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第61回サッカードクターセミナーを大阪で開催

2017年10月10日

第61回サッカードクターセミナーを大阪で開催

全国の医師・歯科医師を対象としたサッカードクターセミナーが9月30日(土)と10月1日(日)の2日間、大阪市内で開催されました。

今回のセミナーでは、1日目は「スポーツによる手指・手関節損傷の診断と治療」を日高典昭先生に、「歯科・口腔外科領域のスポーツ障害」を大石建三先生に講演をしていただきました。特別講演として、シュライカー大阪の木暮賢一郎監督には、「シュライカー大阪が優勝するまで(3年計画)」をテーマに、この3年間で感じたことや想いを講演していただき、約100名の医師・歯科医師の方々が熱心に耳を傾けていました。

2日目は古家信介先生による、「小児救急とCPR」についての講演をしていただき、“あっぱくん”を受講者に体験してもらいました。また、岡村武彦先生による「ソーシャルフットボール(精神障がい者フットボール)の今とこれから」、木下裕光先生による「ブラインドサッカー」について、中田研先生には「サッカーの外傷障害予防とパフォーマンス向上:2020に向けたloT,CPSの取り組み」について講演していていただきました。

講演終了後には、J-GREEN堺に移動し、秋晴れの中で実技を行い、2日間のセミナーを終了しました。

講師コメント

木下裕光 教授(国立大学法人筑波技術大学)
この度は、大阪で開催されました第61回サッカードクターセミナーにおいて、講演の機会を頂きまして有り難うございました。また、1995年に京都で開催されました第17回の本セミナーに参加して以来、サッカー日本代表の様々なカテゴリーへの帯同や研修会を通じて、スポーツドクターとして貴重な経験や研鑽の機会を頂き、日本サッカー協会には大変感謝しています。

2008年にブラジルで開催されましたFIFAフットサル・ワールドカップにフットサル日本代表のチームドクターとして帯同した後、日本サッカー協会の活動を離れて、視覚障がい者サッカーの医事に携わるようになりました。視覚障がい者サッカーは、2001年に日本に紹介され、日本ブラインドサッカー協会(以下、JBFA)が統括して、競技が行われるようになりましたが、メディカルサポートが行われていませんでした。これまでの経験を生かして、国内の競技会での医事運営や日本代表のチームドクターとして活動を行うようになり、2013年にJBFA医事部会を立ち上げました。

2016年に日本サッカー協会の関連団体として、知的障がい者、聴覚障がい者、脳性麻痺、視覚障がい者、アンプティ、電動車椅子、精神障がい者の7つのサッカー競技団体を統括する日本障がい者サッカー連盟が発足しました。今回の講演は、視覚障がい者サッカーの1カテゴリーである「ブラインドサッカー」というタイトルで、ブラインドサッカーの競技やJBFA医事部会の取り組みについて紹介致しました。健常者サッカーに関しては、日本サッカー協会医学委員会を中心として、充実したメディカルサポート体制があります。しかしながら、障がい者サッカーにおいては、マンパワー不足などにより、十分なサポート体制ができていませんので、サッカードクターの皆さまに、ご興味を持って頂ければ幸いです。また、他の講演で精神障がい者サッカーも取り上げられ、今回のセミナーは、サッカーの多様性について理解を深めることができる大変有意義なプログラムであると思いました。

今回、セミナーに参加して、これまでお世話になりました日本サッカー協会・大阪府サッカー協会の皆さま、サッカードクターの先生方、シュライカー大阪の木暮監督と久しぶりに再会して、楽しい時間を過ごし、様々な刺激を受けることができました。最後になりましたが、セミナーに参加された皆さまの益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

受講者コメント

飯嶋優子 先生(いいじま内科クリニック)
2004年ごろからセミナーに参加させて頂いています。少しずつ女性医師が増えている気が致します。講義は整形外科はもちろんのこと、小児科から内科、脳神経外科、眼科、泌尿器科など様々な科にわたり、毎回とても楽しく勉強しています。

今回は、途中からの参加でした。各ワールドカップ帯同報告は貴重な体験談なので興味深く聴きました。帯同された先生方、お疲れ様でした。

1日目の最後はいつもサッカー関係スペシャルゲストによるセミナーならではの講演です。今回は監督として活躍中の木暮賢一郎氏の講演でした。選手時代のお話や、フットサルを盛り上げるために奮闘している現状をお話されました。シュライカー大阪を優勝に導き、それはとても大変なことだったはずですが、スマートにスピーチされたのが印象的でとても良かったです。前向きに戦い続けていた熱い気持ちを感じました。

そして、2日目のソーシャルフットボールとブラインドサッカーの講義は、障がいスポーツの現状とスポーツをする大切さを学びました。

その他CPR(心肺蘇生法)について実技を交えた講義では、突然起こるCPA(心肺機能停止)の対応の重要性を感じました。中田研先生からは、障がい予防やハイパフォーマンスへつなげる研究成果の発表がされ、新鮮な情報を学ぶことができ勉強になりました。2日間を通して企画、運営に携わる方々、協力頂いた方々に御礼申し上げます。

参加者コメント

福島理文 先生(順天堂大学 循環器内科)
サッカードクターセミナーはスポーツドクターとして勉強になるばかりでなく、多くのサッカーを愛する方々と時間を共有することが出来る貴重な機会であり、毎回とても楽しみしております。

講義では、このセミナーならではのスポーツ医学に関わる貴重な話を聞けてとても勉強になりました。

また、帯同報告ではサッカー、ビーチサッカー、フットサルとそれぞれの現場の話や、メディカルサポートの取り組みや実際に起こった事案を聞けて、今後帯同する機会があれば、生かしていきたいと思いました。

特別公演でシェライカー大阪の木暮賢一郎監督の話を聞きました。監督就任してから、まず「歴史を変えよう」と選手に声をかけて、3年計画でリーグ優勝する目標を立てて、その目標を見事に達成された話は非常に熱い情熱、思いが感じられ、プロフェッショナルとしての重みを感じ、本当に貴重な話を聞かせて頂きました。

そして、懇親会はいつもサッカーを愛する方々と楽しく交流出来る素晴らしい時間であり、そのために全国から集まってきているといっても過言ではないと思うくらいです。

実技はJ-GREEN堺で、サッカー日和のなか楽しくサッカーをやりながら更に交流を深めることが出来ました。

このような歴史あるサッカードクターセミナーをいつも開催してくださる関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。

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