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2017年第3回J1・J2担当審判員研修会を開催

2017年10月30日

2017年第3回J1・J2担当審判員研修会を開催

10月21日(土)、22日(日)で第3回 J1・J2担当審判員研修会を品川で開催しました。

プログラムは、今シーズンの振り返りを中心に構成され、Raymond Olivier氏(日本サッカー協会 レフェリー戦略経営グループシニアマネジャー)によるセルフコントロールの講義や、オフサイドをテーマにしたディスカッションを実施。主審側・副審側の見解をディスカッションをする場面は、トップレベルにふさわしい活発な議論が行われました。

インストラクターコメント

田邊宏司 S級審判インストラクター
10月21日(土)・22日(日)の2日間のうち、審判員はどちらか1日に参加する研修でした。残念ながら、22日の関東は台風接近のため、参加できなかった審判員の方々もいらっしゃいましたが、Jリーグ開催中、多くの主審・副審が参加しました。

第1部「プレッシャーのもとでのセルフコントロールと落ち着きの示し方」
第2部「テクニカルエリアのマネジメント(第4の審判員との協力)」
第3部「オフサイド(GKへの妨害の判定に関して)」
第4部「追加副審について」

第1部はRaymond Olivier氏の講義です。はじめに、「白鳥」は、水面下では忙しい活動をしているが、水上では気品のある姿を見せている。そこで、感情的要素(喜び/悲しみ・怒り・恐怖感・信頼・驚き)がパフォーマンスにどのように影響しているかの説明から、次に、良いレフェリーの質である、9項目の中から、「気品」ある姿について、映像を使用してグループ討議をしました。全ての人を納得されることは難しいけれども、白鳥のように「気品」ある姿で、平静、落ち着き、冷静を保って試合をコントロールすることの大切さを、私たちは改めて考える事が出来ました。

第2部は、テクニカルエリアのコントロールを、①第4の審判員が対応する ②主審が直接注意を与える ③主審がテクニカルエリアから離れさせるという3つの項目を確認後、映像を活用してグループ討議が行われました。今後の試合前の打ち合わせに役立てられ、チーム力が発揮され、良い試合が展開できることでしょう。

第3部は、GKへの妨害となるかどうかの判断を、主審と副審の協力で良い判定ができることを目的に、映像で研修されました。グループディスカッションでは、主審と副審が、お互いの想いを討議しました。日頃の考えていること、判断への迷い、疑問等を遠慮のない話し合いができました。時間が足りなかったのですが、この熱い討議が今後の研修会でも実施できれば良いと願っています。

第4部は、追加副審を実施した今シーズンのデータ及び今後の見通しが報告されました。全試合を追加副審で実施するには、解決すべき点が多いのですが、今後の方向性と追加副審の実践方法が確認されました。リーグも残りわずか、今シーズンの集大成です。審判のみなさん、お体に十分気をつけられ、1試合1試合に最大のパフォーマンスが発揮され、全ての試合が良い試合になりますよう心から応援しています。

参加者コメント

鈴木規志 1級審判員(三重県)
今回の研修会は「2017シーズンのこれまでを振り返り、レフェリングのレベルアップを図り、チームや関係者からの信頼を得る」という目的のもと、講義、ディスカッション等が行われました。Raymond Olivier氏の講義『Self-control and Composure』では、「Elegant(気品)」「Composure(落着き)」という言葉がとても印象に残りました。試合のテンションが上がっていても、審判団は、平静にふるまい、落ち着きを保ち、ゆっくりと的確にジェスチャーを行うことがよいゲームコントロールにつながることを学びました。ディスカッションは『オフサイド(GKへの妨害)』をテーマに行われました。主審、副審がそれぞれの立場で、優先順位のつけ方、視野の分担、とるべき行動、必要な情報などについて、活発に意見交換をすることで、考えを深めることができました。リーグは終盤となり厳しい試合が続きますが、この研修会で学んだことを活かし、2017シーズンを良い形で締めくくられるように、全力を尽くして取り組んでいきたいと思います。

笠原寛貴 1級審判員(福岡県)
今回の研修会では、まずプレッシャーのかかる中でいかに冷静に落ち着いて対応できるかをメンタルの部分からRaymond Olivier氏より講義いただきました。水面下に浮かぶ”白鳥”を例に、白鳥は見えない水面下では足を動かしているが、見た目は冷静に周囲を見ている、そんな白鳥のような審判を目指して実際の試合映像から我々の姿がどのような印象を与えるか、意見を出し合いました。一番印象に残っている言葉は”試合を観ている50%の人は判定に不満を持っている”ということです。メンタルの部分はパフォーマンスに大きく影響しますが、考え方ひとつで変えられるものだと思いました。

田邊インストラクターの講義では、テクニカルエリアのマネジメントをテーマに大きな事象にならないように第4の審判員と協力するということを具体的に再確認しました。最後に上川インストラクターの講義では、GKへの妨害によるオフサイドをテーマに映像を使ってグループでディスカッションしました。主審と副審、それぞれの立場からどのようにして正しい判定に持っていくか、意見を出し合いました。副審からの情報は無線で伝えてもらうのか、シグナルで伝えてもらうのかなど試合前の打ち合わせの重要性を再確認しました。今シーズンも終盤にさしかかり、今まで以上に厳しい試合が続きます。今回の研修を生かして目の前の1試合1試合を大切に、良い準備をして試合に臨みたいと思います。

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