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選手・指導者向け情報

サッカーの水分補給

運動をする時には水分補給をしっかりと考えねばなりません。特に、サッカーは屋外で行われるスポーツですから、太陽の直射日光を浴びますし、練習時間も試合時間も長いので、運動量にともなって発汗量も多くなります。梅雨時の湿度の高いシーズン、そして夏場の炎天下の練習・試合では、熱中症などのリスクが高まります。正しい水分補給を覚えて、いつも元気にプレーするようにしましょう。

1)カラダは水でできている

水は、われわれ人間にとって、あらゆる物質の中で最も重要なものとされています。人間のカラダは、性別や年齢によって差はあるものの、体重の約60%が水からできています。その中でも筋肉は特に水分が多く、75%が水分なのです。つまり、筋肉やカラダが正常に動くためには、水が図1のように大事な役割を果たしているのです。

サッカーの動きひとつを取っても、体の中で神経が働き、筋肉が働いてその動きを実現します。その働きは、ほとんどが水分のある環境のもとで行われる化学反応です。また、ウォーミングアップをすると体が温まります。激しく動くとカラダは熱くさえなります。このようにサッカーの動きは熱を生じるので、体温を一定に保ってよい状態で運動し続けるには、汗、つまり水を用いてこの熱を体外に逃がす必要があります。そして血液、つまり水分が酸素や栄養素を運んでサッカーのスタミナを生み出し、一方で老廃物を運んで、肝臓と腎臓で尿をつくり、体外に排泄します。

ここに、シーズンによっては図2のように太陽熱や照り返し、気温や湿度などの熱ストレスが加わってカラダに負担をかけてきますので、汗や吐く息の水蒸気などで水分が奪われ、体内の水が減っていくというわけです。水分が減れば汗がかけなくなって、体温が上昇していきますので、熱中症のリスクが高まってしまいます。

図1 水の体内での役割 図1 水の体内での役割
2)水分補給のテクニック
水分補給のポイント

そこで、練習や試合の時には、必ず水分を用意して、快適に運動できるようにすることが望ましいでしょう。汗はただの水ではなく、塩分も混ざっていることを考えると、これらを含み、さらに脳のエネルギー源である糖分も含んだスポーツドリンクも用意し、水と使い分けます。水分補給のポイントを図3に示しておきます。

どのくらいの量を飲むかについては、運動の前後に体重を測定し、どのくらい汗をかいたかを計算してみましょう。例えば、水分を1リットル補給したのに、運動前より体重が1キログラム減っていたとすると、汗を2リットルかいたことになります。汗をかく量には個人差がありますから、一人ひとりが傾向を把握しておけば、自分で飲む量を加減できるようになります。

(文責:立教大学 杉浦克己)

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