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アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第30回 鈴木大地GKコーチ in ブルネイ・ダルサラーム

2017年11月09日

アジアのピッチから~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第30回 鈴木大地GKコーチ in ブルネイ・ダルサラーム

アジアの各国で活躍する指導者達の声を伝える「アジアのピッチから」。第30回は、U-18ブルネイ・ダルサラーム(ブルネイ)代表のGKコーチとして短期指導を行った鈴木大地氏のレポートです。本派遣は国際交流基金アジアセンターとJFAの共催事業として実施されました。

AFC U-19選手権予選に向けて

U-18ブルネイ・ダルサラーム代表の藤原孝雄監督の要請を受け、約10日間に渡り3名のゴールキーパーを中心に指導しました。代表チームのトレーニングは公式戦や練習試合も含めて火曜から日曜まで行われており、そのうち数日間はU-14の選手もトレーニングに加わりました。別カテゴリー所属のGKコーチも参加してくれたおかげで毎回内容の濃い練習が出来ました。

藤原監督からの要望は、クロスボール及びDFライン背後に来るボール処理の改善でした。トレーニングでは、とにかくGKが相手の状況を観察・認識し、自らが意思決定をしてプレーすることを促し、さらにプレーの優先順位を持つことを強調しました。ベストなプレーでなく、状況に応じてベターなプレーを選択しようという意味です。藤原監督とはGKに限らず、GKを含めたチーム全体の課題や改善策をディスカッションし、チーム内における監督とGKコーチの役割分担を明確しました。

短期間でも選手たちには改善が見られました。それは私の指導が素晴らしかったというわけではなく、これまでの練習では選手が自ら状況を把握し、判断をする環境が少なかっただけだと感じました。選手や指導者はとても熱心で意欲的ですが、サッカーにおいて状況を把握し、判断する習慣や環境は日常のトレーニングでは非常に重要な要素です。

また、滞在期間中には、ブルネイサッカー協会のアレンジにより、地域のGKに加えて各アンダーカテゴリー代表のGKを集めたGK練習会も行いました。年齢層はU-10〜U-18と幅広く、約20人の選手が参加しました。各カテゴリーのGKコーチと地域クラブのGKコーチも指導に加わり、選手たちにとっては非常に充実した練習会となりました。

ブルネイにおけるサッカー

サッカーの競技レベル自体は、未だ発展途上です。指導者養成やグラスルーツレベルでサッカーがもっと普及すれば、今後大きく発展できる可能性があります。体格が大きい選手は多くありませんが、スピードやしなやかさは立派な武器になります。ただ、それらの長所を生かすためには正しい状況把握や状況判断が欠かせません。そこをきちんとトレーニングできるよう、指導者のレベルアップは不可欠です。一方、国土も小さく人口も少ない分、指導者や選手の一体感や統一感を出すことは大国よりも容易にできるのではと思います。

ブルネイ、そして海外で奮闘する指導者達

ブルネイは、交通量や人の流れも少なく、とても落ち着いて過ごせる国でした。東南アジア料理や中華料理中心の食事も美味しく、英語も通じるため、全くストレスなく過ごすことが出来ました。

コーチ達もみんな友好的かつ協力的で私にとっては最高の指導環境でした。これは、JFAから派遣されている藤原監督がこの地で日本人指導者の価値を高めた功績によるものだと思います。以前私がチャイニーズタイペイ女子代表のGKコーチを努めていた数年間、広大なアジア各地を遠征する機会がありました。ブルネイ訪問は今回が初めてしたが、ここでも日本人指導者が周囲の信頼を勝ち得て奮闘しています。みなさんがアジア各国を訪ねる機会があれば、ぜひ彼らの健闘を称え、激励していただければ幸いです。

 

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