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ツネログコラム#6「フットボールカンファレンス将来を見据えた選手育成」
2025年02月28日

皆さん、こんにちは。
1月18日、19日に熊本で開催された第14回フットボールカンファレンスに出席しました。今回は「育成年代におけるタレントの発掘、個別育成の重要性」がテーマとなり、私自身にとっても大変貴重な学びの場となりました。
国際試合を戦い抜くにあたって大切なのは愛国心(patriotism)だというFIFA指導者養成ダイレクターであるクロアチア出身のブラニミ・ウジェヴィッチさんの言葉は心に重く響きました。
クロアチアは約385万人と人口がそう多くはない国ですが、ご存知の通り2018年のFIFAワールドカップロシアで準優勝しています。4年後のカタールではラウンド16で日本にPK戦で勝利し、準決勝で敗れながらもモロッコに勝利して3位となりました。母国のため、母国を愛する人々を幸せにするため。そのような考えを持ってプレーしている選手、チームがやはり強いという話でしたが、自分の日本代表時代を振り返っても確かにそのような想いを持っていました。ワールドカップでさらなる躍進を遂げていくための一つのヒントだと思います。
カンファレンスでもう一つ興味深かったのは、育成年代の個々の評価においてはパフォーマンスよりもポテンシャルに重きを置くべきではないかという強いメッセージでした。ビジャレアルの事例が紹介され、当初U-15でも大会トロフィーの獲得を優先していたことに「このままでいいのか」とクラブ内で議論になったようです。目の前のパフォーマンスより10年後に選手がどうなっているかにフォーカスするという方針に切り替え、2024年度のバロンドールを受賞したロドリ選手(マンチェスター・シティ)のようなスターが出てきています。
ロドリ選手に対する当時の評価としては、才能があるのは皆分かっていても遅刻が少なくないなどオフザピッチに課題を抱えていたとのこと。彼が将来、成功を収めるために周りも協力しながら改善していき、長い目で育てていったことで今のロドリ選手があるという話でした。指導者が1年ほどのスパンだけではなく、一定期間、選手の成長にもじっくりと寄り添っていくことが大切なのだとあらためて感じました。
日本の育成に目を移すと、整備されたシステムと指導者の皆さんの尽力もあってとてもうまくいっていると思います。地域のクラブに育てられてJリーグを経由せずに高校から欧州のクラブに渡る選手も増えてきている昨今、人間的な成熟を早めていくことがより求められてきます。スキルを高めていくことと同様に、オフザピッチにフォーカスしていくことも大切になってきます。ティーンエイジで海外に行くことになっても、すぐに順応していくためには人間性の成熟が必要であることは言うまでもありません。一方で地域の指導者の皆さんには、グローバルな視点を持って選手を指導していくことがさらに求められる時代になります。日本サッカー協会(JFA)としてもそのための環境整備をしっかりとやっていかなければなりません。育成力を高めていくことが日本サッカーの未来につながっていくはずです。
2025年2月
公益財団法人日本サッカー協会 会長
宮本 恒靖
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