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なでしこジャパン 岩渕選手と長谷川選手のゴールで勝利し、準決勝に駒を進める ~第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)

2018年08月26日

なでしこジャパン 岩渕選手と長谷川選手のゴールで勝利し、準決勝に駒を進める ~第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)

なでしこジャパンは8月25日(土)、アジア競技大会の準々決勝で朝鮮民主主義人民共和国女子代表と対戦しました。

これまでもアジアの大会では数多く対戦してきた両チーム。「ここ(準々決勝)であたることは予想外だった」と前日に高倉監督が話したように、優勝するためには避けて通れない相手と早々に対戦することとなりました。

厚めの雲が空を覆い、気温も31℃とこれまでに比べて暑さが弱い中、試合は16時に朝鮮民主主義人民共和国ボールでキックオフしました。

両チームとも立ち上がりからコンパクトな守備を保ちながら、攻撃に転じると攻め急がず中盤で丁寧につなぎ、長短パスを織り交ぜながら高い技術を発揮して組織立ったサッカーを展開します。

お互いにチャンスを作り、ピンチを招く一進一退の攻防が続きますが、日本は前線の選手に加えてボランチの隅田凜選手も攻撃に参加するなど、積極的なゲーム運びを見せます。中でもこの日ツートップに入った岩渕真奈選手と田中美南選手がそれぞれの特徴を発揮して攻撃をリードします。岩渕選手はピッチを縦横無尽に動いてボールを引き出し、田中選手は裏への飛び出しでゴールに迫る動きを繰り返し、チャンスを狙います。

すると40分、この2人がついに均衡を破ります。相手守備陣の裏に抜け出した清水梨紗選手のクロスが、相手に当たってコーナーキックとなります。中島依美選手のコーナーキックをファーサイドの田中選手が競り勝って中央に折り返すと飛び込んできた岩渕選手が左足でゴール、「前日にトレーニングしたとおり」(岩渕選手)の形で待望の先制点を奪います。

その後日本は前半残り時間をきっちり守って1-0で試合を折り返します。高倉監督が「サッカーが本来持つ美しさを見せたい」と語ったとおり、両チームともに技術、戦術、そしてハードワークを見せた前半となりました。

後半、日本は「前線に少し収まりが欲しかった」(高倉監督)と、田中選手に替えて菅澤優衣香選手を投入。選手たちは円陣を組み、気合を入れ直して臨みます。

すると早速48分に大きなチャンスを迎えます。ボールを受けた岩渕選手は前を向くと一気に加速、中央をドリブルで突破にかかります。これにつられた相手をよく見て菅澤選手にラストパス、ゴール前フリーでシュートを放つもゴールの右にわずかに外れてこのチャンスを活かせません。

流れを掴み損ねた日本とは対象的に、朝鮮民主主義人民共和国の攻撃は次第にパワーを増していきます。しかし、GK山下杏也加選手を中心とした日本の守備陣が体を張って得点を許しません。

すると62分、嫌な流れを断ち切る得点が日本に生まれます。ディフェンスラインから丁寧にパスを繋ぐと、菅澤選手のポストプレーからリターンパスを受けた長谷川選手が絶妙なコントロールからシュート。弧を描いて相手GKの頭上を抜けたボールがゴールネットを揺らし、貴重な追加点を奪います。

日本はこれで完全に勢いに乗ったかに思われましたが71分、相手FW選手にペナルティエリア内侵入を許すと、ファウルで止めてPKを与えてしまいます。これを決められて1点差に詰め寄られると、逆に勢いづいた朝鮮民主主義人民共和国はフィジカルを前面に猛攻を仕掛けますが、日本も慌てず、中盤を丁寧に作りながらペースを譲りません。

長谷川選手に替えて籾木結花選手、岩渕選手に替えて増矢理花選手を投入し、受けに回ることなく残り時間を戦い抜いて試合は終了。日本は2-1で朝鮮民主主義人民共和国を退け、準決勝に駒を進めました。

