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第36回JFAレフェリーキャラバンを高知県で開催

2018年08月29日

第36回JFAレフェリーキャラバンを高知県で開催

7月15日(日)、16日(月・祝)、JFAレフェリーキャラバンを高知市の「東部総合運動場・くろしおアリーナ」で開催し、2日間で延べ19名の審判員、延べ16名の審判インストラクターが参加しました。

高知県でのJFAレフェリーキャラバンでは、指導方法の伝達だけではなく、日本サッカー協会・四国サッカー協会・高知県サッカー協会の3つの組織がお互いに連携するための方法を議論する機会として活用されました。

具体的なプログラムとしては、「チューターリング」の指導方法の理解を目的とした講習を審判インストラクター向けに行いました。チューターリングそのものの説明やチューターリングでの指導に適切な「場の設定」の理解、実際にチューターリングでの指導を実践してみるプログラムなどが用意されました。

審判員には、「チューターリング」の手法により審判員自身に課題を認識してもらい、その課題を解決するための訓練として「プラクティカルトレーニング」を実施しました。また、フィジカルの面からもレフェリングの向上にアプローチし敏捷性を高めたり、スタミナをつけたりするための理論講義と実践も行われました。

参加者の皆さんの積極的な姿勢により、盛り上がりを見せた今回のキャラバンは、四国サッカー協会・高知県サッカー協会の連携を強める大きな一歩となりました。

JFAインストラクターコメント

吉野内浩志 四国地域審判指導者トレセンマネジャー
梅雨明けの猛暑の中、高知県の審判員、審判指導者が集まり、レフェリーキャラバンを開催しました。来年から県審判トレーニングセンターが始動するに当たり、JFAの審判トレーニングセンター再構築の方向性と高知県での準備状況や四国審判トレーニングセンターとの連携方法などについて確認する良い機会となりました。
集まった高知県の審判員の皆さんは、年齢、級、経験に違いはありましたが、次代の高知県のサッカーを担う人材として今回のキャラバンに積極的な参加をしてくれました。事前に高知県の審判の分析を県審判員長等と行い、「相手を押さえるとは」、「オフサイドの副審の旗を上げるタイミング」、「フィジカルの強化」に絞って、イントレのスキルであるチュータリング、プラクティカルトレーニング、フィジカルトレーニングの各手法を実践しました。今回、指導を担当したインストラクターは、昨年から四国審判指導者レーニングセンターで養成してきた四国のインストラクターであり、指導者養成の面でも大きな成果となりました。各セッションでは、審判員個々の課題克服のヒントが伝わるように、内容を工夫しながら実践することで、成長のきっかけを自分のものにしようと熱意を持って取組んでくれました。
指導者へは、「チュータリングとは何か」について、イントレの一つのスキルである「チュータリング」のコースの内容の一部を実践してもらいました。チュータリングの「目的」、「なぜ必要か」、「手法の紹介と実践」等、県イントレの内容を意識しながら精選して実施しました。参加した指導者は、審判員への指導方法の一つとしてチュータリングの有効性を理解し、高知県の指導者へのチュータリングの普及と審判指導への活用の必要性を実感しくれたと思います。
キャラバンの中で高知県トレーニングセンターの方向性について審判員、指導者ともにグループディスカッションを行い、「高知県の課題や強み」「高知県でできること」「高知県の審判の未来像」などについて意見交換し、絵に描くことで具体的なイメージを持つ取組を行いました。来年から始める高知県審判トレーニングセンターの意義や方向性を高知県のメンバーが共有し、地理的な環境や予算などの課題は、Web会議システム等のICTの活用、現状の取組の見直し、四国との連携などの工夫で克服しながら、同席いただいた高知県サッカー協会の会長、専務理事等の県協会の方々にも協力いただいて進む道筋が見えてきたと思います。このキャラバンが今後の高知県審判育成の大きな節目になることを期待したいと思います。

