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選手・指導者向け情報

食物アレルギーに関する指針について

6月6日開催の日本サッカー協会 2013年度第3回理事会において、食物アレルギーに関する指針 が承認されました。

食物アレルギーの中の「アナフィラキシーショック」は、発症すると死に至る可能性もあるものです。 そこで、本人はもちろん、チーム内の指導者等周囲の方々も、食物アレルギーに関する正しい 理解をお持ちになり、適切な予防策・対応策を認識しておいていただくことが必要となります。 そこで、本ガイドラインを参考にしていただき、日頃から緊急の事態に備えて、チーム内でも話し合 いをしておいてください。

1)食物アレルギーとは

「アレルギーの原因となる特定の食材」を、特定の選手が摂取または皮膚・目・口などの粘膜に付着して生じるアレルギー反応である。食物アレルギーの中で最も重篤で生命の危険を伴うことがある「アナフィラキシー」は、即時型(通常2時間以内)アレルギー反応のひとつで、皮膚・呼吸器・消化器など多臓器に症状が現れ、時に血圧低下などのショックを引き起こす。アレルゲンとの接触直後に起きる場合と、アレルゲンとの接触後に運動負荷が加わり起きる場合(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)がある。原因となる特定の食材として、卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生の7食品は、厚生労働省令により表示が義務づけられている。

2)食物アレルギーの対応
  1. ①食物アレルギーの有無について、選手から事前に情報を文書で収集する。(※1
  2. ②選手が未成年者であれば、病院(主治医)、保護者、学校と綿密な連携を図る。
  3. ③指導者は、食物アレルギーを持つ選手に対しては、指導者用チェックリスト(※2)等を利用し、事前に情報の収集および対応の確認を行う。
  4. ④食物アレルギーと思われる症状が発症したら「アナフィラキシー発症時の対応フロー」(こちら)に従い、適切に対応する。
3)遠征時(外食をともなう場合)には、以下の対応を行うことが望ましい。
  1. ①指導者用チェックリスト(※2)に基づき、治療薬の準備、症状出現時の医療機関を含む事前の確認を行う。
  2. ②現地で原因となる食物の除去が明確でない際は、原則として本人(未成年者の場合は保護者)が代替食の準備を行う。
  3. ③宿泊をともなう遠征については、未成年者の場合、保護者へ付き添いを依頼する。(付き添い不可の場合、同意書を取得。)

本指針は、サッカーにおける食物アレルギーに携わる者を対象として、現段階において、最も適切と思われる知見に基づいてガイド的な役割を示したものであり、実際には個々の管理は各々の事例や環境に即して行うことが望ましい。

アナフィラキシー発症時の対応フロー
エピペンとは

エピペンとは、アナフィラキシーを発症した人に対する緊急注射用キットのことをいう。
成分はアドレナリンで、気管支を広げ、心臓の機能を増強して血圧を上昇させてショック症状を改善する作用がある。
アナフィラキシーの出現リスクの高い患者は、医師によりエピペンを処方され、保有することができる。
使用時は、エピペンのオレンジ色(一部黒色がある)の先端を太ももの前外側に強く押し付けるだけで、薬液が筋肉内に注射される簡易な仕組みになっている。


エピペン注射液
 小児用0.15mg(緑色)
 大人用 0.3mg(黄色)

エピペンの携帯用ケースと本体

使用時は、
① 携帯用ケースから取り出し、
② 本体を握りしめ、
③ オレンジ色(または黒色)の先端を、太ももの外側に強く押し付ける

エピペンの詳細や使用方法は、以下のURLをご参照ください。
http://www.epipen.jp/user/hwto/use.html

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