガラス館を回った。生徒たちは鶴ヶ城を訪れた際に幕末の会津藩の出来事、白虎隊の悲劇を知り、今の時代に生きている幸せを痛感したようである。また、野口英世記念館に連れて行ったことには高原さんの想いが含まれていた。記念館には野口英世がアメリカに在住していた際に母シカが「帰ってきておくれ」と何度も書いたはがきの現物が展示されている。高原さんはこのはがきを見てもらうことで、子どもを自分の元から手放す親の気持ちを感じ、アカデミーに身を置くことを応援してくれる親に対し感謝の気持ちをもってもらいたいとの想いを持たれたそうである。


和太鼓と生花
 普段の高原さんはとても精力的に活動されている。和太鼓の教室(ならは天神太鼓うしお会)を開き17年になり、毎週、月曜日と金曜日に加え、月に一度は土曜日に7時間稽古を行っている。生徒さんは小学校3年生から成人まで、中には小さい頃から習い続け、成人してお子さんを連れて親子で稽古に来る方もいるとのこと。大会前には月・水・金の週3回ペースで稽古を行うこともある。毎年11月には県のコンクールにも出場し、過去2回入賞を果たしている。また、10月29日には楢葉町コミュニティセンターでうしお会主催のコンサ-トも行うとのこと。和太鼓の作曲もご自分でしているようで、最近は子どもたちと一緒に作曲をすることもあり、これも楽しみのひとつとなっているようだ。
 和太鼓の醍醐味を尋ねたところ、「スポーツと共通するのはチームワーク」との答えが返ってきた。「心がひとつにならないと音がひとつにならない」とのこと。サッカーと同じである。メンバー全員の心をひとつにし、自分だけではなく、ある数人だけではなく、みんなが、お互いが上手になることが大切なのだそうだ。
 さらに高原さんは生花を教え始めて20年になるという。月に3回、土曜日の夜に教えているとのこと。この地は自然が豊かで季節折々でいろいろな花が咲いている。花の美しさに心癒され、心の芯までとどく和太鼓の音色に耳を傾けていると、こんなにも凛とした人間になれるのかなと感じさせられる、そんな取材のひとときであった。

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