2012年にプレミアリーグ昇格以来、コンスタントに上位争いをしているのがヴィッセル神戸U-18（兵庫）です。2013年にはWEST王者にも輝いたことのある強豪チームですが、下級生から主力に定着する選手が少ない今季は、「苦しい一年」だと野田知監督は言います。代名詞とも言えるテクニックと判断にこだわったポゼッションによる崩しにミスが多く、開幕前の練習試合でも持ち味を出せない試合が少なくありませんでした。

米子北高校（鳥取）との開幕戦も1-0で勝利を収めたものの、野田監督が「課題がたくさん出た試合」と口にしたようにミスが露呈。しかし、第2節のサンフレッチェ広島F.Cユース（広島）戦で変化の兆しが見られました。開始10分に先制点を奪われながらも、3点を奪って逆転勝ち。敵将の沢田謙太郎監督も「チームとしての完成度が高かった」と認めるほどの強さを見せました。「引き分けでもおかしくなかった開幕戦をギリギリで勝ち、『今年は強い』と言われている広島に勝てたことによって、選手の自信になっていると思う」。指揮官がそう評するように、開幕からの2試合で自信をつかんだチームは、続くアビスパ福岡U-18（福岡）戦も5発快勝。第4節の東福岡高校（福岡）は雷のため中止となりましたが、WESTで一番勢いのあるチームであることは確かです。

快進撃を支えるのは、攻撃陣の活躍です。野田監督が「前線の守備の意識が高いことが大きい。高い位置で奪って攻撃ができている」と言うように、アタッカー陣が前線からチームを牽引。本職の攻撃面でも、池田修志選手（FW #14）が2試合連続得点を奪うなど、一際目を惹く活躍を見せており、野田監督も「まだまだプレーの波はあるけど、相手にとって嫌なスピードを生かしながら、考えてプレーできるようになってきた」と成長を称えています。

また、FW陣だけではなく、中盤の佐藤昴選手（MF #7）の存在も見逃せません。自らの特徴を「常にボールに関わって、チームにリズムを出し、ゴール前では決定的なパスが出せる」と表すようにチャンスメイクに長けた選手ですが、「得点がないので得点にこだわってチームを勝利に導きたい」とゴールに対する意欲も十分。今節はキャプテンマークを託された彼のシュートにも注目です。

守備も佐藤選手が「センターバックを中心にラインコントロールができているので、シュートを打たれる前に防ぐことができる」と胸を張るように強度は十分で、3試合で許したのは1点のみ。攻守両面での活躍により、開幕3連勝を達成しましたが、まだまだ安定して実力を発揮できていないようで「次の試合でも良さを出せるかが分からない」と佐藤選手は口にします。攻守ともに見せる力は本物かどうか。第5節、セレッソ大阪U-18（大阪）との首位攻防戦は、真価が問われる一戦になります。

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監督・選手コメント

野田知 監督（ヴィッセル神戸U-18）
今季の失点はセットプレーからの1点のみ。後ろの選手の頑張りもありますが、前からの連動した守備ができているのが、今の結果に出ていると思います。攻撃面でも、この2試合は、少しずつヴィッセルらしさを見せることができています。セレッソはハードワークがすごくできるチームで、前からの守備も徹底しています。技術的に上手い選手も多いので、得意とする相手ではありません。そうした相手に対して、佐々木大樹（MF ＃13）と佐藤がどこまで中盤でボールを引き出し、良い展開を作れるかが試合の鍵になると見ています。

MF #7 佐藤昴 選手（ヴィッセル神戸U-18）
今節、対戦するセレッソは前線に個で打開できる選手がいるので気をつけたいです。自分たちのストロングポイントはポゼッションサッカー。選手間の距離が良く、常に主導権を握って試合を優位に進め、攻撃できるところに自信があります。ただ、まだチーム内で簡単なミスが多いのでミスを少なくしなければいけません。今後はポゼッションにさらに磨きをかけてプレミアリーグ優勝を目指します。

プレミアリーグWEST第5節

5月6日(土)
11:00　神戸弘陵学園高校 vs アビスパ福岡U-18（三木総合防災公園 陸上競技場）
11:00　サンフレッチェ広島F.Cユース vs ガンバ大阪ユース（吉田サッカー公園）
14:00　東福岡高校 vs 大津高校（東福岡高校）
15:00　セレッソ大阪U-18 vs ヴィッセル神戸U-18（セレッソ大阪舞洲グラウンド）

5月7日(日)
11:00　米子北高校 vs 阪南大学高校（どらドラパーク米子陸上競技場）

高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ

2017/4/8(土)～2017/12/10(日)
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