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【JFAの知っトク!】この夏も安全に! 雷事故予防対策を施そう
2026年07月30日

暑さが厳しくなってきました。気象の変化が激しい夏を安全に過ごすためにも、サッカーの現場では雷の情報を事前に手に入れ、その脅威から選手たちを守りたいところ。株式会社フランクリン・ジャパンの気象予報士、今村益子さん(写真左)と日本サッカー協会競技運営部の貝塚大和さん(写真右)に、落雷事故予防対策について話を聞きました。
――雷の予防対策で大事なことを教えてください。
今村 まずは、予防対策のマニュアルを必ず用意することです。具体的には、あらかじめ避難の判断を下す人を明確にして、避難場所、そこまでの所要時間を調べておくこと。あとは雷が発生する可能性があるかどうかを事前にチェックするのも大事です。
貝塚 インターネットで気象庁提供情報による雷注意報の発表状況を見ることができますし、いまはスマートフォンに雷予報のアプリをインストールし、チェックすることもできます。JFAとしても周知しているんです。
――おすすめのアプリはありますか。
今村 全国雷観測ネットワークによる1分更新の高精度な雷情報と、独自のピンポイント天気予報により、常に最新の気象状況を確認できる「ポケットライトニングステーション」というアプリがあります。インストールすれば、リアルタイムの雷情報をチェックできます。
貝塚 引率する指導者、顧問の先生はもちろんですが、選手たち自身にも雷情報をチェックできるアプリのことを知ってもらいたいです。大人ひとりで対応できないこともありますから。
――目視で積乱雲を確認し、急に冷たい風が吹いたり、雷鳴がとどろいたりする前にチェックするのですね。アプリでは、いつ雷情報をチェックすればいいのでしょうか。
今村 試合及び練習当日に雨が降っていれば、リアルタイムにチェックしてほしいです。事前に雨予報が出ていれば、前日、2日前にも雷発生の予測ができるので、見た方がいいです。
貝塚 朝から晴れているときでも、夏は急な夕立、ゲリラ豪雨に見舞われることも珍しくありません。そうなれば、雷のリスクは高くなります。発生しやすい時間帯はあるのですか。
今村 比較的、お昼過ぎから夕方にかけての時間帯が多いです。ただ、昼前からも発生します。温かく湿った空気が上空へ上がり、巨大な雷雲(積乱雲)が発達しますので。山沿い、山間部は午前中でも雷雲が湧いてきます。
近年は雷雨によってJリーグの試合が一時中断に追い込まれるケースが増えている
――アプリなどで雷情報をチェックし、試合や練習を中止する判断を下すときに指導者の間で意見が分かれたときは、どのようなプロセスを踏むのが理想なのでしょうか。
貝塚 少しでもリスクを感じた場合、迷わずに延期や中止の判断をしてください。日程を組み直すのが難しいことを理解していますが、リスク回避を最優先してもらいたいです。もちろん、一時中断して時間帯をずらせば、雷雲が抜ける場合もあります。
今村 ケース・バイ・ケースですが、(雷雲は)30分~1時間程度で抜けていくことが多いです。アプリで確認し、20km圏内に新しい雷雲が発生していなければ、試合、練習ともに再開して大丈夫だと思います。
貝塚 いまお話に出たように、その判断を勘と経験だけに頼るのではなく、正確な情報を取得するためにインターネットやアプリを積極的に活用していただければと考えています。
――雷雨になったとき、皆さんにとって安全な避難場所を教えてください。
今村 主に鉄筋コンクリート製の建物の中、避雷設備の施された建物の中、本格的な木造建築物の中、そして自動車などの乗り物の中です。雷は横から入ってくることもあるので、屋根付きのベンチ、テントのような場所は適していません。また、木のそばは危険で、過去の事例を見ても、木の下は死亡率が高くなっています。
貝塚 河川敷などのサッカー場は近くに建物がないこともあります。その場合はどこに避難すればいいでしょうか。
今村 車の中が安全だと思います。移動手段でマイクロバスなどを使用している場合は、その中に避難するほうがいいでしょうね。

――ひと昔前とは、落雷事故防止の対策も変わってきていると聞きました。
今村 以前はその場で体勢を低くする「雷しゃがみ」が推奨されていましたが、研究の進んだ現在は違います。屋外にとどまっている方がリスクは高まります。ですので雷発生時は屋外に立ち止まらず、速やかに屋内に移動してください。
――最後に、最悪の事態を想定し、雷に打たれたときの対処法も教えてください。
今村 雷による事故の主な死因は心肺停止ですので、その状態になった場合、即座に心臓マッサージなどの蘇生を実施し、救急車を呼んでください。蘇生が1分遅れるごとに生存率が7%から10%下がると言われています。
貝塚 練習場や競技場にAEDが設置してある場合は、そちらも使用してもらいたいです。
※「雷の知識」をより詳しく学ぶため、こちらをご覧ください。
落雷事故予防対策について話してくれた今村さん(写真左)と貝塚さん
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