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ブラインドサッカー男子日本代表が国際大会で準優勝 「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」 最終日

2021年06月06日

ブラインドサッカー男子日本代表が国際大会で準優勝 「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」 最終日

6月5日(土)、国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)公認の国際大会「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」は最終日を迎えました。初の決勝進出となった日本は世界ランク1位で大会3連覇の懸かるアルゼンチンと対戦。日本は0-2で敗れるも、大会初のメダル獲得でとなりました。

前半早々からアルゼンチンはエースのマキシミリアーノ選手を中心に攻め込み、鋭いシュートを放ちます。一方、日本もしっかり相手にプレスをかけてボールを奪い、チャンスを作るなど序盤は激しく攻守が入れ替わる展開となりました。試合が動いたのは後半9分。マキシミリアーノ選手に左サイドからゴール前に持ち込まれ、得点を許します。その後しばらくは日本の攻撃の時間が続き、黒田智成選手の強烈な右足シュートも飛び出しますが、なかなかゴールを奪えません。すると後半15分に、再びマキシミリアーノ選手に左サイドから突破され、低く鋭いシュートを決められます。その後はまた激しい攻防となりました。立て続けにゴールに迫るアルゼンチンに対し、日本は組織的な守備と佐々木ロベルト泉選手らの体を張ったプレー、GK佐藤大介選手の好セーブで凌ぎ、0-2で前半を終えます。

後半に入ると日本はさらにチャンスをつくり、川村怜選手もドリブルからシュートを狙っていきますが、得点には繋がりません。逆にマキシミリアーノ選手の鋭いシュートが襲いかかりますが、田中章仁選手らを中心に落ち着いて抑えます。終盤に入るとアルゼンチンが自陣で時間を使う場面も出てくる中、日本はボールを奪い攻め寄りますが、相手も守備を固めます。最後まで攻め続けた日本ですが得点は生まれず、そのまま試合終了。アルゼンチンの大会3連覇と日本の準優勝が決定しました。試合後は、両チームの選手たちが健闘を称え合う光景が見られました。

大会個人賞では、日本から佐々木ロベルト泉選手がMIPに、田中章仁選手が特別賞のTANAKA Great Effort Awardに選ばれました。なお、MVPと得点王(6得点)はアルゼンチンのマキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョ選手、ベストゴールキーパーは同じくアルゼンチンのヘルマン・フランシスコ・ムレック選手でした。

試合結果

アルゼンチン 2-0(前半2-0)日本
■得点:
【アルゼンチン】15 マキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョ(前半9分、15分)
■スターティングメンバー:
【アルゼンチン】
GK12 ヘルマン・フランシスコ・ムレック
FP2 アンヘル・リカルド・デルド・ガルシア
FP3 フェデリコ・ミゲル・アッカルディ
FP4 フロイラン・ドゥルヴァル・パディージャ
FP15 マキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョ
監督 リカルド・マルティン・デモンテ
ガイド ヘルマン・アルベルト・マルケス
【日本】
GK1 佐藤 大介
FP3 佐々木 ロベルト泉
FP10 川村 怜
FP7 田中 章仁
FP11 黒田 智成
監督 高田 敏志
ガイド 中川 英治

決勝戦の模様はこちら(配信URL:https://youtu.be/wirOhoZXF8o

順位

優勝:アルゼンチン
準優勝:日本
第3位:スペイン
第4位:タイ
第5位:フランス

個人賞

MVP:マキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョ(アルゼンチン)
MIP:佐々木 ロベルト泉(日本)
得点王(6得点):マキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョ(アルゼンチン)
ベストゴールキーパー:ヘルマン・フランシスコ・ムレック(アルゼンチン)
特別賞 TANAKA Great Effort Award:田中 章仁(日本)

日本代表メンバー(2021年5月1日発表)

ポジション 氏名(所属チーム)
FP 川村 怜(パペレシアル品川)
FP 田中 章仁(たまハッサーズ)
FP 黒田 智成(たまハッサーズ)
FP 加藤 健人(埼玉T.Wings)
FP 寺西 一(パペレシアル品川)
FP 佐々木 ロベルト泉(パペレシアル品川)
FP 佐々木 康裕(ファンタス千葉SSC 松戸ウォーリアーズ)
FP 園部 優月(free bird mejirodai)
GK 佐藤 大介(たまハッサーズ)
GK 泉 健也(free bird mejirodai)
監督 高田 敏志
ガイド 中川 英治

大会概要

1.大会名:
Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川

2.大会日程:
2021年5月30日(日)~6月5日(土)

3.会場:
品川区立天王洲公園(品川区東品川2-6-23)

4.主催:
国際視覚障害者スポーツ連盟/特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会

5.特別共催:
品川区

6.共催:
公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会/一般財団法人インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーション

7.後援:
厚生労働省/スポーツ庁/公益財団法人日本サッカー協会/一般社団法人日本障がい者サッカー連盟/公益財団法人東京都サッカー協会/公益社団法人東京都障害者スポーツ協会/朝日新聞社

