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【Match Report】SAMURAI BLUE オマーンに敗れて最終予選は黒星スタート
2021年09月03日
SAMURAI BLUE(日本代表)は9月2日(木)、2022年のFIFAワールドカップカタールの出場権を懸けたアジア最終予選(Road to Qatar)グループBの初戦でオマーン代表と大阪・市立吹田サッカースタジアムで対戦。終了間際に得点を許して0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。チームは7日(火)にドーハで行われる第2戦で中国代表と対戦します。
7大会連続での出場を目指す日本は、最終ライン中央にDF吉田麻也選手(サンプドリア)とDF植田直通選手(ニーム・オリンピック)、左右のサイドにはDF長友佑都選手とDF酒井宏樹選手(浦和レッズ)、ボランチにはMF柴崎岳選手(CDレガネス)とMF遠藤航選手(VfBシュツットガルト)のコンビを起用。前線にはFW大迫勇也選手(ヴィッセル神戸)の1トップに、2列目にMF伊東純也選手(KRCヘンク)、MF鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)、MF原口元気選手(1.FCウニオン・ベルリン)を並べる布陣で臨みました。ゴールにはGK権田修一選手(清水エスパルス)が構えました。
ホームで迎えた初戦で勝点3を手にしたいところでしたが、セルビアで約1か月間の事前合宿を実施してきたオマーンが切れのある動きで積極的に攻撃を仕掛け、日本は序盤から押し込まれる苦しい展開となります。
イラン代表監督時代に2006年ワールドカップ最終予選で日本と対戦した経験のあるブランコ・イバンコビッチ監督の下、オマーンは降りしきる雨の中、序盤からロングボール主体で攻め、FWアルマンダル・アルアラウィ選手やMFサラー・サイド・アルヤヒアエイ選手らが次々と日本ゴールを脅かします。
日本は守備陣が体を張って対応し、ゴールを死守しますが、ボールを奪ってもミスが多く、互いの距離感も遠くなりがちで、思うような攻撃をテンポよく仕掛けることができません。
それでも、前半27分には伊東選手がゴール前で相手の裏を取り、左クロスにダイレクトで合わせる決定的な場面を作りましたが、シュートは相手GKに阻止されました。
日本は相手の攻撃をしのいで前半を0-0で折り返しましたが、後半開始早々にも攻め込まれます。50分には、左サイドからの折り返しをペナルティエリア内でクリアした長友選手にハンドがあったとして、一度はPKの判定に。しかし、今予選から導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックで取り消され、日本はピンチを脱しました。
勝利を呼び込む1点が欲しい日本は、後半からFW古橋亨梧選手(セルティック)を左ウィングに投入。48分には長友選手の左クロスに伊東選手がファーサイドでゴールを狙い、55分には酒井選手の右クロスにゴール前に顔を出した長友選手が頭で合わせます。その3分後には古橋選手が左サイドからミドルシュートを放ちましたが、相手GKに阻まれるなど、ゴールを割ることができません。
63分にはMF堂安律選手(PSVアイントホーフェン)、70分にはMF久保建英選手(RCDマジョルカ)をベンチから送り出し、U-24日本代表で東京オリンピックでもOA(オーバーエイジ)としてプレーをともにした酒井選手や遠藤選手と絡んで、右サイドで攻撃を仕掛ける場面を作りますが、ゴール前での決定機には至りません。
じりじりとした展開が続く中、試合が動いたのは88分でした。
オマーンのMFサラー・サイド・アルヤヒアエイ選手が途中出場のMFアルシャド・サイド・アルアラウィ選手とパス交換で右サイドを崩してクロスを入れると、4分前に交代出場したFWイサム・アブダラ・アルサビ選手が日本DF陣の間を突いてゴール前に入り、右足で合わせます。シュートはGK権田選手が伸ばした手の先を抜け、ゴールに吸い込まれました。
同点に追いつきたい日本は吉田選手を前線に上げ、後半アディショナルタイムには久保選手が左サイドから中に切り込んで右足を振りましたが、シュートは相手GKが阻止。最後までゴールを割ることはできず、前回ロシア大会最終予選に続いて初戦をホームで落とす厳しいスタートとなりました。
SAMURAI BLUEは試合後、次の中国との試合開催地であるドーハへ向けてチャーター便で移動しました。しかし、酒井選手はオーバーワークを考慮して試合後にチームを離脱。中国戦には不参加となりました。フランスリーグで昨シーズンを終了後、5月末のアジア2次予選、東京オリンピックなどの代表活動に参加し、移籍後の浦和レッズでも試合出場が続いてきたため、疲労を考慮しての判断です。チームは3日(金)から現地で調整に入ります。
なお、この日他会場で行われた試合では、オーストラリアがドーハで中国に3-0、サウジアラビアがホームでベトナムに3-1で勝利。オマーンを含めた3チームが勝点3で並び、オーストラリアが得失点差でグループB首位に立ち、サウジアラビア、オマーンと続き、日本は4位。以下、ベトナム、中国と続いています。
グループAではイランがホームでシリアに1-0で勝って首位に立ち、ホームで初戦を迎えた韓国はイラクと0-0、また、UAEはレバノンと0-0で引き分けました。
