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【ホットピ!~HotTopic~】東京2025デフリンピックを見に行こう!
2025年11月11日

耳が聞こえない・聞こえにくい人のオリンピック、「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025(略称:東京2025デフリンピック)」が11月15~26日に開催、サッカー競技(デフサッカー男女)は福島県のJヴィレッジで14~25日に行われる。
デフサッカーとは
デフサッカーは「通常」のサッカーとルールは同じだが、補聴器の装用は禁止されており、主審はホイッスルとともにフラッグを持ち、試合を止める際には主審、副審、両ゴール裏の審判員がフラッグを振り、視覚的に選手に知らせる。それでも気がつかず、球際の競り合いを続けることもある。ピッチ上の選手たちは声ではなく、目と目を合わせ、手話や身振り、アイコンタクトでコミュニケーションを図る。事前の約束事も重要だ。
聞こえ(聴力・聴覚)のレベルはさまざまで、全く聞こえない選手から、風向きによってはベンチやGKの指示が耳に入ってくるというデフリンピックの参加資格55dBぎりぎりの選手もいる。手話に関しては、両親がろう者で自然に手話を覚えたという選手もいる一方、ろう者との接点が全くなく、代表チームで初めて手話を覚え始めた選手もいる。
デフサッカー男子日本代表
男子代表が初めてデフリンピックに参加したのは1985年大会。当時デフサッカーが盛んだった北海道の選抜チームが出場した。その後、アジア予選が始まり、2005年大会へ予選を突破して出場。以後出場を重ね、2017年トルコ・サムスン大会ではグループリーグ第3戦で初のベスト8進出目前まで迫ったものの、アディショナルタイムにイタリアに逆転ゴールを決められ涙をのんだ。続くブラジル大会では、イランで開催されたアジア予選にコロナ禍のため参加できず、本大会に出場できなかった。
しかし、2023年マレーシアでのデフサッカーワールドカップでは、自身も聴覚障がい者である植松隼人監督の下、決勝では1-2と敗れたものの、準優勝の快挙を果たした。優秀GK賞は松元卓巳選手、大会MVPは決勝トーナメント4試合で6得点と多彩なゴールを決めた岡田拓也選手が受賞。準優勝チームからの選出は、岡田選手の目覚ましい活躍の証だった。

一昨年のワールドカップで準優勝という好成績を残した男子代表。今大会でも躍進が期待される
その岡田選手と双子の兄弟・岡田侑也選手、そして湯野琉世選手は中央のポジションで奮闘する、「チームの心臓」とも言うべき存在。単身ドイツに渡り、6部のチームで22ゴール10アシストを記録した林滉大選手、そして西大輔選手がチャンスをつくり出す。最後尾からは「熱い男」GK松元選手が雄叫びを上げ、長年の経験にも裏打ちされたキャプテンシーでチームを引っ張る。
近年はアスリート契約の選手も増え、質、量ともに充実したトレーニングを行える環境が徐々に整いつつある。個々の能力も上がってきており、現在は齋藤登監督の下、後方からボールをつないだ攻撃の組み立てに磨きをかけている。
大会には14カ国が参加し、4つのグループに分かれ、まずはベスト8進出を目指す。日本はイギリス、イタリア、メキシコとのグループA。ワールドカップ2位の日本は、もちろん決勝に進む力は十分あるが、グループリーグ敗退もありうるという、非常に拮抗した試合の連続になることが予想される。まずは開会式前日、14日(金)の初戦イギリス戦がとても重要な一戦となる。デフリンピック全体の盛り上がりのためにも、ぜひ幸先良い勝利を期待したい。勝ち進めば、前回のデフリンピックで金メダル、ワールドカップでは日本を破り、優勝したウクライナが待ち構える。

イギリス、イタリア、メキシコが同居するグループを勝ち抜き、まずは準々決勝進出を狙う
デフサッカー女子日本代表
女子サッカーがデフリンピックで初めて行われたのは2005年大会。デフサッカー女子日本代表は2005年3月に始動し、2009年台北大会に初参加したが、初戦のイギリスに1-6、第2戦ロシアに0-10の完敗を喫し、世界の壁の高さを思い知らされた。
その後は2013年大会に参加したものの、2017年トルコ大会には資金難で不参加。2022年開催のブラジル大会では3位決定戦への出場が決まっていたが、日本選手団に新型コロナウイルス感染者が一定人数出たために選手団全体が途中棄権。メダルへの挑戦権を失った。
一方、2010年にはフットサル代表も立ち上げられ、山本典城監督の長年の指導の下、2023年の世界大会で優勝。その山本監督が2024年11月よりサッカー代表監督も兼任することとなり「本気で世界一を目指す」ためフットサルに専念していた選手たちもサッカーに合流、一時は手薄だったサッカー代表の層が分厚くなった。

フットサルに専念していた選手も合流し、選手層が厚くなった女子代表。自国開催の大舞台で飛躍したい
フットサルの優勝メンバーでもある阿部菜摘選手はチームの屋台骨、強靭なフィジカルで攻守の要となる。豊富な運動量と繊細なテクニックを併せ持つ酒井藍莉選手はウイングバックでの出場となりそうだ。前キャプテンの宮田夏実選手はディフェンスラインから魂をチームに注入する。ゴールが期待されるのは高木桜花選手。1年前のアメリカ代表とのテストマッチでは同点ゴールを決め、アメリカチームを震撼させた。アメリカはデフリンピックで4度の金メダル、世界選手権で3回の優勝を誇り、チーム創設以来、一度も負けたことがないという絶対王者である。
大会には6カ国が参加予定だったが、ブラジル、ケニアが不参加となり、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアが総当たりの対戦、上位2チームが決勝へと進出する。初戦のアメリカ戦が重要なのはもちろんだが、2戦目のイギリス戦に勝ち切ることが必要となる。イギリスは女子日本代表がデフリンピックで対戦した初めての国であり、16年間の成長を見せつけるには格好の相手となる。

国内のトレーニングキャンプはもちろん、国外でも実戦経験を積み、チーム強化を図ってきた
サッカー男子 日程
11月14日(金) vs イギリス(12:00~)
11月16日(日) vs イタリア(16:30~)
11月18日(火) vs メキシコ(16:30~)
11月20日(木) 準々決勝
11月22日(土) 準決勝
11月25日(火) 決勝(17:30~)
サッカー女子 日程
11月15日(土) vs アメリカ(12:00~)
11月17日(月) vs イギリス(12:00~)
11月21日(金) vs オーストラリア(12:00~)
11月25日(火) 決勝(12:00~)
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