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JFA 全日本U-12サッカー選手権大会とリスペクト ~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.131~
2026年04月14日

はじめに
日本サッカー協会(JFA)が主催する「JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会」が2025年12月26日~29日に鹿児島県で開催されました。本大会では、以前からリスペクト・フェアプレーを大切にしています。また、U-12年代の選手たちにとって、大会自体がサッカーの試合だけでなく、すばらしい経験になるように取り組まれています。
大会期間中の取り組み
本大会は、2011年から8人制サッカーが採用されて以降、「こどもエリア」の設置、8人制サッカーや1人制審判の趣旨を記したハンドブックの作成と発信(現在は大会プログラムに抜粋を掲載)、趣旨の発信の意図を込めた各賞の設定、選手自身に伝えることを重視したリスペクトワークショップの開催(3交代制でチーム混合)、リスペクト宣言の実施、ミニペナントの交換など、さまざまな取り組みを重ねています。また、大会前に引率者を対象にしたオンラインミーティングを実施し、リスペクト・フェアプレーや暴力暴言の根絶について、JFA技術委員会から各チームに向けて発信しています。
2015年からは冬の開催となり、会場が鹿児島県に移ってからは、開会式後に選手全員が参加するリスペクトワークショップを実施しています。さまざまなリスペクトが表れている映像を見せつつ、日本サッカーで体現され、世界に一目置かれているリスペクト・フェアプレーの価値を共有しています。そして、選手たちにリスペクト・フェアプレーに関するさまざまな投げ掛けをし、それに対して挙手をして自分の意見を述べてもらう形で進行しています。選手たちは非常に積極的で、多くの手が挙がり、この年代の子どもたちが日々のサッカー活動の中からリスペクト・フェアプレーという言葉や価値観に触れ、自分たちなりに消化し、考えている様子がうかがえました。
また、本大会はユース審判員による1人制審判で実施していますが、例年、ユース審判員にはリスペクトワークショップのサポート、代表者による選手たちに向けたショートスピーチを行ってもらっています。今大会でもすばらしいスピーチをしてくれました。子どもたちに対し、審判員の存在を認識してもらう貴重な機会になっています。
リスペクトワークショップを経た上で、チーム全員でリスペクト宣言のボードを作成してもらっています。それを全てのチームの第1試合に持参し、審判員や両チームの選手、そして指導者にもコミットしてもらうという意味を込めて、両チームの監督・キャプテンと共に記念撮影を行っています。また大会期間中、リスペクト宣言のボードの写真を掲示し、保護者をはじめとする、応援のために来場した皆さんにも見てもらえるようにしています。

JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会のリスペクト宣言のボード
おわりに
今大会でも、U-12年代の選手たちのリスペクトあふれるフェアプレーが数多く見られました。一方で、数は減ったものの、試合に出場しなかった選手が100人以上いました。審判員への異議・威圧、指導者による高圧的な指導、保護者や観客の不適切な発言も数件確認されており、まだまだ改善が必要です。
過去から、そして今も、全国で育まれている日本サッカーの大切な価値であるリスペクト・フェアプレーを、選手たちと共に関わる全員で守り抜いていきたいと思います。
【報告者】今井純子(JFAリスペクト委員長)
※このコラムは、公益財団法人日本サッカー協会『テクニカルニュース』2026年1月号より転載しています。
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