最終予選は来年3月まで行われ、各グループ上位2チームが出場権を獲得。3位チームは残り1枠をかけて3位同士でプレーオフを行い、勝者が大陸間プレーオフに臨みます。FIFAワールドカップカタール2022は来年11月21日に開幕の予定です。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
セカンドボールの処理がうまくいかずに、相手の攻撃にこちらがサイドに出て行ってバランスがとれない中で失点をくらう形になりました。セカンドボールは試合前から気をつけていて、前半は相手に拾われていたところを後半は修正して拾えるようになっていましたが、最後にうまく処理できずに失点してしまいました。海外組が多い中、この試合へ向けた全体練習は1度だけでしたが、これを言い訳にするつもりはありません。これまでも海外組が多くなる中で、短い準備期間の中でも選手たちは勝利へ向けて努力して前進してくれていました。最終予選に臨むにあたっても、選手たちはいい緊張感と厳しい戦いを勝っていく覚悟や心構えはできていたと思います。ロシア大会最終予選で初戦を落としたことも経験値や情報を持っていましたし、最大限力を発揮しようとしていたと思います。
初戦で敗戦して、いろいろな反省がありますが、この敗戦を獲り返さなければなりません。反省をしっかりした上で、中国戦へ向けて、いいエネルギーを作っていきたい。今日の試合では流れの悪い時間帯は、選手の距離感が遠くなっていました。攻守で、より意思統一をしながら、いい距離感で試合を進めることが必要だと思っています。与えられた条件の中で、個としてもチームとしてもその時できる100%を発揮して、どんな状況でも試合に勝っていく。今日の敗戦からしっかり修正して、勝利に結びつけられるようにしたいと思います。
DF #22 吉田麻也 選手(サンプドリア/イタリア)
最低限、ホームで失点せずに勝点1を維持する。それができなかったのは非常にフラストレーションの溜まる試合でした。相手のコンディションが良かったと思います。通常よりも長く合宿して、僕らより早く日本に入っていたこともあるかもしれませんが、それは言い訳にできません。僕らはいつものようなテンポでボールをまわすことができなかった。強度もクリエイティビティも足りなかったですし、ボールの奪われ方も悪くて、毎回カウンターを受けて、自陣の深いところから攻撃に出ていく状況を作られていました。テンポも距離感も良くなかったですし、長いボールと短いボールを使い分けることもできなかった。初戦には起こり得ることですが、ボールを大事にしすぎたかと思います。失点場面は、サイドで打開されて僕自身がもっとニアを消すポジションニングをすべきでしたし、中のマークの付き方も悪かった。そういう細かいミスが重なったのがあの失点じゃないかと思います。前回同様苦しい状況に追い込んでしまったのは間違いないですし、勝つしかありません。
MF #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
相手もいい試合をしたのは間違いないですが、自分たちもちょっとした切り替えの遅さやミスもあったと思います。チームとしてどこを攻撃に使うかですが、サイドに入った時に中よりも縦突破してCKをとることや、クロスを入れる方が効果的だったかもしれません。その辺の判断や最後にボールを獲るためにどうしたらいいかというところは、もうすこし準備をして、どういうオプションを持つかが大事になると思います。この結果は受け入れるしかないので、次に早く切り替えをしてやっていきたい。日本ではないアウェイで難しい試合になりますが、いい準備をしてやっていくしかないと思います。
MF #14 伊東純也 選手(KRCヘンク/ベルギー)
全体的に良くなかったですし、ミスも多かったと思います。ボールは握っていましたが、効果的な攻撃ができていなかったと思います。(決定機の場面は)相手の背後を狙う動きは必要で常に意識していました。相手DFの2枚の間にうまく入って、シュートは入ったと思ったのですが、GKの正面で、残念でした。オマーンのコンディションの良さは感じましたが、自分たちはもっとできたと思います。奪われたあとのリアクションや攻撃の精度は自分たちのミスだったと思うので、全員がミスを減らすことも大事ですし、改善しないといけないと思います。
ブランコ・イバンコビッチ オマーン代表監督
この歴史的な勝利に本当に興奮しています。我々は90分間試合をコントロールして相手を脅かす機会をたくさん作り、勝ちに値する試合をしました。合宿からこのグループでサプライズを起こし、日本を驚かせようと準備してきました。選手たちは情熱を持ってプレーして、日本にハイプレスをかけて臨みましたが、日本の選手たちはここ数試合ではなかった状況に驚いたと思います。大一番でビッグハートでプレーした選手たちを褒めたいと思います。将来につながる良い結果で、オマーンの人々も楽しみ、誇りに感じてくれたと思います。
ハイライト映像はこちら(AFC Asian Cup YouTube Channel)
アジア最終予選(Road to Qatar)
2021年9月2日(木) 19:10 キックオフ 0-1 オマーン代表
会場:大阪/市立吹田サッカースタジアム
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