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下地づくりをぬかりなく ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第14回~

2021年11月04日

下地づくりをぬかりなく ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第14回~

男子の場合、本来なら今年は、国際サッカー連盟(FIFA)主催の二つのアンダーカテゴリーの大会が開かれるはずだった。一つは5月から6月にかけてインドネシアで予定していたFIFA U-20ワールドカップ(20歳以下)、もう一つは10月にペルーで予定していたFIFA U-17ワールドカップ(17歳以下)である。残念ながら、どちらの大会も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になった。選手というか、人間は毎年確実に年齢を重ねるわけだから、2021年に出場資格のあった選手も来年はその資格を失い、出られたはずの世界大会を経験することなく〝卒業〟することになる。世界的な規模で等しく起きている問題だから仕方ないことではあるが、若き代表が貴重な国際経験を積むチャンスを失うのは大きな痛手である。

とはいえ、オリンピック代表やフル代表につながる選手強化の歩みを止めるわけにはいかない。実際、欧州各国はコロナ禍でも強化プランを粛々と前に進めていて、日本もフランスのトゥーロン国際やスペインの国際大会に「参加しないか」と誘われた。行きたい気持ちは山々だったが、現状では海外の大会に参加すると、新型コロナワクチンの接種を済ませていたとしても、日本に帰った後で10日間の自主待機を求められる。学業その他、アンダーカテゴリーの選手に影響は大きく、泣く泣くお断りするしかなかった。その代わりといってはなんだが、積極的に国内で大会を開催したり、大会に参加させようと考えている。8月には広島で「HiFA 平和記念2021 Balcom BMW CUP広島ユースサッカー」にU-17日本代表を参加させた。対戦相手はサンフレッチェ広島ユース、サガン鳥栖U-18、広島県高校選抜U-18の3チーム。U-17日本代表は3戦全勝で優勝したが、とにかく真剣勝負の機会をいただけたことがありがたかった。

日本でオリンピックは、フル代表の登竜門として注目度が高い。U-21欧州選手権をオリンピック予選と見なすヨーロッパと考え方は違うけれど、日本はこれまでどおりのやり方を踏襲していくつもり。パリオリンピックでしっかり成果が出るように、そこに向けての強化体制を明確にしなければならない。そのスタートが10月、福島県Jヴィレッジで開催されたAFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022予選だった。暫定的な意味合いではあったが、U-20日本代表の富樫剛一コーチにU-22日本代表の指揮を託し、チームは来年6月にウズベキスタンで開かれる本大会の出場権をきっちり獲得してくれた。このウズベキスタンでの大会に向けてアジアの強国は、先を見越して〝若い〟チームを送り込んでくるケースが多い。韓国は既にJリーグでも活躍した韓国代表のレジェンド、黄善洪をパリオリンピック監督に指名してこの大会に参加し3連勝して本大会に出場を決めている。日本も来年からFIFA U-17ワールドカップ、FIFA U-20ワールドカップ、そしてパリオリンピックを目指す各代表が本格的に活動できるように、技術委員会で監督以下スタッフを正式に定めたいと思っている。パリオリンピックを目指すチームは来年3月のインターナショナルマッチウィンドーを使って本格的に始動することになるだろう。

国際交流に制限はあるが、国内での活動は地道に続けている。堂安律(PSVアイントホーフェン)、冨安健洋(アーセナル)がいい例だが、彼らは13歳、14歳のころから日本サッカー協会(JFA)に選抜され、各年代の代表で日の丸をつけて戦い、フル代表まで生き残ってきた。今年も中1、中2の発掘育成プロジェクトを千葉・東金でやったばかりだ。中心になって活動しているのは各地域のJFAコーチ(昔はトレセンコーチと呼んでいた)。もちろん、宿舎等でのコロナ対策はしっかり取った上で。こういう発掘プロジェクトの狙いは、見どころのある選手を一堂に集めて刺激を与え合うことにある。早くから国際経験を積めば、上には上がいることを知り、ドメスティックな思考はおのずと消えていく。それは彼らを指導するコーチにもいえる。せっかくの原石がいても、それを磨く側がドメスティックな思考の持ち主では困る。そういう意味で発掘プロジェクトは、そこに集う全員をブラッシュアップするものといえる。

選手発掘でいうと、Jリーグの大宮で強化の仕事をしていた西脇徹也が今年8月からJFAコーチとして全国各地を行脚してくれている。狭い国土の日本と言われるけれど、いざ選手を発掘しようとすると、各都道府県、各地域のJFAコーチの声を吸い上げていても、ピックアップしきれないタレントがいるものだ。そんな取りこぼしがないように西脇コーチはあちこち見て回っている。JFAアカデミー福島がJヴィレッジに徐々に戻っていることもあって、そのスカウトも兼ねている。地味な活動かもしれないが。3年後、5年後にはひょっとすると、その中から日の丸つける選手が現れるかもしれない。現在の代表でも、堂安や冨安のような「日の丸街道」をひた走ってきた選手もいれば、鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)や伊東純也(KRCヘンク)のように、アンダーカテゴリーの代表に選ばれていない選手もいる。それくらい選手の伸長は読み難いものなのだ。

JFAの影山雅永ユース育成ダイレクターともよく話しをするのは、JFAが目標に掲げる2050年のワールドカップ優勝を達成するには、その前にアンダーカテゴリーのワールドカップ優勝を本気で目指し、実現させる必要があるということ。2017年のFIFA U-17ワールドカップ(インド)のベスト16で、日本はイングランドにPK戦で敗れた。勝ったイングランドはそのまま初優勝を遂げた。決して達成できないターゲットではない。それはSAMURAI BLUEの30年のワールドカップのベスト8、ベスト4につながっていく話だ。

そのためには、国の内外を問わず、地味なことも大きなことも、とにかく中身を精査してやっていこうと思っている。地味な方でいえば、高校生のプレミアリーグを東西各10チームから2チームずつ増やすのもそうだ。夏場を避けて試合のインテンシティーを上げることも、大いにやる価値はあると思っている。また世界中にいる、いわゆる2重国籍の子どもたちのスカウト網も張り巡らしていこうと考えている。スペインのFCバルセロナの下部組織、ドイツのヴェルダー・ブレーメンの下部組織、イングランドのブラックバーンの下部組織にもそうした人材がいるとJFA欧州拠点から聞いている。

現在欧州は代表チーム、クラブチームの両方とも活動が旧に復した感があり、そういう意味では事態があまり変わらない日本の現状に結構焦っている。なにかと日本が比較されるメキシコもスペインの大会等に既に参加している。メキシコは週末の国内リーグが終わると、月火水とB代表のキャンプができるなんて話を聞くと、その焦りはさらに募ってしまうのだが。

SAMURAI BLUE同様、アンダーカテゴリーのアジア予選もこれからますます厳しくなっていくのは間違いない。中東勢はこちらの方も力を入れ、東南アジアも伸びている。そういう相手に打ち勝てるように、人員と環境を整えていく。コロナ禍というハードな時期だからこそ、いざ、コロナ禍が収束に向かい、海外遠征が緩和された時に「待ってました」とばかりにパッと花が咲けるように、下地をぬかりなくプランニングしていきたい。大きな目標にたどり着くには、地味な変革、小さなことの積み重ねが大事だと思っている。

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