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メディカルインフォメーション

サッカーにおける脳振盪に対する指針 [ メディカル関係者向け情報 ]

サッカーにおける脳振盪は、決して珍しいスポーツ外傷ではありません。選手が脳振盪になったときに、意識が戻ったら試合に復帰させていませんか?今、脳振盪に対して慎重な対応が世界中で求められています。それは、脳振盪を複数回生じると記名力障害や集中力の低下など、社会生活にも支障をきたすような慢性期症状が生じる可能性があるからです。有望なサッカー選手が、このような脳振盪の後遺症を生じて、サッカー選手として、また、将来社会人としての輝かしい道を閉ざさないために、しっかりした対応が必要です。
2012年3月1日に、日本サッカー協会スポーツ医学委員会(当時)が「Jリーグにおける脳振盪に対する指針」を作成いたしましたが、Jリーグだけでなくサッカー界のあらゆる方に知っていただくために、2014年11月17日、「サッカーにおける脳振盪に対する指針」として再作成いたしました。これはJリーグだけでなく、日本でサッカーを行っているすべての人に、指針として使用していただけると幸いであります。ぜひ一度、お読みください。

※2016年2月18日、JFA理事会にて、「競技中、選手に脳振盪の疑いが生じた場合の対応」が決定されましたので、サッカー日本代表およびJリーグ(トップチーム)の試合につきまして、「1.ピッチ上での対応」は別途取り扱うことといたします。

「競技中、選手に脳振盪の疑いが生じた場合の対応」
〈サッカー日本代表およびJリーグ(トップチーム)の試合を対象とする〉

1.ピッチ上での対応

ピッチ上で頭部外傷を被った可能性がある選手に対する対応は、以下の通りの順序で行うのが望ましい。

●呼吸、循環動態のチェックをする。
●意識状態の簡単な確認後、担架などでタッチラインへ移動させる。この際には、頸部の安静には十分に注意する。
●簡易的な脳振盪診断ツール(付図1)を用いて、脳振盪か否かの判断をする。これは、チームドクターによる診断が望ましいが、不在の場合にはATなどが代行する。
●診断ツールで脳振盪が疑われれば、試合・練習から退くべきである。短時間のうちに回復したとしても、試合復帰は避けるべきである。

サッカーにおける脳振盪に対する指針_付図1

2.24時間以内の対応

脳振盪が疑われた場合、短時間で症状が回復した場合も含めて、以下のような手順で選手を扱うのが望ましい。

●タッチライン沿い、ベンチあるいは控室などで休息をとる。この間はチームドクターあるいはATなどが頻回に選手の状態をチェックする。可能であれば、SCAT2(付図2)を用いて、脳振盪の状況を客観的に評価する。
●受傷時に数秒単位以上の意識消失や健忘があった場合には、たとえ意識が正常に復したと思われても病院へ搬送をする事が望ましい。
●頭痛、吐き気、嘔吐などが新たに出現してきたり、一向に改善しない、あるいは悪化するようであれば、専門施設へ搬送する。これは脳振盪に併発し得る外傷性頭蓋内出血の可能性を考慮してのことである。
●経過が良好のときは帰宅を許可するが、24時間以内は単独での生活は避け、のちに頭痛、吐き気などが生じた場合には即座に病院を受診するように指導する。

サッカーにおける脳振盪に対する指針_付図2

3.復帰へのプログラム

脳振盪と診断あるいは疑われた場合には、すぐに練習に復帰せず、表1のごとくの段階的プログラムを組んで復帰をする。

●まず、十分な休息により症状がないことの確認の後に第2ステージに移行し、徐々にステージをあげ、ステージ6を試合復帰とする。各ステージには最低1日を費やすこととする。
●各ステージにおいて、脳振盪関連の症状が出現した場合には、24時間の休息をとり(ステージ1)、症状が生じていなかったステージから再開する。
●判断に迷う場合には、復帰へのプログラムの早い時期に専門医を受診することが望ましい。

追記
本指針は、スポーツ関連脳震盪の管理に携わる者を対象として、現段階において、もっとも適切と思われる知見に基づいてガイド的な役割を示したものであり、実際には個々の管理は各々の事例や環境に即して行うべきである。

表1 脳振盪からの段階的復帰
ステージ1 活動なし 体と認知機能の完全な休息。
ステージ2 軽い有酸素運動 最大心拍数70%以下の強度での歩行、水泳、室内サイクリングなど抵抗のないトレーニング
ステージ3 スポーツに関連した運動 ランニングなどのトレーニング。頭部への衝撃となる活動は控える。
ステージ4 接触プレーのない運動 パス練習などのより複雑な訓練で運動強度を強めていく。
ステージ5 接触プレーを含む練習 医学的チェックで問題がなければ通常練習を行う。
ステージ6 競技復帰 通常の競技参加。
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