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2019年度JFA主催 日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナー更新講習会を初開催

2020年01月14日

2019年度JFA主催 日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナー更新講習会を初開催

2019年12月22日(日)、帝京科学大学 千住キャンパス(東京都足立区)にて、2019年度日本サッカー協会主催日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(以下、JSPO-AT)更新研修会を開催しました。研修会には、サッカー、フットサルの指導者やトレーナーのみならず、野球、ラグビー、テニス、自転車競技などのトレーナーを含め約70名が参加しました。

本研修会は、JSPO-AT資格保有者の知識・技術の研鑽を目的としており、またJSPO-AT資格更新研修会として実施されました。

JFA主催として、初めての開催となる今回は、午前の部では筑波大学医学医療系の宮川俊平氏が「JSPO-ATの現状と役割」と題し、アスレティックトレーナーに関する総論や、〜ゆりかごから墓場まで〜というキーワードのもと、運動器のメディカルチェックの重要性について講演。続いて、順天堂大学医学部附属順天堂医院循環器内科の福島理文氏が「スポーツ現場における救命処置と予防策」と題して、救命処置や重篤な疾病に関わる最新知見や、特に循環器のメディカルチェックの重要性について講演されました。

午後の部では、千葉大学医学部附属病院整形外科の赤木龍一郎氏が「JFA Injury Survey現状報告」を行い、Jリーグで試験的に運用が始まったInjury Surveyの意義と活用例等についてご説明頂きました。最後に慶應義塾大学体育会蹴球部S&Cコーチ/ラグビー日本代表チームS&Cコーチである太田千尋氏が「ラグビーにおけるコンディショニングの具体的取り組み」という内容で、実際にラグビーW杯に向けて日本代表が行なってきた取り組みをご紹介頂きました。

サッカー関係者だけでなく、様々な競技現場で日頃活動されているアスレティックトレーナーも多く参加され、積極的な交流もみられ、非常に充実した研修会となりました。

講師

赤木龍一郎 先生
(千葉大学医学部附属病院 整形外科/日本サッカー協会医学委員会 調査・研究ワーキンググループメンバー)
太田千尋 コーチ
(慶應義塾大学体育会蹴球部 S&Cコーチ)
福島理文 先生
(順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科/日本サッカー協会医学委員会 スポーツ救命プロジェクトメンバー)
宮川俊平 先生
(筑波大学医学医療系/日本サッカー協会医学委員会 委員)

(五十音順/敬称略)

スケジュール

時間内容
10:00~10:10 ガイダンス・オープニング
10:10~11:10 JSPO-ATのスポーツ現場における現状と期待される役割
宮川俊平 先生(筑波大学医学医療系/日本サッカー協会医学委員会 委員)
11:20~12:20 スポーツ現場における救命処置・予防策(メディカルチェック)に関して
福島理文 先生(順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科/
日本サッカー協会医学委員会 スポーツ救命プロジェクトメンバー)
12:20~13:10 昼食
13:10~14:10 JFA Injury Survey現状報告
赤木龍一郎 先生(千葉大学医学部附属病院 整形外科/
日本サッカー協会医学委員会 調査・研究ワーキンググループメンバー)
14:20~15:20 ラグビーにおけるコンディショニングの具体的な取り組みについて
太田千尋 コーチ(慶應義塾大学体育会蹴球部 S&Cコーチ)
15:20~15:30 クロージング・事務連絡

講師コメント

赤木龍一郎 先生(千葉大学医学部附属病院 整形外科/日本サッカー協会医学委員会 調査・研究ワーキンググループメンバー)
日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナー(AT)更新研修会で、多くのチームによる統一された形式による外傷・障害および疾病に関するサーベイランス(調査)の有用性や意義について講演させていただきました。
初年度である2019年は、トライアルとして、Jリーグの希望チームを対象に、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)やアジアサッカー連盟(AFC)と共通のフォーマットでのサーベイランスを行っていますが、少しずつ参加チームが増えているところです。
講演後にはJリーグのみならず、大学・高校のサッカーチームや、少年野球のトレーナーの方からも多くの質問をいただき、トップアスリートに限らずさまざまなスポーツ現場からの関心の高さを実感いたしました。
本講演が、効果的な外傷・障害予防プログラムを構築するための第一歩として、さまざまなスポーツ現場で統一した形式での疫学調査について考える一助になれば幸いです。

受講者コメント

板垣惇哉 氏(柏レイソル)
今回の更新研修会は、日本サッカー協会主催として初めてのものでしたが、ほとんどのチームがシーズンオフになる年末の開催ということで、非常に多くのチームからアスレティックトレーナーが参加しておりました。
また、様々な現場で活動されるアスレティックトレーナーも参加され、他競技のトレーナーとの交流もでき、日頃のトレーナー活動等の情報交換も行うことができる場となりました。
講演は、トレーナーの総論、救命処置の知識、JFA Injury-Surveyの概要、ラグビーでの取り組み、など多岐にわたる演題で、現場に活かせる知識や情報を教えて頂くことができました。
今までになかった視点など様々な気づきも与えてくださり、とても有意義な研修会であったと思います。

平野祐貴 氏(法政大学大学院)
4名の講師の方の講義は、どれも大変興味深く今後のトレーナー活動の参考になりました。
特にInjury Survey報告は、まさに自分自身が大学院で取り組んでいる傷害調査と重なるものでしたのでとても勉強になるとともに、改めて日本は、サッカー先進国の欧州に比べて傷害予防の意識やその礎である傷害統計の分野においてもまだまだで、これから発展していく余地があり、そこにトレーナーがいることの価値があると感じました。またラグビー日本代表の活動報告では、各分野の専門家が科学的な根拠をもとに選手のために緻密に任務を全うし、それが一つのチームとなり機能しているのが印象的でした。サッカーにおいても現場で活動しているトレーナーと研究が共通の目的に向かって同じ方向を向き、協力してPlayers Firstで積極的に関わっていくことで日本サッカーの発展に貢献していく必要があると感じました。自分もアスレティックトレーナー(AT)として今後も研鑽していこうと思います。

山西昇 氏(福岡ソフトバンクホークス)
この度は、JSPO公認アスレティックトレーナー更新研修会に参加させていただきありがとうございます。今回の研修で確認したことは、卓越した知識と技術を提供し、徹底したリスク管理で仕事を行うことです。最も印象に残っているのはUEFAでの取り組みにAFC、JFAが続き、外傷・障害/疾病Surveyを行いフィードバックまで実行していることです。
もちろん、起こった外傷・障害に対し詳細な状況、経過などは現場にいる者にしか分からないこともあるとは思いますが、このような疫学調査とデータ管理の継続は今後の指針として大きな役割を果たすと感じております。
私は日本野球機構での活動を主としておりますが、他競技の世界を見据えた活動に大変感銘を受けました。競技の枠を出て情報の共有をすることも大切であることを改めて再確認させていただきました。貴重なお話を聞かせていただく機会をくださいました日本サッカー協会の皆様には大変感謝しております。今後とも、よろしくお願いいたします。

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