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ツネログコラム#23「FIFAワールドカップ2026を通じて見えた日本サッカーの現在地」

2026年07月09日

ツネログコラム#23「FIFAワールドカップ2026を通じて見えた日本サッカーの現在地」

皆さん、こんにちは。

ヒューストンでFIFAワールドカップ2026ラウンド32、ブラジル代表との戦いを見届けました。SAMURAI BLUE(日本代表)は残念ながら力及ばず敗れてしまいましたが、選手たちは最後まで本当によく戦ってくれたと思います。目標としていたステージには届かず、悔しい結果となりました。私自身、もっと高いところまで勝ち進めると信じていただけに、このタイミングで大会を去らなければならないことに寂しさを覚えました。それでも、世界トップレベルとの差を一歩ずつ着実に縮めているという手応えをあらためて感じることができた大会でもありました。

ワールドカップの舞台に来て、大会に臨むにあたり、国としてのサッカー 「総合力」がいかに重要かを再確認しました。ピッチ上でつくり上げるサッカーの部分、つまり戦術、技術、体力における日本のレベルが高くなっていることは間違いありません。

今大会を通じて、日本の組織的な戦いは相手にとっても攻略が難しいものだったと思います。個々のレベルも確実に向上しており、局面ではオランダやブラジルを相手に上回る場面もありました。一方で、特にブラジル戦では自分たちで主体的にボールを動かしながら相手陣内へ攻め込む時間を増やすことができなかったのも事実です。ビルドアップの局面で、もう少し勇気を持ってボールをつなぎ、自分たちのサッカーを表現することができれば、さらに試合を優位に進められたのではないかと思います。ワールドカップという特別な舞台やアウェイの雰囲気の中でも、慌てず、自信を持って自分たちのサッカーを表現することが次の成長につながると感じました。

それと同時に、テクニカルスタッフ、メディカルスタッフ、シェフをはじめ、裏方として支えてくれる全ての人々が周到な準備をしてくれました。

ナッシュビルにベースキャンプを置き、オランダ代表との引き分け、チュニジア代表への勝利、スウェーデン代表との引き分けを経て、3大会連続でグループステージ突破を果たしました。移動は少なくともストレスが掛かるものですが、昨年9月に実施したアメリカ遠征の経験が活きていました。チーム全体のコンディションを見ても、心身のコンディショニングもうまくいっていると感じました。

私も基本的にチームに帯同し、ミーティングにも参加しました。キャプテンの遠藤航が離脱する際は、チームに動揺がないか心配ではありましたが、全員でそれを乗り越えようとする姿にグループの強さが垣間見えました。そのことはオランダ戦2日前のトレーニング後にチームに伝えましたし、「みんなのことを信じているし、互いを信じてやってほしい」とも言いました。ケガ人も出た中で一致団結して戦ったことは、チームを傍らで見てきた立場として誇りに思います。

また、日本代表のサッカーに対してのみならず、チームの振る舞いからファン、サポーターの応援に至るまで高い評価の声をいただきました。ダラスでは地元のニュースで「布団が吹っ飛んだ」のジャパニーズジョークが取り上げられ、モンテレイでは「ハポン! ハポン!」という大きな声援を受けるなど、日本サッカーが着実に世界に認められていることも実感しました。

今大会を通じて、前回大会よりも日本ができることは確実に増えました。それはこの4年間積み上げてきた成果であり、森保一監督が8年間かけて築いてきたチームづくりの成果でもあると思います。一方で、大会前に負傷者が相次ぎ、重要な選手を欠いて戦わざるを得なかったことも事実です。世界のトップレベルでプレーする選手をさらに増やし、誰が出場しても同じレベルのパフォーマンスを発揮できる選手層の厚みをつくることが、ワールドカップでさらに上を目指すためには必要だと感じています。

そのためには、日本代表だけを強化すればよいということではありません。日々の普及や育成、競技環境の充実など、日本サッカーを支える全ての方々の取り組みが、未来の日本代表につながっています。普及から育成、そしてトップまでが一つにつながった日本サッカー全体の総合力をさらに高めていくことが、世界の頂点に近づくためには欠かせないとあらためて感じました。

ワールドカップの戦いにおいて日本代表を応援し、支えていただいた全ての皆さまに感謝いたします。

2026年7月

公益財団法人日本サッカー協会 会長
宮本 恒靖

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