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【JFA STATEMENT】第8回 被災地復興に向けて、気持ちを新たに

2014年02月19日

【JFA STATEMENT】第8回 被災地復興に向けて、気持ちを新たに

公益財団法人 日本サッカー協会 会長 大仁邦彌

「キリンチャレンジカップ2014」ニュージーランド戦の収益の一部を両国の復興支援に

 日本にとって5大会連続5度目のFIFAワールドカップも、早いもので4ヶ月後に迫ってきました。本大会前に国内で開催するキリンチャレンジカップは3月5日(水)のニュージーランド戦と5月のキプロス戦を残すのみ。本大会に向けた準備が急ピッチで進められています。

 2週間後に迫ったニュージーランドとのキリンチャレンジカップは、現国立競技場で行う最後の代表戦となります。
 覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、日本とニュージーランドは今から3年前に国立競技場で対戦することになっていました。この試合の1ヶ月ほど前、ニュージーランドの南島で地震が発生し、クライストチャーチを中心に日本人を含む185人が亡くなるという大惨事に見舞われました。JFAはこの時、ニュージーランドサッカー連盟に200万円を義援金として拠出。さらに、この試合を行う国立競技場で募金活動を実施し、全額をニュージーランド連盟に寄付することにしていました。ところが、その試合を18日後に控えていた3月11日、今度は日本で東日本大震災が発生。ニュージーランド戦は開催中止となり、試合会場での募金も実施には至りませんでした。

 日本サッカー協会(JFA)は、ニュージーランド戦が行われるはずだった3月29日に大阪の長居スタジアムでSAMURAI BLUE(日本代表)とJリーグ選抜「JリーグTEAM AS ONE」とのチャリティーマッチを開催することを決めました。これについて批判的な声もありましたが、困難な時だからこそチャリティーマッチを実施し、微力だとしてもその試合で得たお金を被災地の皆さんの支援と一日も早い復興のために役立てたい、そして支援の輪を広げるための大きなきっかけにしたいという思いからチャリティーマッチの開催に踏み切ったのです。
 その後もチャリティーフットサルデーやなでしこジャパンとなでしこリーグ選抜によるチャリティーマッチなどを行い、その収益金を被災地の復興に充てるほか、各種フェスティバルやサッカー教室などを通じて被災地の皆さんと触れ合ってきました。

 そして、震災から3年が経過した今、ようやくニュージーランドとの対戦が実現しました。
 実は、ワールドカップを控えたこの時期のマッチメークというのは非常に難しい面があり、オファーしても1回で決まるということは少ないんです。しかし、ニュージーランドサッカー連盟に打診したところ、二つ返事で承諾していただきました。

 奇しくも3年前に両国で起こった悲しい震災。それを乗り越え、お互い復興の歩みを進めています。しかし、被害の大きさから復興もまだ道半ばであることから、今回、支援策の一環として、JFAは今大会の収益の中から500万円を義援金としてニュージーランド連盟に、同じく500万円を東日本大震災のサッカーファミリー復興支援金に充てることを決めました。

 ご存知のように、ニュージーランドはFIFAワールドカップオセアニアの3次予選で6戦全勝など、順当に勝ち進み、北中米カリブ海予選4位との大陸間プレーオフに駒を進めました。相手は、FIFAワールドカップ常連のメキシコ。残念ながら、アウェイの第1戦で1-5と大敗を喫し、ホームの第2戦も2-4で破れてワールドカップ2大会連続出場はかないませんでした。
 無念さは消えないと思いますが、だからこそ、ワールドカップに挑むSAMURAI BLUE(日本代表)を相手に発奮し、現国立競技場での最後の代表戦を飾るにふさわしい好ゲームを演出してくれるのではないでしょうか。日本としては、本番までの数少ない国際試合であり、良い内容と結果を出し、本大会決勝トーナメント進出に向けた布石を打てればと思っております。

JFAの復興支援活動

 さて、震災以降、国内外のサッカーファミリーやスポンサーの皆様と手を携えながら、被災地の復興を目指して取り組んできたJFAですが、これまでに日本赤十字社に2億6千万円を超える義援金を、そして、被災地のサッカーファミリーの活動に対して、昨年12月31日までに総額9億7千万円を超える金額を「サッカーファミリー復興支援金」として寄付しました。サッカーファミリー復興支援金は、被災されたサッカーファミリーの皆さんがこれまで通りサッカーを楽しめるよう、スタジアムやフットボールセンターの整備や学校のグラウンドの改修のほか、被災地の皆さんのサッカー活動費などに充てられるもので、支援金の口座は現在も開設中です(こちら)。

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 ちなみに、この支援金で改修されたフットボールセンターは、釜石市にある岩手県フットボールセンターと宮城県のMFA松島フットボールセンター、相馬市の福島県フットボールセンターの3ヶ所。また、ユアテックスタジアムやカシマサッカースタジアムなどJクラブのスタジアムや練習場の補修や地域や学校のグラウンドの芝生化(ポット苗方式)にも使われました。

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昨年10月にリニューアルオープンした福島県フットボールセンター・相馬市光陽サッカー場

 そのほかの活動としては、被災地域の登録チームに対する活動補助、市民活動やNPO法人の皆さん、そして、日本代表オフィシャルサプライヤーのadidasさんらにもご協力いただいて文房具や防寒具、サッカー用具といった物資を被災地の子どもたちやサッカーファミリーに提供しました。また、復興特任コーチに加藤久氏(現ジュビロ磐田ゼネラルマネジャー)を選任して被災地に足繁く通ってもらい、各地の状況に応じたきめ細かな活動を展開。現在は、手倉森浩復興特任コーチが加藤氏の後を引き継ぎ、被災地を回ってサッカーのプレー機会の創出や指導の手助けをしています。

 さらに、日本代表のオフィシャルスポンサーのKIRINさんと手を組んで実施しているJFA・キリンスマイルフィールド、そして日本体育協会と日本オリンピック委員会、日本トップリーグ連携機構、JFAの四者が連携した「スポーツこころのプロジェクト」といった活動も各地で行っています。

 このような支援活動を継続できるのは、日本代表スポンサーの皆さま、FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)をはじめとする海外のサッカーファミリー、そして募金やボランティアなどにご協力いただいた多くの方々のご理解とご厚意のお陰にほかなりません。

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 しかし、報道でもお分かりいただける通り、震災復興にはまだまだ長い時間がかかります。子どもたちが存分にサッカーを楽しんだり、身体を動かしたりできる場所がないというのは、いまだによく耳にする話です。

 前述した通り、3月5日のニュージーランド戦は、2011年に震災で中止となったキリンチャレンジカップ2011の再現です。時間の経過とともに復興の意識も薄れがちになりますが、このニュージーランド戦を機に、もう一度、当時を振り返っていただき、私たちとともに被災地の方々に手を差し伸べていただきたいと思っています。

 SAMURAI BLUEもニュージーランド代表も被災された方々に少しでも希望を持っていただきたいと願い、最高のゲームを見せてくれることでしょう。

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