JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 社会貢献活動 > 最新ニュース一覧 > アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第37回 河本菜穂子 U-16, U-19モンゴル女子代表監督

ニュース

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第37回 河本菜穂子 U-16, U-19モンゴル女子代表監督

2019年09月30日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第37回 河本菜穂子 U-16, U-19モンゴル女子代表監督

モンゴルの印象

モンゴルはウランバートルを首都とし、北をロシア、南を中国と接する内陸国で東アジア北部に位置します。面積は日本の約4倍の約156万k㎡もあります。人口は約323万人で、首都ウランバートル市内に約半数の150万人が生活しています。広大な土地で生まれ育ってきた歴史があるので、モンゴル人のおおらかな性格も納得できます。対照的にウランバートルで生まれ育った20代のモンゴルサッカー協会のスタッフは「コーチ、僕はシティボーイ。モンゴル人すべての男性が馬に乗れるわけではないよ。」と今年の夏に初めて乗馬と弓を体験したと話をしてくれました。このエピソードからも皆さんがイメージされている以上にウランバートル市内は都会で郊外の遊牧民の生活とは異なっていることがわかると思います。
モンゴルの夏シーズン6~8月の平均気温は20度ぐらいで30度を超える日もありますが、雨が降ると急激に温度が下がり夏でも防寒着が必要になります。しかし、冬のシーズンは非常に寒く12~2月の最低気温はマイナス20度を超える日が多いとのことです。3月に赴任しまだこの長く厳しい寒さを経験していないのですが冬の生活も楽しみにしています。モンゴルに赴任し5か月が過ぎましたが、モンゴル人の印象は、とても人に優しいことです。初対面の人でも困ったことがあると言葉が通じなくても助けてくれます。モンゴルサッカー協会内でもスタッフたちのサポートを受け、英語でコミュニケーションをとりながら日々業務を行っています。

モンゴル女子サッカーの現状

モンゴルのウランバートルで女子サッカークラブは10チームほどありますが、定期的にトレーニングを行っておらず大会前に少しトレーニングを行い、大会に参加するかたちです。3月に室内でのフットサル大会をU-12/U-16/Over17のカテゴリーで開催し、5~8月にはU-12/U-14/U-16/Over16のカテゴリーに分かれて屋外でサッカーのトーナメントやリーグを行っています。
フットサルやサッカーの大会には、郊外のクラブチームが1~2チームほど各カテゴリーで参加します。郊外のクラブチームの選手たちはフィジカル的にも優れているように思いますが、ウランバートルで行われるトレーニングに参加できないという課題があります。そのような選手に対して、モチベーションを維持させるためにも、夏休み期間などにトレーニングに参加できるよう郊外クラブのコーチとも連携をとっています。

日々の活動内容

テクニカルダイレクターは、アジアサッカー連盟(AFC)から派遣されているチュニジア人の方で、彼のもと5月にアカデミーがスタートし男子はU-16/U-19、女子はU-15/U-17のカテゴリーでトレーニングを基本週2回ずつ行っています。モンゴルは冬の寒さが厳しいため屋外でトレーニングができる期間が5~10月の間と限られています。この期間はモンゴルサッカー協会内のグランドに空きがある限りトレーニングを週2回以外行うようにしています。夏休み期間中には、モンゴルサッカー協会に隣接するナショナルスタジアムのグランドで10日間連続してトレーニングを行うことができました。また、週末の土日にウランバートル市内から1時間ほど離れた場所にあるモンゴルサッカー協会の新しいグランドで1泊2日のミニキャンプを行うこともあります。
日々のトレーニングは英語で行なっています。トレーニング前に女性アシスタントコーチにトレーニング内容を説明し、トレーニングがスムーズに行われるように準備をしています。選手の中には英語を理解している選手も多く、時には通訳をかってでて、英語からモンゴル語に通訳してくれます。私も少しずつサッカー用語をモンゴルで覚え、選手に伝えるようにしています。トレーニングのない日は、U-16/U-19男子のトレーニングのサポート、コーチングリフレッシュコースのサポートをしています。U-16/U-19男子のトレーニングは、スロバキア人コーチのもと行われ、彼から学ぶことも多く私自身大変勉強になっています。またテクニカルダイレクターからも、大会前のトレーニングスケジュール作成などアドバイスをいただけるので大変心強いです。

4月から8月の主な活動

4/22-5/3 U-19 ウーマンズゴールドカップ 2019(バングラデシュ/ダッカ)
4/23 予選リーグ vs タジギスタン ○ 3-0 
4/25 予選リーグ vs ラオス ● 0-5
4/30 準決勝 vs バングラデシュ ● 0-3
5/9 U-15/U-17アカデミースタート
7/3-7/10 U-15 日本箱根でのトレーニングキャンプ
8/5-8/10 EAFF U-15 Girls' Football Festival2019(韓国/木浦)
8/5 vs 香港 ● 0-7
8/6 vs 北マリアナ諸島 △ 1-1
8/7 vs グアム △ 2-2
8/9 vs 中国 ● 0-12
8/10 vs 台湾 ● 0-6

AFC U-19女子選手権に向けて

来年2020年、AFC U-19女子選手権予選が行われますが、前任者の壱岐さんが指導されていたモンゴル女子U-19年代はモチベーションも高く、サッカーに対し真剣に取り組んでくれ、オフザピッチでの行動もしっかりできる選手が多いです。また、AFC U-16女子選手権予選も再来年行われます。モンゴル女子U-16年代は初めて代表チームとして活動する選手たちのため、代表選手としての意識づけ、オフザピッチでの行動、チームのルール遵守などトレーニング以外でも身に付けないとならないことがたくさんあります。
モンゴル女子U-19/U-16代表として、AFC U-19女子選手権予選、AFC U-16女子選手権予選の1次予選を突破することが目標です。アジア各国が女子サッカーの育成に強化し始めているので、どこの国も1次予選を突破することは難しくなっていますが、チームのために頑張ることの大切さを伝え、モンゴル人のフィジカルの強さを活かし、良いチームを作っていき良い結果を目指したいです。

アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー