JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 大会・試合 > 高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 > 最新ニュース一覧 > 苦しいときこそ、新しいものを創り出すチャンス~高円宮杯U-18プレミアリーグWEST 熊本県立大津高校サッカー部・平岡和徳総監督インタビュー~

ニュース

苦しいときこそ、新しいものを創り出すチャンス~高円宮杯U-18プレミアリーグWEST 熊本県立大津高校サッカー部・平岡和徳総監督インタビュー~

2016年06月22日

苦しいときこそ、新しいものを創り出すチャンス~高円宮杯U-18プレミアリーグWEST 熊本県立大津高校サッカー部・平岡和徳総監督インタビュー~

――今回の大震災で大津高校周辺の被災状況はどうだったのでしょうか。

平岡氏 益城町から西原村、そして阿蘇。熊本県の中でも被害の大きかった地点の真ん中に大津町はあります。幸いにもと言うべきでしょうか、大津は地盤がしっかりしていたようで、被害はそれらの町村に比べれば少なかったと思います。ただ、みんな住むところはなくなってしまいましたし、学校としても阿蘇の大橋が落ちてしまったので、橋の向こうから通っていた生徒100名余りは学校へ来る手段がなくなってしまいました。学校再開はゴールデンウィークが明けて、阿蘇方面から代替バスが出ることになってようやく目処が立った状況でした。

――サッカー部もそこで再スタートという状況ですか。

平岡氏 練習再開は5月10日からですね。我々の地域以外の学校などではどんどん練習を再開しているという話も聞こえてきて、この辺りに住んでいる自分たちだけが練習できていないということに子どもたちはものすごく焦りも感じていたと思います。復興作業が優先されるのはもちろん当然のことです。ただ、時間を見つけて公園で走り込んだり、ボールを蹴ったりしていても、「こんなときに何をしているんだ!」と言われてしまうんです。すごくストレスがかかる状況だったと思います。それだけに10日の日は今からサッカーができるという喜びがありました。高円宮杯プレミアリーグに関しては未消化試合が5月14日にあり(東福岡戦)、4日前にトレーニングを始めた状況ながら生徒たちは歯を食いしばって戦ってくれました。

――そして高校総体の熊本県予選がありました。

平岡氏 大会は4連戦(決勝までいくと5連戦)、やっぱり体は正直でした。率直に言って、トレーニング不足。最後は足が止まってしまっていました。その結果として、準決勝敗退。ただ、こうも思うんですよ。この状況でウチが勝つようでは、熊本県のレベルが本当に低いということになってしまいます。もちろん、ウチの生徒たちは本当に悔しかったと思います。でも、いよいよサッカーに打ち込める環境ができてきたわけですから、ここからが勝負。今回、私たち指導者も生徒たちも厳しい状況下で最善の努力をしました。でも、サッカーに必要なものは体力であったり、トレーニング。サッカーに打ち込めること自体のありがたさ、その効用を選手たちは感じたと思います。その気持ちが高円宮杯プレミアリーグに向けても、冬の高校サッカー選手権に向けても、チームにとっての財産になります。選手たちにも「この経験をできたことは大きかったね。『あれがあったからすごいチームになれたね』とか『素晴らしい選手に成長したな』とか言われるようになろうな」という話をしました。「苦しいよな。ピンチのように見えるよな。でもこれは、新しいものを創り出すチャンスだよ」という話は、サッカー部だけではなく全校生徒に言い続けてきたことでもあります。

――日ごろから挫折は成長のチャンスだとおっしゃっていました。

平岡氏 私たちは子どもたちの未来に触れているという深い自覚をもって指導を継続しています。負けたということをウィークにするのではなくて、成長の加速力を付けてもらうための財産にしないといけない。大津は一回負けると、周りから本当にいろいろ言われてしまうし、子どもたちが受けるダメージもあると思います。でも、失敗なき成功者はいない。「あきらめない才能」を育てるのが大津の目指すところです。こういう苦しいときにどれだけ下に根を伸ばせるかだし、それを促し、サポートするのが指導者の仕事だと思っています。常に勝者になれずとも、常に勇者であることはできるのですから。

――全国のサッカーファミリーも応援しています。

平岡氏 本当に各地域から物心両面でのご支援をいただいて心強かったですし、あらためてサッカーファミリーのすばらしさに感動の連続でした。チームを代表して心より御礼申し上げます。お互いを思いやる気持ちをさらに深めて、感謝の気持ちをより強く持ちながら前に進んでいくことが支援をいただいた皆さんへの恩返しになると思っています。全国の皆さんに新しい熊本を観ていただけるように「蹴念」をもってまた頑張っていきますよ。

プレミアリーグEAST 第6節 6月25日(土)・6月26日(日)

6/25(土)
15:00 アルビレックス新潟U-18 vs 柏レイソルU-18(デンカスワンフィールド)
6/26(日)
11:00 青森山田高校 vs FC東京U-18(青森山田高校)
11:00 鹿島アントラーズユース vs 流通経済大学付属柏高校(県立カシマサッカースタジアム)
11:00 清水エスパルスユース vs 市立船橋高校(清水ナショナルトレーニングセンター/J-STEP)
15:00 大宮アルディージャユース vs 横浜F・マリノスユース(NACK5スタジアム大宮)

プレミアリーグWEST 第6節 6月25日(土)・6月26日(日)

6/25(土)
11:00 サンフレッチェ広島F.Cユース vs ガンバ大阪ユース(吉田サッカー公園)
14:00 ヴィッセル神戸U-18 vs 大分トリニータU-18(いぶきの森球技場)
6/26(日)
11:00 京都サンガF.C. U-18 vs 東福岡高校(京都サンガF.C. 東城陽グラウンド)
11:00 名古屋グランパスU18 vs 大津高校(名古屋市港サッカー場)
15:00 セレッソ大阪U-18 vs 神戸弘陵学園高校(セレッソ大阪舞洲グラウンド)

アーカイブ
大会・試合
NEWS メニュー
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー