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【Match Report】なでしこジャパン DPR Korea 第2戦を2-1で制し、パリオリンピック出場を決める

2024年02月29日

【Match Report】なでしこジャパン DPR Korea 第2戦を2-1で制し、パリオリンピック出場を決める

なでしこジャパン(日本女子代表)は2月28日(水)、東京都の国立競技場で、FIFAランキング9位の朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)女子代表とのパリオリンピック2024 女子サッカー アジア最終予選 第2戦を行い、2-1で日本が勝利しました。

日本は0-0で引き分けた第1戦から2名の先発選手を入れ替え、北川ひかる選手と上野真実選手がスタートリストへ。GKに山下杏也加選手が入り、3-4-3の布陣でDFラインは南萌華選手、熊谷紗希選手、高橋はな選手、左ウイングに北川選手、右ウイングに清水梨紗選手が入ります。ボランチは長野風花選手と長谷川唯選手が組み、前線には左から上野選手、田中美南選手、藤野あおば選手が並びました。

9.1度の寒さを感じるコンディションですが、パリオリンピック出場チームが決まる一戦に20,777人の観客が集まって両チームに声援を送りました。

試合は緊張感のある立ち上がりでしたが、まずは日本が主導権を握り、10分に上野選手のパスから田中美南選手がシュート。これは相手DFのブロックに阻まれました。DPR Koreaも速攻から日本ゴールに近づきますが、運動量豊富な清水選手、藤野選手がプレスバックで相手の自由を奪います。待望の先制点は26分、田中美南選手が倒されて得たFKを北川選手が蹴り、こぼれ球を上野選手が折り返して中央の田中美南選手がヘディングシュート。相手GKのセーブでクロスバーに当たりましたが、これを高橋選手が押し込んで先制しました。第2戦でついに決まった得点に観客席は大いに沸き、日本がパリオリンピックに一歩近づきます。しかし前半終了間際には日本がピンチを迎え、DPR Koreaのチェ・クムオク選手の巧みなシュートがゴール隅に決まりそうになりましたが、GK山下選手が飛びついて右手一本でかき出すスーパーセーブ。1-0の日本リードで後半に入りました。

後半はセカンドボールを多く拾ったDPR Koreaが攻め込みましたが、北川選手の素早い帰陣や熊谷選手の力強いクリアで防戦一方とはなりません。日本は清家貴子選手を左サイドに投入し、DPR Koreaは最前線の選手を含む3名を入れ替え、ともに攻撃の形を探ります。清家選手は65分、71分にシュートを放って追加点を目指しますが、DPR Korea守備陣も懸命な守りを見せました。追加点が決まったのは77分、右サイドで清水選手が相手選手をかわしてクロスを上げると、ニアサイドで藤野選手が強烈なヘディングシュート。これがゴール右に決まって、日本ベンチへと駆け寄った藤野選手はチームメイトとゴールを喜びました。しかしここから猛攻に出たDPR Koreaは、81分に一瞬の隙を突いてキム・ヒェヨン選手がゴールを決めて2-1とします。日本はやや守勢になりましたが、後半アディショナルタイムの5分間もリスクを回避しながら進めてタイムアップ。

第2戦を2-1で制した日本が、最終予選を1勝1分で終えてパリオリンピック出場を決めました。試合後、「被災地に力を」と書かれた横断幕を掲げて会場を一周したなでしこジャパンは、両チームのゴール裏からも温かい拍手を受け、2大会連続6回目のオリンピック出場を喜びました。

