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神戸、Jリーグ首位の横浜FMを倒して2年ぶりACL8強進出

2022年08月19日

神戸、Jリーグ首位の横浜FMを倒して2年ぶりACL8強進出

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022東地区ノックアウトステージが8月18日(木)に始まり、埼玉スタジアム2002でJリーグでは下位に苦戦するヴィッセル神戸がJリーグ首位の横浜F・マリノスと対戦。FW飯野七聖選手、FW佐々木大樹選手、FW小田裕太郎選手の得点で3-2の勝利を収め、2年ぶりの準々決勝進出を決めました。神戸のMF山口蛍選手がこの試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

両チームの2020年大会以来となるノックアウトステージの舞台で、Jリーグ首位を走る横浜FMと16位で降格圏脱出を図る神戸という対照的な2チームの顔合わせでしたが、試合前日の公式会見で神戸MF大崎玲央選手が「リーグ戦の順位は全く関係ない」と話していたように、試合は全く異なる展開となりました。

立ち上がりから積極的なプレスでボールを奪い、素早い攻撃を試みていた神戸は前半7分、ハーフウェイライン付近で相手ボールをカットしたMF汰木康也選手が素早く前線にフィード。これを受けた飯野選手がペナルティエリアに持ち込んでゴールネットを揺らして先制しました。

今回5度目の出場で初の8強入りを目指す横浜FMもすぐに反応します。前半9分、右サイドでDF小池龍太選手からパスを受けたFW仲川輝人選手がペナルティエリア深くから中央に折り返し、FW西村拓真選手が低いヘディングで合わせて同点にしました。

しかし、神戸はその後も攻勢を維持。中盤で相手へ素早く寄せてボールを奪い、時折サイドチェンジを取り混ぜながら、スピーディな攻撃で相手ゴールに迫る機会を作ります。

前半15分にはFW大迫勇也選手が落としたボールに反応した山口選手がミドルレンジから右足で狙ってクロスバーに弾かれる場面を作り、22分にもDF酒井高徳選手の左サイドの突破から、大迫選手を経て山口選手が相手ゴールを脅かしました。

前半28分には飯野選手が高い位置でプレスバックを起点に素早く前線へ展開すると、大迫選手の折り返しに、ゴール前に詰めた佐々木選手がシュートを放ちます。すると、これが相手DFのハンドを誘います。このラウンドから導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で確認され、神戸がPKを獲得。31分に、これを佐々木選手自らが決めて神戸が2-1としました。

横浜FMも反撃を試みますが、相手の素早いプレスと速攻に苦しい時間が続きます。FWレオ・セアラ選手やFWエウベル選手らの攻撃に、神戸はDFマテウス・トゥーレル選手を中心によく対応して決定機を作らせません。

横浜FMは後半に入って少しペースを落とした神戸に対してボールが持てるようになると、55分には小池選手がミドルシュートで、その2分後にはDF永戸勝也選手が左サイドを攻め上がって左足で狙い、その後も西村選手、MF喜田拓也選手らがミドルから狙いますが、神戸の守備もあり、枠を捉えることができません。79分には、途中出場のMF水沼宏太選手のCKにレオ・セアラ選手が合わせますが、GK前川黛也選手がセーブしました。

神戸も汰木選手や大迫選手、大崎選手が相手ゴールを脅かし、80分には追加点を手にします。右サイドの飯野選手からパスを受けた大崎選手がペナルティエリアにスルーパスを入れると、走り込んだ山口選手がマイナスのボールを折り返し、これを途中出場の小田選手が右足で捉えてチーム3点目を決めて3-1としました。

反撃の機会を諦めない横浜FMは89分、後半半ばに投入されたFWアンデルソン・ロペス選手が左サイドのエウベル選手にボールを預けてゴール前に入り、エウベル選手からの折り返しに左足を合わせて1点を返しました。

横浜FMはその後も攻め立てますが追加点はならず、試合終了。横浜FMは今回も16強の壁を超えることができず、神戸が4強入りした2020年大会以来の8強進出を決めました。

