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第27回全国レディースサッカー大会 開幕目前スペシャルインタビューⅠ

2016年03月11日

第27回全国レディースサッカー大会 開幕目前スペシャルインタビューⅠ

第27回全国レディースサッカー大会が3月19日(土)に開幕します。今回は大会の開幕に先駆け、池田浩美さんのインタビューをお届けします。かつてなでしこジャパンのキャプテンとして奮闘し、代表引退後はアジュール兵庫の一員として活躍してきた池田さん。第25回全国レディースサッカー大会ではチームを優勝に導き、今大会では、出場する選手たちにエールを送ってくれました。

――アジュール兵庫に参加したきっかけは何ですか。

池田浩美さん(以下、池田) アジュールの知人が背中を押してくれたことです。32歳で現役を辞めてから、一人目の子どもを出産しました。そのころ、私は近所の「しあわせの村」という公園(神戸市内)に子どもを連れて遊んでいたんです。その公園にはグラウンドもあって、よくアジュールの選手たちが練習試合をしていました。本当は少しプレーしたい気持ちもありました。でも、現役時代、サッカーに全てを注いだ自分として、中途半端なことはしたくない。子どももいましたし、もう一度、ボールを蹴るのをためらっていました。そんなある日、アジュールの知人の一人に、「いつも見てばっか。とりあえず、やったらええのに」と言われて。そのひと言でアジュールに入りました(笑)。

――実際に参加してみて、いかがでしたか。

池田 チームに入る前は、中途半端なことをしてはいけないと背負っていた部分もあったのですが、実際は、みんながお互いを理解しようとする雰囲気があって、リラックスしてプレーできました。家庭の事情があって、週1回の練習に来られる人がいればそうでない人もいました。みんな、自分の家族や仕事があって、サッカーだけに打ち込める環境ではないのですが、その中で、無理なく取り組もうというスタンスで、とても居心地が良かった。サッカーとの、こういう向き合い方もあるんだと感じられて、うれしかったです。

――出産後、スポーツを続けるにあたって工夫した点は?

池田 サッカーの基本は走ることだと思うので、そこには時間を割いていました。週1回の練習に参加できなくても、20~30分ほどランニングは毎日、欠かさず続けていました。自分の頭の中で描くイメージに体が追い追い付くか。イメージは不変ですが、体は変わるものですので、ある程度の基礎体力を維持することは意識しました。

――もう一度ボールを蹴って良かったと思うことはありましたか。

池田 以前は切磋琢磨していたメンバーとプレーできるのがとてもうれしかったです。みんなで集まって練習したり、練習試合に行ったり、一つ一つのつながりを楽しんでいました。結婚や出産を経てからプレーできる環境があるのは理想ですし、そういう意味でも、全国レディース大会のような大会がもっと増えてほしいですね。

――第25回大会で優勝したときの思い出を教えてください。

池田 全国レディースサッカー大会には、基本的に30歳以上の選手が出場するかと思うのですが、私たちのチームには40代の選手が4、5人いました。その点、決勝の相手(小平サッカークラブ)は若い選手が多くて、「何これ?」と思ったことを覚えています(笑)。試合では苦戦を強いられたのですが、PK戦の末に勝つことができた。優勝を目指していましたが、実際に日本一になれると思っていなかったので、勝利の瞬間、涙が出てきました。現役を退いて普通に生活していたら、泣くことはないと思います。いまの生活の中で泣くといったら、悲しいときが普通かと思いますが、私たちはサッカーの大会で優勝して、うれし泣きをした。「まだこの感覚を味わえるんだ」と、うれしかったのと同時に、新たな発見にもなりました。

(後編につづく)

第27回全国レディースサッカー大会

2016年3月19日(土)〜3月21日(月・振休)
時之栖スポーツセンター 裾野グラウンド(静岡県裾野市)
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