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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.10「指導者のリスペクトはみんなに公平であること」

2019年12月04日

ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.10「指導者のリスペクトはみんなに公平であること」

必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2018年10月に掲載されたものです。

全力を注ぐ選手イコールチームを大事にする選手

今回のコラムでは、自分が考えるリスペクトについて触れたい。
リスペクトのような道徳や価値観に関する議題はテーマがとても広いため、まずテーマそのものにアプローチする必要がある。なぜリスペクトすることが大事なのかについて話す前に、リスペクトとは何かを知っておきたい、という意味だ。
そこで、選手の視点でリスペクトとは何か考えてみる。フェアプレー精神、審判員と一緒に試合をつくり上げる意識、子どもの模範となる振る舞いなどさまざまな要素がある中で、絶対に外せないものは「100%を注ぐこと」だろう。
練習や試合で常に全力を尽くす選手は、それが無意識であっても、仲間を大切にしていることになる。チームメイトが上達する一助となり、チームにも良い影響を与えるからだ。
ピッチ外ではどうか。しっかりと自己管理ができる選手は、それを自分のために行っているようで、実はチームのためにもなっている。チームをリスペクトしている選手だ。逆に、睡眠時間や食事のとり方などコンディショニングに無頓着な者は、自分がチームに与える(与えうる)影響をあまり考えていない。リスペクトが足りないといえる。
このように、選手の視点に立っただけでいろいろなものが見えてくる。
では、指導者にとってのリスペクト、指導者が大切にすべきものは何か。「全ての選手と公平に接すること」が絶対だと考える。ある選手から良く思われ、別の選手からは悪く思われるような状況は望ましくない。選手によって評価が異なるのではなく、全員に「ブルーノはいい監督」または「ブルーノはダメ監督」と思ってほしい。少し極端すぎるかもしれないけれど(笑)、それくらい、指導者の現場では公平性を保つことが大事だと思う。

ブルーノ監督が「年齢や経験、立場にかかわらず、走るべき時に力を抜かずしっかりと走る」と認める森岡薫。
フットサルと向き合う姿勢にはチーム全体が刺激を受けている

リスペクトは肌で感じるもの

話は少しそれるが、フットサル日本代表は、「強度」「集中力」「コミュニケーション」という三つの要素を大切にしながら活動している。これらの根幹にはリスペクトがある。
技術やコンディションは、日によってバラつきが出る。どうも調子が悪いという日もあるだろう。しかし、練習に取り組む姿勢(つまりリスペクト)は、意識さえすればそれに徹することができる。だから、選手たちに対しては常に強度の高いプレーと最大限の集中力を求め、その上で積極的にコミュニケーションを取るように伝えている。全力で物事に取り組もうとする姿が、充実した時間と、チームと個人のレベルアップにつながるからだ。
向上心の強い選手と接するときほど、指導者の態度がその選手の将来を左右する。
例えば、あるチームにベテランと若手がいるとする。このベテランには、試合や練習で力を抜き、守備をさぼる癖があり、若手がカバーに追われることも多い。こんなとき、指導者がベテランの怠慢なプレーを見逃す一方で、若手に「もっと走れ」と言っても、全く響かない。時に「お前らをリスペクトしている」と信頼するそぶりを見せても、右から左に流されるのがオチだ。
一方、この指導者がベテランを若手と同等に扱い、その意識を変えたら、若手の捉え方も違ってくる。「あの選手がこれだけ走っているのだから、自分ももっと走ろう」と新たなモチベーションが生まれる。当然、指導者の話にも耳を貸すようになるだろう。
選手が指導者から公平に見られている、リスペクトされていると感じたら、指導者の姿勢は吸収され、その選手に宿る。だからこそリスペクトは言葉だけではなく、肌で感じるものでなければならないと思う。

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