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磐田がPK戦の末、Honda FCを撃破 第97回天皇杯

2017年06月22日

磐田がPK戦の末、Honda FCを撃破 第97回天皇杯

ピックアップマッチ

ジュビロ磐田(J1) 2-2(PK: 5-4)(前半0-0、後半1-1、延長前半0-0、延長後半1-1) Honda FC(ベストアマチュアシード)

第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会は6月21日(水)、2回戦の32試合が行われ、ヤマハスタジアムではジュビロ磐田とHonda FCが対戦しました。

日本フットボールリーグ(JFL)を戦うHonda FCは、プロチーム相手に果敢に攻める姿勢を打ち出しました。井幡博康監督がハーフタイムに「一発を狙いすぎている。時間をかけながらポゼッションしていこう」と指示を出してたしなめるほど、J1相手で高まる気持ちをボールに乗せるかのように、強気のパスを打ち込みます。開始3分には、最終ラインから長いスルーパス。前線の原田開選手から2トップを組む古橋達弥選手にボールが渡り、シュートこそ打ち切れなかったものの、ボックス内に侵入して磐田ゴールを脅かします。その後も相手の動きの逆やラインの裏を突き、空いたスペースへボールを動かしてゴールににじり寄ります。Honda FCの勢いが出た前半となりました。

しかし、先制したのは磐田でした。前半から崩す形はありませんでしたが59分、左サイドからのクロスにゴール前で齊藤和樹選手が競り合うと、GKが弾いたボールを松本昌也選手が押し込みました。

先制を許したHonda FCですが足を止めません。サイドのワンツーや3人目が絡んでの速い崩しを見せ続けると72分、ボックス内へ走り込んだ原田選手が倒されてPKを獲得。これを古橋選手が決めて追いつきました。

両チーム共に交代カードを切るタイミングを慎重に見極めながら試合を進め、結局90分では決着がつかず、1-1のまま延長戦へと突入します。延長後半に入り、試合を動かしたのは磐田の最初の交代選手、川又堅碁選手でした。同じく交代で入ったアダイウトン選手と共に前線での強さを何度か見せると、延長後半の117分、ボックス内で受けたボールをうまく浮かしてゴール。この直前にあった逸機を挽回しました。

試合残り3分で、磐田が再度のリード。それでもHonda FCは諦めませんでした。アディショナルタイム突入直前の120分、最終ラインから攻め上がった鈴木雄也選手が必死に足を伸ばしてボールをつなぎ、最後はボックス内から富田湧也選手がシュート。ボールはファーサイドの右ポストを叩きますが、跳ね返ったボールを遠野大弥選手が冷静にゴールに蹴り込みます。途中出場の18歳による、この劇的な同点ゴールで、勝敗の行方はPK戦に委ねられることになりました。

PK戦でも、最後まで緊張感が続きました。キッカーは誰一人として枠を外さないものの、両GKが7巡目までにそれぞれ3本をセーブ。そして8巡目、ついに決着します。一度は追う立場になった磐田GK三浦龍輝選手が4度目のセーブ。これで磐田の3回戦進出が決まりました。

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監督・選手コメント

名波浩 監督(ジュビロ磐田)
試合前、マッチコミッショナーに「Honda FCが勝っても、何の驚きもない。ジャイアントキリングでも何でもない」と言われ、負けられない理由が増えました。内心相当メラメラしていましたが、Honda FCの技術の高さ、穴を突く戦術眼は素晴らしく、どちらに転んでもおかしくない試合でした。2-2でPK戦という結果どおりの試合だったと思います。我々としては先につなげたことが大きなことですし、リーグ戦の連勝をここで止めるわけにはいきませんでした。次(3回戦)のアウェイの湘南ベルマーレ戦も、難しい試合になると思います。今日、チャンスを生かすか殺すかは、ピッチに立った選手次第だと伝えていました。彼らがまたチャンスを得たのは大きなことだと思います。

三浦龍輝 選手(ジュビロ磐田)
移籍後初出場でしたが、自分の気持ちがどうというより、チームの状態がすごく良かったので、それを継続させたいと思っていました。自分が求めていたものというか、しびれるものがありましたし、これを次につなげてリーグ戦に出られるようにまた準備をしていきたいです。PK戦は1本でも多く、気持ちで絶対止めてやると思っていました。とにかく夢中でやっていて、何本止めたかのか数えていませんでしたが、最後の4本目を止めた時は内心しびれました。これを次につなげていきたいです。

井幡博康 監督(Honda FC)
良い試合をしても最後に勝たなければいけないと感じましたが、選手の頑張りは最後まで見ている人に響かせることができたかなと思います。落ち着きのない状態で試合に入って、後半から少し落ち着いたかなというところがありました。普段と比べて50から70%のボールの動かし方だったと思います。J1のジュビロさんが相手ということで、モチベーションが高まりはしましたが、リスペクトしすぎた部分が表れてしまいました。前半から決め切るというところにフォーカスすれば、違った展開になったのかもしれないなとも思いますが、最後まで戦った選手たちを称えたいと思います。

鈴木雄也 選手(Honda FC)
数日前に、「伝統の天竜川決戦だぞ」と聞かされたのですが、25年ぶりの対戦だということで、正直に言ってピンときませんでした。でも、僕らにとって距離的に一番近いJ1クラブであるジュビロに勝つということは、静岡サッカーを盛り上げる一つの要素になると思っていました。だから、勝つことができず、すごく悔しいです。今日も応援してくれていた下部組織の子どもたちに、うちのトップチームはJクラブ相手でも勝てるんだぞということを、結果として見せたかったんですけど…。子どもたちが試合を見てくれることは、リーグ戦でもすごく大きなモチベーションになります。Jクラブと真剣勝負できる天皇杯が終わってしまったことは残念ですが、JFLで圧倒的な力を見せて優勝したいと思います。子どもたちが常に誇りを持てるチームとして、手本になれるように頑張っていきたいと思います。

【1回戦】4月22日(土)、23日(日)
【2回戦】6月21日(水)
【3回戦】7月12日(水)
【ラウンド16(4回戦)】9月20日(水)
【準々決勝】10月25日(水) 
【準決勝】12月23日(土・祝) 
【決勝】2018年1月1日(月・祝)

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