高円宮妃杯 JFA 第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会は12月27日(水)に東京都・味の素フィールド西が丘で決勝が行われ、JFAアカデミー福島(東海2／静岡)が大会2連覇を達成しました。

決勝

INAC神戸テゾーロ 0-2（前半0-2、後半0-0） JFAアカデミー福島

この大会で3年連続の顔合わせとなるac福島とINAC神戸テゾーロ（関西1／兵庫）の対戦は、開始3分で動きました。神戸のペナルティーエリア手前でパスを受けた福島望愛選手が、鋭く反転。思い切って右足を振り抜き、ゴール左隅に先制点を決めました。

初の決勝の舞台で緊張も見えた神戸ですが、斜めにボールを動かし、少ないタッチでの崩しや、時に大きなサイドチェンジなどで相手ゴールを目指しました。対して、ac福島はスペースを見つけてのサイドへの展開やシンプルな縦パスで攻撃を構築しました。

ac福島は相手の裏への走り込みが効果的で、32分には自陣でのCKからカウンターを発動し、長い距離を走った松下遥蘭選手がペナルティーエリア内から惜しいシュートを放ちました。するとその2分後、スローインの流れからペナルティーエリア内へと進入した福島選手がパスを受けて左足でシュート。大きな追加点が決まりました。

神戸は前半終了間際に黒崎琉衣選手が右クロスをニアサイドで合わせ、惜しい場面をつくりました。ハーフタイムを挟んで反撃も加速し、75分には交代出場していた下江世夏選手のロングシュートがクロスバーをたたきました。ac福島を上回るシュートを放つことができた神戸でしたがスコアは動かず、ac福島が連覇を達成しました。

監督・選手コメント

須藤啓太 監督（JFAアカデミー福島）
3年生にとっては最後の大会であり、負けたら終わりの、多くの人が見ている中で、体を張るとか頑張る、球際で負けないというところで大きな進歩を示しました。この年代はプレーするだけうまくなるので、最大5試合戦おうと伝えていた目標を達成したことを、すごくうれしく思っています。ただし、これがすべてではないので、今日出た課題に取り組んで、さらに成長していってもらえればと思います。

梅月万優子 選手（JFAアカデミー福島）
シーズンが始まったときからこの大会の連覇を目標にチーム一丸となってやってきました。なかなかうまくいかなかったり、リーグで負けて崩れた時期もありましたが、連覇という軸をぶれさせることなく、みんなでやってきました。この大会では、課題だった先制点を取ることなど、思い通りの試合ができるようになってきたので、やってきたことは間違っていなかったと証明できました。大舞台で試合をして得た大きなものを、もっと大きな舞台でもプレーできるように生かしていきたいと思います。

岸田茂樹 監督（INAC神戸テゾーロ）
スピード面も球際の強さ、止めて蹴るという技術、こういう舞台でどういう試合への入り方をするかといった経験も含めて、相手が一枚も二枚も上手だったと思います。日本の頂点に立つのは、甘いことではありません。初の決勝で優勝できてしまったら逆に難しくなる部分もあるので、課題をたくさんもらって良かったとも思います。過去2年、2点差で負けている相手で、今回も同じスコアではありますが、内容は変わってきています。今年だけではなく、一昨年や去年の選手が積み重ねてきた成果だと思います。

森結愛 選手（INAC神戸テゾーロ）
全員で絶対優勝しようという思いを持ち、応援に来てくれた人たちに金メダルをかけてあげたいと言って、試合に入りました。良い声かけをすることで自分たちの流れに持ち込めるので、ポジティブな発言を意識しました。あまりパスがうまく回りませんでしたが、ハーフタイムに修正できました。自分たちの時間帯もあり、手応えも得られました。決勝の舞台を味わえたので、この経験をこれからのサッカーに生かしていきたいです。

INAC神戸テゾーロ（関西1/兵庫） vs. JFAアカデミー福島（東海2/静岡）

大会期間：2023年12月9日(土)～12月27日(水)
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