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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.16「こんな時代だからこそ大切にしたいもの」

2020年07月28日

ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.16「こんな時代だからこそ大切にしたいもの」

必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2019年10月に掲載されたものです

男子テニスに見る「価値観の教育」とは

前回のコラムでは、多様性を受け入れることの大切さについて触れた。ざっくりいうと、指導者や親は子どもに多くのことを経験させてこそ見えてくるものがある、という話だ。
今回は「価値観」をテーマに挙げたい。選手の成長イコール育成と考えたとき、そこには目に見えるものと見えないものがある。前者は技術や戦術など、いわゆる競技上の要素で、後者は心の教育を指す。個人的には心の教育が大事だと思っており、特に「価値観の教育」は成長に不可欠だと考える。
何のことやらと感じた人には、テニスの世界を思い浮かべてほしい。
ここ10年、男子テニスはロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチの「ビッグ3」がグランドスラムの上位をほぼ独占している(※4大大会計40回のうち、33回で3人のうちいずれかが優勝)。
3人とも30代半ばから後半のベテランだが、彼らに世代交代を突き付ける若手がいまだに現れない。私は、その背景に3人が受けてきた教育があると信じている。
ビッグ3に共通して言えるのは、試合中に言い訳をしないことだ。若手はミスしたとき「なぜだ?」と言わんばかりにコーチャーズボックスを見るのに対して、この3人は黙々と次のポイントに移る。苦しいときも焦らず、しっかり自分と向き合うから、集中が切れず、耐えることができる。そして、結果もついてくる。こうしたコートでの振る舞いを見ているだけで、3人が良い教育を受けてきたといえる。

便利な世の中が成長の足かせに

もう一つ興味深いのは、最新の医療を駆使し、あらゆる分析ソフトで相手を知り尽くした現代のスポーツ界において、男子テニスでは依然この3人がトップを走り続けている点だろう。情報や知識を備え、能力を高めるための環境は十分すぎるくらいある。本来であれば、若手にはベテランを追い抜くための条件がそろっているはずなのだが、実際は先ほど触れた通り、全く追いつけずにいる。
その要因として、私は便利な世の中が選手の成長の足かせになっていると思う。スポーツに限らず、日々の生活の中でも忍耐力が求められる。時には理不尽なことにも対応しなければならないし、スポーツの世界でもプロとアマチュアに関係なく、負けていてもプレーを続けなければならないときがある。
今の若手にその部分が足りない、とは決して思わない。しかし、このような価値観を学ぶ場面が少なく、難しくなってきているのは確かだ。先ほども触れたように、選手の周囲には上達を促すためのあらゆるツールが並ぶ。指導者もさまざまなノウハウを持っている。
すると選手は徐々に便利なものに依存し、ミスしたときに、靴が悪い、ラケットが悪い、挙句の果ては指導者の教え方が悪い、などと外的要因を探すようになる。言い訳の対象が昔とは比べものにならないくらい増えているわけだから、ある意味、自然なのかもしれない。
とはいえ、指導者がさじを投げるわけにはいかない。こんな時代だからこそ、たくましい選手を育てるという意識を燃やしてほしい。例えば、試合や練習で失点したとき。指導者がどうすれば失点を防ぐことができたかを分析するのはもちろん大事だが、失点した後、選手たちはすぐに気持ちを切り替えていたか、失点した後も全力でプレーしていたかにも目を向けてほしい。
指導者は、これまで以上に選手の内面に目を向ける必要があると思うのだ。

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