全北現代は大邱に延長で競り勝つ

なお、浦和駒場スタジアムでは全北現代モータースと大邱FCの韓国チーム同士の対戦が行われ、全北現代が途中出場のキム・ジンギュ選手の延長戦終了間際の得点で2-1と競り勝ち、準々決勝進出を決めました。

全北現代は0-0で前半を終えると、46分にハン・ギョウォン選手の右クロスにソン・ミンギュ選手が合わせて先制します。大邱は56分にロングボールを受けたFWゼカ選手が相手DFをかわしてペナルティエリアに持ち込み、同点としました。

その後は90分で決着がつかずに延長に入り、PK戦突入かと思われた延長後半終了直前に、モドゥ・バロウ選手が左サイドを突破してクロスボールを送ると、逆サイドでグスタボ選手が折り返し、ゴール前に詰めたキム選手が右足を合わせてゴールネットを揺らしました。途中出場の3選手による決勝ゴールでした。

全北現代は昨年に続いての8強入りで、大邱は2年連続でのベスト16での敗退となりました。

東地区ラウンド16は8月19日(金)にも行われ、浦和レッズがジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と埼玉スタジアム2002で対戦し、浦和駒場スタジアムではBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と傑志(香港)が対戦します。

準々決勝は22日(月)に行われ、組み合わせは20日(土)の抽選会で決まります。東地区トップクラブを決める準決勝は25日(木)の開催で、いずれも埼玉スタジアム2002にて行われます。なお、西地区との決勝は来年2月19日、26日に予定されています。

監督・選手コメント

吉田孝行 監督(ヴィッセル神戸)
非常にタフなゲームでしたが、勝利でできて非常にうれしく思います。相手は現在Jリーグ首位のチームです。多少やられることは覚悟していましたが、我々はチャレンジャーなので思い切ってぶつかるように選手たちを送り出して、選手たちは前に行く姿勢を最後まで続けて戦ってくれました。ある程度プラン通りにいったと思います。今日の勝利は今大会の残り2試合とリーグ戦にもつながっていくと思います。

MF 山口蛍 選手(ヴィッセル神戸)
90分を通してタフな試合でした。あれだけクオリティのあるチームが相手なので押し込まれる時間帯もあり、得点も許しましたが、チーム一丸となってコンパクトに戦って攻守にハードワークできたことが勝因だったと思います。

FW 飯野七聖 選手(ヴィッセル神戸)
前に飛び出して行けばチャンスになると思っていました。今日は冷静にプレーできたと思います。右サイドで自分の特長を出せているとしたらうれしいことですし、チームに求められていることなので、そこはこれからもブレずにやっていきたい。大迫選手ともすごくコミュニケーションをとれていますし、お互いの良さを出し合うプレーが今はできていると思います。

ケビン・マスカット 監督(横浜F・マリノス)
この結果はとても残念です。試合のアプローチで前半はボールを持っている、いないに関わらず、少し選手たちにためらいが見られました。相手のプレッシャーを多く受けてデュエルやセカンドボールの場面で相手に上回られて難しくなりました。同点ゴールは良かったのですが、そのあとPKで得点を許してしまいました。それでも後半は反撃の姿勢を出して巻き返していたと思いますが、残念ながら勝つことはできませんでした。我々はプレスに行く場面で甘さがありましたが、相手も良いプレーをしたことは尊重すべきだと思います。

MF 喜田拓也 選手(横浜F・マリノス)
この試合に懸けていただけに、今の気持ちを表すのにふさわしい言葉が見当たりません。神戸の狙いは早く掴めていましたが、自分たちがボールを握る時間をうまくコントロールできませんでした。相手の狙いを凌駕する質やどの手を使って戦うかという共通意識は、まだまだ上げていけると思っています。そこも含めて、自分がコントロールできればよかった。この結果の責任は自分にあると思っているので、この負けから逃げずに、もっと力をつけて責任を果たしたい。チームを救える男になりたいと思っています。

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