監督・選手コメント

池田太 監督
勝利してパリオリンピック出場権を獲得できたことを嬉しく思いますし、タフな試合を戦った選手たちに敬意を表したいです。そして何よりも、国立競技場に2万人を超すお客さんが来てくれて、選手の背中を押してくれたことに感謝しますし、また、テレビの前で応援してくださった方々にも、今回の勝利で少しでも感動を届けられたらと思っています。出場権を得て、さらに上を目指すために戦ってまいりますので、引き続き女子サッカーを盛り上げていけたらと思います。第1戦と第2戦でシステムを変えるストーリーは頭の中にあり、実戦での反省を生かして前線の距離感、幅を使った攻撃、いろんな部分を総合して採用しました。少ない出場チームによるオリンピックは、どこが対戦相手でも強豪です。なでしこジャパンは世界一を目指し、これからも成長と強化を進めていきたいと思います。

FP #4 熊谷紗希 選手(ASローマ/イタリア)
サウジアラビアに行って戻ってきて試合をするという予選の難しさはすごく感じていて、今日も簡単な試合じゃないことはみんなが分かっていました。難しい試合でしたが勝って(オリンピック出場を)決められたので、本当によかったと思います。リオオリンピック予選の敗退は、もう繰り返しちゃいけないという思いがすごく強く、女子サッカーの未来のためにも絶対に勝たなきゃいけないのは感じていましたし、それを選手みんなにも伝えました。だからこそ、本当に勝ってよかったです。オリンピックは短期決戦で、本当のチームの力が必要になっていくのかなと思います。レベルアップは絶対に必要だと思いますし、まだまだ世界で勝つには足りないとは思いますが、ひとまず世界で戦うチャンスを得られてよかったです。

FP #5 高橋はな 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
まだまだこのチームでプレーを続けられるので嬉しいです。ゴールシーンは、とにかく何が何でも押し込むぞと思いながら押し込みました。いいところにボールがこぼれてきた形ですが、セットプレーをチームとしてずっと練習してきて、女子ワールドカップでもデザインしてやってきたので、そこから得点が取れたのはよかったです。この試合はもう勝つしかなくて、この1試合がどういう意味を持つのかを全員が理解して試合に入りました。相手がどんな戦いをするか、いろんな想定をしながら、こちらもシステムを変えたことで、相手のウィークポイントを突けたと思います。今回の3バックはうまくいく場面がすごく多く、狙い通りの攻撃シーンも作れました。3バックの連係とヤマさん(山下)の声かけでしっかり対応できたと思います。

FP #10 長野風花 選手(リバプールFC/イングランド)
出場権を獲得できて最高です。第1戦目はああいう試合になってしまったので、とにかく今日はホームで勝つしかないという気持ちしかありませんでした。一人ひとりが自信を持ってプレーできたことが、今日の結果につながったと思います。第1戦になかった縦パスでFWにボールが入るようになり、そこからの関わりも少しずつ増えてきたので、そこは修正ポイントとしてよかったところでした。でもまだまだプレーの精度は(本大会に向けて)もっと上げていかないといけないと思います。私自身は正直、今日がすごく楽しみで負ける気があまりしなかったです。昨日の練習も、みんなでやるぞという気持ちが出ていたので、私もこれならいけると思っていました。一丸となって試合に臨むことができました。

FP #15 藤野あおば 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
(ゴールシーンは)クロスに入って行きたいと思いながら走りました。クロスの軌道は(清家)貴子さんを狙ったものだと思いましたが、自分が決めたかったので飛び込んで、相手GKが移動しているところも見えていたので、あとは決めるだけでした。(2試合を終えて)やりきったなと思いますし、かなり疲れもありました。パリへの出場権が決まってよかったというのが率直な気持ちです。勝たせるゴールを決められたのはすごく嬉しいですし、ヘディングゴールも自分は今までで決めたことなかったので、すごく嬉しかったです。ここからパリオリンピックに向けて皆さんに期待してもらえたら嬉しいですが、一歩ずつ成長していかないと金メダルはまだまだ遠いと思うので、そこは今日出た課題も含めて自分にフォーカスしてやっていきたいです。

パリオリンピック2024 女子サッカー アジア最終予選

2024年2月28日(水) 18:30 キックオフ vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表
会場:東京/国立競技場
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