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フェアプレー賞は日本の誇り ~いつも心にリスペクト Vol.46~

2017年03月20日

フェアプレー賞は日本の誇り ~いつも心にリスペクト Vol.46~

「フェアプレー・トロフィーの第一回の受賞国は、日本をおいてない。サッカーの持つ美しさを、日本はもっともすぐれた形で表現してくれた」(メキシコ協会のロッカ氏の言葉=長沼健「メルボルンからメキシコへ」『サッカー・マガジン1969年6月号』)

国際サッカー連盟(FIFA)は、主催あるいは主管する各種の世界大会で「フェアプレー賞」を設け、表彰しています。FIFAは年度別表彰でも「フェアプレー賞」を制定しているので、大会ごとの表彰は区別して「フェアプレー・トロフィー」と呼んでいます。

このトロフィーは1961年から74年まで会長を務めたサー・スタンリー・ラウス(イングランド)の発案で始まったものでしたが、その第1回受賞者が68年のメキシコ・オリンピックで銅メダルを獲得した日本チームだったのです。

ただし、大会終了時に表彰を受けたわけではありません。後日発表され、国連の教育・科学・文化振興機関である「ユネスコ」からの「ピエール・ド・クーベルタン・フェアプレー・トロフィー」とともに、翌69年の5月13日にパリで表彰式が行われました。

大会の6試合を通じてイエローカードがわずか1枚だったという事実だけではありません。表彰の主な理由は「フィールドの内外における模範的な行動」でした。

「いままでたくさんのスポーツマンがこのホテルに泊まりました。しかし、あなたがた日本のサッカー・チームほど気持ちの良い人たちははじめてです。もの静かで、それでいてとても明朗です。メイドたちもそろってそういっています」(大会前の遠征で宿泊したオーストラリアのホテルで女主人が語った言葉、前掲記事)

以後、FIFA大会のフェアプレー・トロフィーは日本の代名詞となりました。もちろん大会に出場していないと取れませんし、ある程度の試合数がないと対象にはなりません。出場しただけでなく上位進出が必要なため、1990年代以降多くの世界大会に出場している割に多くはないのですが、左上の表のように、上位に進出したときには高い確率でフェアプレー・トロフィーを獲得しています。

それだけではありません。2002年ワールドカップでは韓国とともに日本のサッカーコミュニティーが、そして2011年には日本サッカー協会が年次の「フェアプレー賞」を受賞しています。

「フェアプレー・トロフィーばかりで、優勝カップがない」

そう言う人がいるかもしれません。しかし現時点では世界のベスト8に入ることさえ困難でも、フェアな意識で正々堂々と戦うことで世界の頂点を目指すのが日本のサッカーの誇りであり、あるべき姿だと、私は思います。

左上の表を見れば、女子ではすでにその状況に到達していることが分かるでしょう。なでしこジャパンは2011年の女子ワールドカップで優勝しただけでなく、フェアプレー・トロフィーも獲得しました。U-20日本女子代表(ヤングなでしこ)とU-17日本女子代表(リトルなでしこ)はそれぞれ3回フェアプレー・トロフィーを獲得しています。昨年、両チームは、それぞれのワールドカップで圧倒的なテクニックを見せて観客を熱狂させ、U-17女子ワールドカップでは準優勝、U-20女子ワールドカップでは3位という好成績を残しているのです。

1969年5月、パリでの表彰式に出席した故・長沼健さん(当時は日本代表監督)は、帰国の報告でこう書いています(『サッカー・マガジン』1969年7月号)。

「『フェアプレー・ニッポン』は今後の日本サッカーの基盤となってくれることを私は信じている」

寄稿:大住良之(サッカージャーナリスト)

FIFAフェアプレートロフィー 日本の受賞歴

男子

 年 大会
1968 メキシコオリンピック
1995 U-20ワールドカップ
2001 コンフェデレーションズカップ
2003 コンフェデレーションズカップ
2007 U-20ワールドカップ
2007 クラブワールドカップ
2009 ビーチサッカーワールドカップ
2011 U-17ワールドカップ
2012 ロンドンオリンピック
2016 クラブワールドカップ

女子

 年  大会
2002 U-20女子ワールドカップ
2004 アテネオリンピック
2011 女子ワールドカップ
2012 U-20女子ワールドカップ
2012 U-17女子ワールドカップ
2014 U-17女子ワールドカップ
2016 U-17女子ワールドカップ
2016 U-20女子ワールドカップ

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