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神戸市立中・義務教育学校女子サッカー活動 ~神戸市サッカー協会の取り組み

2021年09月16日

神戸市立中・義務教育学校女子サッカー活動 ~神戸市サッカー協会の取り組み

神戸市サッカー協会では、中体連サッカー部に所属している女子選手を対象に神戸レディースフットボールセンターで定例の練習会を主催しています。ここで活動をご紹介させていただきます。

コメント

小林茂幸 氏(神戸市サッカー協会 専務理事)
近代開港5港のひとつである神戸は、いち早くサッカーが市民の間で親しまれ、女子サッカーも盛んに行われてきました。2020年度の登録(神戸市FA)では、女子1種14チーム298名、女子2種9チーム207名、女子3種1チーム142名、4種16チーム165名がサッカーのある生活を楽しんでいます。しかしながら4種年代でそれぞれの地域クラブで活動してきても、3種年代になると実質的に活動の場がありません。一方、中学校では生徒数の減少などもあり、特にチームスポーツの部活動の運営に支障が生じる事案があり、これを解消するために拠点校における合同部活動の取り組みが模索されていました。
神戸市教育委員会では、平成24年度(2012年度)に文部科学省から「運動部活動地域連携再構築事業」の委託を受け、生徒の多様な部活動のニーズに対応するための方策として「神戸市立中学校女子サッカー活動」を立ち上げ、一般社団法人兵庫県サッカー協会と連携し、平成28年度(2016年度)まで実践研究を行いました。5年間の受託事業の終了を迎えるに際して「女子中学生にとってより参加しやすい運動部活動づくりとして『神戸市立中 ・ 義務教育学校女子サッカー活動』を継続実施することはサッカーをしたい女子中学生のニーズに応えるもの」と評価し、委託事業終了後も市の単独事業として継続実施していくこととなりました。なお、令和元年度(2019年度)からの実施主体は一般社団法人神戸市サッカー協会となっています。
年間20回(2時間/回)、日曜日だけの活動で、2年続きのコロナ禍による緊急事態宣言のために活動休止となる日もありますが、仲間とボールを蹴る環境を提供しています。
この活動ができているのも、INAC神戸や日本女子代表の活躍に触発された神戸市が六甲アイランド内の土地を提供し、公益財団法人神戸市スポーツ協会と一般社団法人兵庫県サッカー協会が事業主体となり勧められ、いまや女子サッカーの聖地として、神戸の女性フットボーラーに親しまれている「神戸レディースフットボールセンター(平成24年11月開設)」という素晴らしい環境が整えられたおかげです。
規模の小さな活動ではありますが、この事業を継続実施する意義は高く、3種年代でサッカーがしたいという子どもたちの希望をかなえ、中断することなくサッカーに触れておくことは、2種年代以降の競技への復帰やママさんサッカー活動などサッカーが女性の生涯スポーツの選択肢のひとつとなり、彩り豊かな神戸ライフ ~スポーツが日常生活に溶け込んで、いきいきとした市民生活~ へとつながっていくと期待しています。引き続き女性がサッカーを楽しめる環境維持に努めてまいりたいと考えています。

桂豊 氏(神戸市サッカー協会 技術委員会インストラクター)
神戸市では毎年、年度始めに教育委員会から神戸市立中学校の校長先生にこの活動の案内をしてご理解をいただき、生徒の募集についてご協力をいただいています。活動開始当初こそ、参加している生徒達の学校ではこの活動を課外活動としてなかなか認められなかったようですが、年が経つにつれて学校関係の先生方もこの活動に理解を示してくださるようになり、現在に至っています。
「サッカーは、ゲームを楽しんでなんぼ」、「M(atch)-T(raining)-M(atch)」の流れがとても大切ですが、この流れをなかなか構築できずに時間が流れていました。月2回程度の活動で紅白戦をすることはできますが、人数の集まり具合によっては8vs8ではなくミニゲームしかできないことも多く、自然にトレーニング内容が限定され、大きなコートでの11vs11を意識したトレーニングが難しい状況にありました。
ここ数年、毎年3月に行われる神戸市トレセンフェスティバルで、女子中学生年代の代表として参加する場を神戸市サッカー協会技術委員会にご提供いただいています。普段大きなピッチでのゲームを経験しトレーニングを積んでいない生徒達は、なかなか思うようにプレーできません。やはりここでも、今回のフェスティバルのような試合経験を積む機会確保が重要課題でした。余談ですが、3年程前のフェスティバルでは、以前中学生女子のサッカー活動に参加していた生徒が高校生のトレセン代表として複数参加しており、ピッチから嬉しそうに手を振ってくれ、その光景は今でも鮮明に覚えていますし、とても心温まる瞬間でした。
今回、このようなフェスティバルの開催にあたり、半信半疑で子どもたちの参加希望を尋ねたところ、予想とは異なり、意外にも子どもたちの反応が良く大変驚いています。生徒達は、同年代の女子生徒同士でサッカーボールを追いかける貴重な機会に飢えているのだとあらためて感じました。ぜひ今後もこのようなフェスティバルの開催を願っていますし、このような貴重な機会を大切にして活動していきたいと思います。

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