開催FA審判委員長コメント

岩河義弘 高知県FA審判委員長
来年度スタートする高知県審判トレセンに向け、今回のキャラバンを通してJFA審判部の育成指導方針、四国のロードマップを基に高知県の審判員、指導者でもできることは何かを考えてもらうことを目標として実施しましたが大変有意義な2日間となりました。指導者にはチューターリングの紹介と指導方法について学びました。従来の座学中心の研修よりも大きな効果を持たせるために様々な手法を取り入れることの必要性を学ぶことができました。特に県内での活動がほとんどの3級インストラクターの方に経験していただいたことは県内の様々な場面での審判育成に繋げることができると思います。また、審判員には日頃指導の行き届かない3級審判員を中心に課題を考えました。チューターリングにより「相手を押さえるとは?」、プラクティカルトレーニングではオフサイドの中から「相手競技者への妨害」について指導を頂きました。初日は慣れない雰囲気に皆緊張していましたが、適宜アイスブレイクを取り入れるなどして緊張を解き、活発な良い雰囲気のなか研修することができました。参加者から「わかりやすく楽しかった」との声を聞くことができました。日頃は指導者が一方的に教え込む研修が多く、私たち指導者の意識改革の必要性を痛感しました。最後にキャラバン開催にあたり石山JFAインストラクター、吉野内四国地域指導者トレセンマネージャーには早期の準備から大変お世話になりました。また、四国地域指導者トレセンから派遣された講師の方には室内開催だったとはいえ猛暑のなか2日間熱心にご指導いただきました。このキャラバンで学んだことを活かしてより良い高知県審判トレセンとなるよう準備を進めたいと思います。関わっていただいた皆様に心より感謝申し上げます。

受講者コメント

秦泉寺力 高知県FA3級インストラクター
レフェリーキャラバンでは、指導方法を学ぶだけでなく様々なことに気づきがありました。ひとつは自身が競技規則を深く理解できていなかったこと、もう一ひとつは、研修で行ったドローイングとチューターリングでの気づきです。ドローイングでは自分たちの考える高知県のインストラクターと審判員の特徴を絵に描くことで、わかりやすく感じることができました。チューターリングでは参加したインストラクターの意見や考えを聞くことにより判定やフラッグアップのタイミングの違いから判定基準や持っている情報にズレがあることを実感できました。今回学んだ指導方法を用いてインストラクター同士のすり合わせが必要だと思いました。
今回のキャラバンは四国地域審判指導者トレセンにて養成された指導者によるセッションがほとんどで、四国サッカー協会と高知県サッカー協会が共同して開催したキャラバンという印象が強く残りました。四国地域審判指導者トレセンで行っていることを知ることもできましたし、キャラバンを通してインストラクターや審判員を身近に感じることができたことは、今後のインストラクター、審判員としての活動にも役立つと思います。また、日頃は審判育成指導を受ける機会の少ないU-18審判員等に対しても、アセスメント⇒チューターリング⇒プラクティカルトレーニングのサイクルから各セッションが実施され、「日頃疑問に感じていたことが少し解決できた」との声が聞けてうれしく思いました。

坂本悠馬 高知県FA3級審判員
レフェリーキャラバンに参加したことは今後2級昇級やその上を目指している私にとって貴重な体験でした。チューターリングでは「相手を押さえるとは」、「オフサイド」、「フリーキックの手順」などを行いましたが、なかでも「相手を押さえるとは」のセッッションではたくさんの気づきがありました。「相手を押さえるとはどういう状態ですか?」との質問されてもイメージでしか思い浮かべることができず文章で答えることができず、今までの審判でホールディングをきちんと判定できていたのか疑問に感じるようになりました。競技規則を今までは表面的にしか覚えていなく、深く理解することの必要性を痛感しました。プラクティカルトレーニングでは「オフサイド」を行いました。自分の思ったタイミングでシグナルしても、映像で検証するとオフサイドでない場面もあり、今までは感覚で判定していたことを知ることができました。身体のどこがオフサイドラインから出ているのか細部まで監視することの必要があると思いました。今までこのようにチューターリングやプラクティカルトレーニングを経験したことがほとんどなかったので、今回のキャラバンは今後の審判活動に活かせることが多くありました。「審判は選手の夢をサポートすること」。このことはとても大切ですが私自身、審判の試合数をこなすことで忘れられていた部分でした。これからはこのことを忘れることなく、今回学んだことを生かし深めながら審判活動を頑張りたいと思います。

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