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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(9月)

2014年10月07日

[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(9月)

9月は岩手県を2回訪れ、一度目は9月5日~7日に大船渡サンアルタスと山田ベルエー二のトレーニング指導を行ったほか、山田ベルエーニ、デルフィーレ田老、宮古フェニックスの3チームの交流試合を視察、大槌町では復興計画と現状を伺いました。
2度目は9月19日~21日に岩泉サッカースポーツ少年団のトレーニング指導と岩手県宮古市の閉伊川老木グランドで開催された宮古地区中学校新人大会、陸前高田の上長部グラウンドで行われた早稲田カップを視察してきました。                       

9月5日、大船渡サンアルタスの練習へ!岩手県安比で開催される「第41回かもめの玉子セーラーカップ」(岩手県サッカースポーツ少年団大会)」を間近に控え、選手たちは、パス&コントロール、ポゼッション、4ゴールゲームまで集中して取り組んでくれました。県大会は内陸で行われるため、地区予選を勝ち抜いたチームは長距離の移動と早起きというハンデを強いられます。大船渡サンアルタスの指導者の方は、子どもたちに精神的にタフになってほしいと話していましたが、応援に行く保護者の方々の負担は大きいです。

6日は朝(9時半)から山田ベルエーニの20人の選手が山田総合運動場に集まり、元気にトレーニング。練習後、指導者に現況をお伺いしたところ、岩手沿岸北部(宮古地区)は少子化でチーム存続の危機にあるチームもあるとのこと。19日、2度目の訪問で岩泉サッカースポーツ少年団の練習へ行きましたが、5年生が1人、6年生7人の8選手のみで、人数が足りないため新人戦大会に参加できず、5年生の選手をデルフィーレ田老と選手として登録して大会に参加させたそうです。

午後からは、田老第一中学校の練習試合を視察しました。田老第一中学校の保護者と監督に現状を伺うと、この時期は新人戦に備えて90分練習していますが、大会がない時はスクールバスの運行時間の関係で60分トレーニングできるかできないかで、運動量の確保もままならない状況だと話していました。もっと練習したい選手は、小学生の時に所属していたデルフィーレ田老(4種)の練習に参加しているそうです。田老第一中学校サッカー部の監督からは、「機会があれば、田老一中の練習もサポートして欲しい」と言われました。その田老一中のグラウンドは震災から1年で復旧し、大人用のピッチが一面とれ、照明もあり、貴重な練習場所になっています。

7日は大槌サッカークラブ(4種)のトレーニングを訪れました。昨年より子どもたちのプレーの質と運動量が上がったと感じました。「外でトレーニングができるようになって体力も向上、ゴールを意識するようになり、昨年よりサッカーらしくなってきました」というコーチの話を聞き、本当に環境は大事だなと痛感しました。

午後は、山田町総合運動場で山田ベルエーニ、デルフィーレ田老、宮古フェニックスの交流戦を視察しました。様々な思いやご苦労がありながらも指導者は復興を信じ、子どもたちは元気に楽しくプレーしており、その姿を見ると私も元気と勇気をもらいます。一方で復興が遅々として進まない現状を見てがっかりします。また、岩手沿岸部でも北と南の支援・活動の差を感じます。北は近隣地区のチームで練習試合、自ら内陸部や県外へ招待支援や出向いて試合をすることが多いのですが、南には陸前高田上長部グラウンドがありますし、釜石市球技場では内陸部のチームを誘致して大会などを盛んに開催しています。また、今年で第3回目の早稲田カップも開催されています。グラウンドや宿泊施設などの環境面や、交通や移動距離といった地理的な点でも釜石市付近から北は支援が少ないように感じます。

コメント

大船渡サンアルタストレーニング 池田淳監督
9月5日に手倉森特任コーチから連絡があり、大船渡へ居らして頂きました。「セーラーカップ」の前日でしたがトレーニングで刺激を与えてほしいとお願いしました。子どもたちも楽しそうで、いつもの目と違っていました。トレーニングの内容は、指導者にとっても非常に勉強になるもので、ありがたいと感じています。おかげで「セーラーカップ」では県ベスト4まで勝ち進むことが出来ました。これまでも何度も足を運んで頂いていますが、これからも機会があればご指導をお願いしたいと思います。

大槌サッカークラブ 岩間徹 コーチ
昨年から、狭いながらもグラウンドでの練習も増え、子どもたちの体力も戻り、だいぶ走れるようになってきました。体育館ではゴールもないため、“判断“というところまで要求はできませんでしたが、グラウンドだと、よりサッカーに近いトレーニングができます。
現在使用している寺野地区の小学校・中学校の合同仮設校舎のグランドはいずれは住宅地になりますし、近くには病院も建つことが決まっています。新校舎は、沢山地区の大槌町で唯一サッカーの試合ができる大槌高校グラウンドに小・中学校の一貫校が建設されることが決まっていますが、建設業者が未だ決まっておらず、着工の目処もまだついていません。新校舎移転まで3~4年かかるということで、町役場からは、現在使用している寺野地区の仮設グラウンドのナイター設備を復旧してもらいました。昨年は、照明器がひとつだけで、ピッチの一角だけが照らされ薄暗い状態でしたが、今年から明るさも増して環境も良くなりました。Jリーグの支援の簡易照明が役立ちました。その支援にも感謝致します。
沿岸部の地盤を嵩上げして多目的グラウンドをつくる予定もありますが、こちらも着工の見通しすらたっておりません。多目的グラウンドが出来る前に寺野地区仮設グラウンドの住宅工事が始まると、練習グラウンドが無くなる可能性もあります。復興の優先順位として居住区が先であることは理解していますが、我々としては一日も早く、子供たちが思いっきり好きなサッカーが出来るグラウンドが出来ることを願うばかりです。

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