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なでしこジャパンの前に立ちはだかる朝鮮民主主義人民共和国~E-1サッカー選手権プレビュー~
2017年12月07日
常にアジアでトップを争う強豪
なでしこジャパン(日本女子代表)がEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会の優勝を目指す上で、朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)は、最大のライバルチームとなるだろう。
2013年、2015年大会でいずれも優勝し、2連覇中のDPR Koreaは今年も優勝候補の筆頭だ。しかし、そのチームは昨年から過渡期に差し掛かっているようだ。そのきっかけとなったのは、大阪府で昨年2月から3月にかけて行われた、リオデジャネイロオリンピック2016アジア最終予選だ。ここでDPR Koreaは1勝2分2敗の6チーム中5位となり、同3位のなでしこジャパンとともにリオデジャネイロオリンピック2016出場を逃した。
DPR Koreaの不振は今年に入ってからも続く。平壌で4月に行われた、AFC女子アジアカップヨルダン2018の予選大会で、グループBに入ったDPR Koreaは、韓国と1-1で引き分けた以外は勝利したが、得失点3差で韓国を下回り、グループ2位となったことで、アジアカップへの出場権を逃してしまう。アジアカップは、FIFA女子ワールドカップフランス2019へのアジア予選も兼ねているため、DPR Koreaはワールドカップへの道も早々に閉ざされる事態となった。アジアカップで3度の優勝を収めるなど、近年のアジアでは常にトップを争ってきた強豪だが、世界の桧舞台からは一歩後退しているのがチームの現状だ。
だが、2019年のワールドカップの先に位置する、東京オリンピック2020に向け、DPR Koreaはいち早くスタートを切っている。その証拠にDPR Koreaは、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会に出場する4チームの中で、最も若いDFパク・ヒェギョン(PAK HYE GYONG)選手、MFパン・ウンシム(PANG UN SIM)選手という2001年生まれの16歳の選手二人をメンバーリストに加え、未来を見据えた構成で今大会を戦う。
また、FWソン・ヒャンシム(SUNG HYANG SIM)選手は、10月に中国で開催された、AFC U-19女子選手権2017で、U-19日本女子代表とも対戦し、日本に敗れて準優勝となったU-19朝鮮民主主義人民共和国女子代表メンバーの一人。相手DFラインの裏に抜け出すスピードがあり、鋭い得点感覚を持ったソン・ヒャンシム選手は、同大会で最優秀選手賞と得点王をダブル受賞した注目のストライカーだ。
そして9月にタイで行われた、AFC U-16女子選手権2017でもU-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表は優勝。育成年代の代表チームは、これまで同様に好成績を収め続けているため、次世代を担うその選手層の厚さは計り知れない面がある。
特徴をつかみづらいDPR Koreaから勝利を狙う
DPR Koreaが得意とする力強いキックと強靭なフィジカルを生かしたサッカーは、育成年代の各代表でも健在で、必要とあれば中盤を省略して大胆に攻める。5日に来日したDPR Koreaは今大会でも、そして今後もなでしこジャパンのライバルであり続けるだろう。
先述のリオデジャネイロオリンピック2016アジア最終予選の第5戦のDPR Korea戦で後半から出場し、決勝点を決めたFW岩渕真奈選手(INAC神戸レオネッサ)も、DPR Koreaを注視すべきチームに挙げる。
「人に対してもボールに対してもガツガツ来るイメージがあるが、いつ対戦する時も未知な部分があるのがDPR Korea」と、特徴をつかみ切れない相手との対戦を前に懸念を示すが、「まずはDPR Koreaとの第3戦目を迎える前の、第1戦と第2戦も負けられない」と気を引き締める。
また、日本初開催の東アジア女子サッカー大会2010決勝大会に16歳で国際Aマッチデビューを果たし、代表2試合目で2得点を決めた岩渕選手にとって、今大会は思い出深いタイトルだと言う。「2010年大会のように、今年のEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会でも、チームが苦しい時に得点が奪える選手でありたい。今大会でなでしこジャパンがどれだけ戦えたかが、この先の東京オリンピック2020にもつながっていくはず」と、大きな覚悟を持って今大会に臨む。
なでしこジャパン(日本女子代表) EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
12月8日(金) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 韓国女子代表
12月11日(月) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 中国女子代表
12月15日(金) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表
すべて会場は、千葉/千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)
EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。
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