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ツネログコラム#13「夏の育成年代大会で感じたこと」

2025年09月29日

ツネログコラム#13「夏の育成年代大会で感じたこと」

皆さん、こんにちは。

この夏は日本クラブユース選手権 (U-18)、日本クラブユース女子(U-18)、全国高校総合体育大会、全国中学校体育大会、日本クラブユース選手権(U-15)など、全国各地で開催されたそれぞれの育成年代における大会の決勝を視察しました。

真夏の開催になりますから、当然、熱中症対策が大切になってきます。試合中にクーリングブレイクをつくるのはもちろんのこと、チームでも選手たちの体をすぐに冷やせるような準備、工夫をしていました。プレーヤーズファーストを心掛け、猛暑の中でもプレーしやすい環境をみんなでつくろうとしていたことが印象的でした。ただ危険な暑さであることには変わらず、7、8月に日本サッカー協会主催の試合は行っておりません。夏場の試合をどうすべきか、みんなで考えていく必要があります。

ピッチ内に目を移すと、この先どのように成長していくのか見ていきたいなと思える選手が何人もいました。インテンシティー、ハードワークという現代サッカーに求められている要素も身についています。

全体的に一つ気になったことがあるとすれば、ゴール前での“決め切る力”でしょうか。ディフェンス陣の頑張りによってゴールを許していないという側面はあるにせよ、シュート技術があれば、打つタイミングが違っていれば、決まっていただろうなと思えるシーンがいくつかありました。

先日、アメリカで開催されたFIFAクラブワールドカップを視察しましたが、たとえばFCバイエルン・ミュンヘンのハリー・ケイン選手はわずかな相手の隙を突いてゴールを決めてしまう。もちろん日本の育成でも課題にしてきたところではあり、継続して“決め切る力”の質を上げていく必要性を感じました。

その力を誰よりも持っていたのが、言うまでもなく釜本邦茂さんです。かねてより病気療養中であった釜本さんは8月10日、肺炎のため逝去されました。生前のご功績に敬意を表すとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

私はガンバ大阪ユースの一期生でした。その母体となった釜本FCの選手たちは「止める、蹴る」の基本技術が高く、非常に驚かされた記憶があります。釜本さんの教えの流れを組んだガンバ大阪ユースの指導によって徹底的に鍛えてもらったおかげで私もプロになり、今日があります。

釜本さんには事あるごとに気にかけていただき、引退後は釜本さんが主宰する「釜本サッカー教室」にも呼んでいただきました。途中でピッと止めて、子どもたちを集めて「止めて、こう蹴るんや」とやはりベーシックな部分を強調して伝えていました。長年にわたって子どもたちのところにタッチして、基本技術の重要性を伝えてきた釜本さんの功績は非常に大きく、われわれも釜本さんの思いをしっかりと受け継いでいかなければなりません。

最後になりますが、8月に香川県サッカー協会 (FA)を訪れて、11ヵ月間に及んだ47FA訪問会議を終えることができました。この場を借りまして、全ての関係者の皆さまに感謝を申し上げたいと思います。全国を回って見えてきた課題、実情の解決につながる施策を打つべく、尽力してまいります。

2025年9月

公益財団法人日本サッカー協会 会長
宮本 恒靖

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