8.タイトルスポンサー:
参天製薬株式会社

9.カテゴリースポンサー:
TANAKAホールディングス株式会社(式典・セレモニー)/アルファ ロメオ(プロモーション)/天王洲アイルブラサカサポートプロジェクト実行委員会(ホームタウン)

10.シルバースポンサー:
株式会社インソース/アクサ生命保険株式会社

11.サポーター:
株式会社アセットリード/SMBC日興証券株式会社/KPMGジャパン/味の素株式会社/全日本空輸株式会社/株式会社 丸井グループ/双日株式会社/株式会社トーコン/リノシー

12.技術協力:
パナソニック株式会社

13.協力:
佐倉市(サイドフェンス)

14.大会HP:
https://www.wgp-blindfootball.com/

15.参加国:
5カ国
日本(世界ランク12位)、アルゼンチン(同1位)、スペイン(同3位)、タイ(同13位)、フランス(同14位)

16.観戦方法:
全試合オンライン配信

過去の大会結果

2018年 優勝 アルゼンチン、準優勝 イングランド、第3位 トルコ (日本は第5位)
2019年 優勝 アルゼンチン、準優勝 イングランド、第3位 スペイン(日本は第4位)
2020年 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催中止

監督・キャプテンコメント

高田敏志 監督
パラリンピックにつながるよう、どのような仕掛けをすればよいのかを試さなければなりませんでした。結果的にベースとなる守備のコンパクトさのところが、失点シーンの2回だけだったと思いますが、綻びがあったところを突かれました。さすが世界ランク1位です。アルゼンチンチームは攻撃の哲学を持っているので、そこを貫かれて今回はやられてしまいました。攻撃に関しては相手の出方をみながらどう攻めるか考えて臨み、前回(総当たり戦での対戦)よりはゴール前に入る機会が増えましたが、決定力に欠けました。もう少し工夫して前半のうちに1点を取っていれば流れが変わったと思いますが、さすがにそこまで自由にさせてもらえなかったです。悔しいというか、惜しい、もったいないというゲームでした。
狙っているところは間違っていないとわかりました。パラリンピックでもアルゼンチンと対戦する可能性はあるので、その時にどう改善できるかだと思います。以前のアルゼンチンとの対戦では、ただ耐えているだけでボールが前に出ないという試合がつづきましたが、今回はいろいろな仕掛けができました。ポジティブな要素はたくさんあったので、パラリンピックにつなげたいと思います。

川村怜 選手
自力で決勝進出を決めた時は、決勝を経験できるという、いい意味での緊張感と達成感がありました。それも含めてチームで冷静に話し合って試合に挑みました。事前にコーチ陣の分析を得た上で、守備の面ではかなり分析通り、ピッチでもコミュニケーションをとりながらポジションをとっていい守備ができたと思います。今日はバランスが崩れた一瞬の隙を突かれて2失点してしまいましたが、相手の強度も含めて、ある程度想定の中で試合ができたのではないかと思います。リードされている中でも1点でも取りにいこうとプレスをかけると、相手も嫌がっている雰囲気はありました。どんどんゴール前に侵入して、最後打ち切れるところまで精度を上げていくことが、これからの課題になると思います。
フィジカル面で体を張って戦うという部分は、以前と比べてどの国が相手でもタフな闘いができたのではないかと思います。どのポジションに配置されてもチームの戦術を実行していくことができましたが、さらにその精度を上げていかないと世界のトップには勝てないと実感しました。課題も得たので残り3ヶ月、しっかりと向き合って高めていきたいと思います。

特別賞受賞者コメント

田中章仁 選手
今大会自体がパラリンピックの前哨戦ということもあったので、結果に一喜一憂しても仕方がないと思っていましたが、やっぱり決勝まで来て負けるのは悔しいの一言です。
ここ数年でアルゼンチンとは何回か対戦しているので想定の範囲でしたが、それでも突破してくるのが本当の世界レベルのプレーだと思います。そこを止めきれなかったことが今日の敗戦につながったと思います。1対1で難しいところを組織的に守るという部分は基本的に機能していましたが、失点の場面ではちょっとしたミスが出てしまい残念でした。
チームとしてはいろいろと課題があると思います。パラリンピックまであと2ヶ月半ぐらいですが、少しでも世界のトップレベルに近づいて実力を発揮し、ちょっとした運も味方につけて大会を迎えられればと思います。

MIP賞受賞者コメント

佐々木ロベルト泉 選手
自分はどの試合でも100%で戦います。悔しい気持ちはあるけれど、コロナ禍で試合も交流もなかなかできない中、今回みんなと一緒にできたことは楽しかったです。
課題としては、ゴール前でのシュート時にもう少し落ち着いていいシュートを打てるようにしたいです。どんな状態でもシュートまで持っていかないといけないですし、もう少しオフェンスを鍛えないといけないと思います。
アルゼンチンは世界ランク1位で、マキシミリアーノ選手はどのチームが相手でも点を取る選手です。でも相手がどんなに強くても、スペースを与えなければ止めることはできたと思います。マキシミリアーノ選手はドリブルだけでなくパワーもあります。日本チームは身体の入れ方ももっと強くやらないといけないと思います。

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