試合詳細はこちら

準決勝の相手は、グループAを3戦全勝で勝ち上がり、準々決勝で香港に5-0で勝利した韓国。試合は8月28日(火)の日本時間18時キックオフ予定です。

監督・選手コメント

高倉麻子 監督
(対戦相手が)朝鮮民主主義人民共和国女子代表ということで、非常に力のあるチームですので、難しくなると全員が認識した上で試合に入りました。前半は外から見ていて、自分たちのミスでテンポをつかめず、ストレスの溜まる試合展開でしたが、先制点を取れたのが大きかったです。後半テンポを上げていこうということで、疲労も溜まって消耗も激しい中で、内容的にはもっとできたとは思いますが、足を止めずに最後まで走った選手には、ひとつ大きな山を越えられてよかったねと伝えました。

DF #3 鮫島彩 選手(INAC神戸レオネッサ)
朝鮮民主主義人民共和国には、昨年のE-1選手権で完敗していたので勝てて嬉しいですし、これまで何度も対戦してきていますので、想像していた通りに上手くて速いチームでしたが、その中で結果を出せたことは良かったです。E-1選手権から修正できたことが大きかったかなと思っていて、昨年は間延びしてしまっていた守備をコンパクトに修正できました。韓国は、個人的には体の強さとスピードがアジアの中でも一番強い印象があり、やりにくさはあります。前への推進力がかなりあるので、その勢いをいなしていけるかが大事になってくると思います。朝鮮民主主義人民共和国にしっかり勝ててメダルに一歩近づけたと思うので、残りの試合も勝って必ず金メダルを獲りたいと思います。

MF #14 長谷川唯 選手(日テレ・ベレーザ)
(自分のゴールは)ワンツーに入る前からイメージはできていました。浮き玉が戻ってくるという想像もあったのでスムーズにシュートを打てました。試合前のシュート練習では左足の調子良く、「(ゴールも)あるかな」と思っていましたが、結果的には右足でしたけどゴールできてよかったです。(菅澤)優衣香さんが入ったことでボールも収まりましたし、ゴールにつながったと思います。韓国もパワフルで上手さもありますが、自分たちが主導権を握ってサッカーできるように、まずはこの2日間でコンディションを戻したいです。U-20女子代表がワールドカップで優勝しましたけど、ああいった見ている人が心を動かされるような試合をしたいです。

FW #8 岩渕真奈 選手(INAC神戸レオネッサ)
前日のトレーニングどおりのコーナーキックで、(中島)依美がいいボールを蹴ってくれて、(田中)美南が競り勝ってくれて、自分は「いただきました」という感じです。2点目も個人の技術もありましたが、多くの選手が関わっていい流れの中で生まれたゴールだと思います。韓国は迫力もあって、テクニックのある選手もいて、イ・ミナ選手やチ・ソヨン選手のように一緒にプレーしている選手もいます。味方だったら助かる、逆に相手にいたら本当に嫌だなという選手が揃っていますので、中2日と短いですが、いい準備をして、全員で臨みたいと思います。

スケジュール

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
8月16日(木) 2-0 vs.タイ女子代表(BUMI SRIWIJAYA)
8月17日(金) AM/PM トレーニング
8月18日(土) - オフ
8月19日(日) AM トレーニング
8月20日(月) PM トレーニング
8月21日(火) 7-0 vs.ベトナム女子代表(GELORA SRIWIJAYA)
8月22日(水) AM/PM トレーニング
8月23日(木) AM/PM トレーニング
8月24日(金) AM/PM トレーニング
8月25日(土) 2-1 準々決勝 
vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表(GELORA SRIWIJAYA)
8月26日(日) TBC トレーニング
8月27日(月) TBC トレーニング
8月28日(火) 16:00
(18:00)
準決勝 
vs 韓国女子代表(GELORA SRIWIJAYA)
8月29日(水) TBC トレーニング
8月30日(木) TBC トレーニング
8月31日(金) 16:00/19:30 3位決定戦 / 決勝(GELORA SRIWIJAYA)

※時間はすべて現地時間。( )内は日本時間。
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。

第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)

大会期間:2018/8/18(土)~2018/9/2(日)

【女子】準決勝
8月28日(火) 18:00 [日本時間] vs 韓国女子代表
NHK BS1で生中継

大会情報はこちら

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