高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023EASTの最終戦に当たる第22節を12月3日(日)に行い、各地で熱戦が展開されました。首位を走る青森山田高校（青森）は、FC東京U-18（東京）と東京ガス武蔵野苑多目的グランド（人工芝）で対戦しました。

ピックアップマッチ

FC東京U-18 0-2（前半0-2、後半0-0）青森山田高校

青森山田は勝てばリーグ優勝が決まり、引き分けや負けでも他会場の結果次第で優勝となる状況です。ただ、迎え撃つFC東京も「3年生にとって最後の試合」（奥原崇監督）であり、GK小林将天選手（#16）は「自分たちで士気を上げて試合に入った」と振り返ります。

序盤の主導権を握ったのは、そのFC東京でした。小林選手が「今季全体の中でも良い立ち上がりだったかもしれない」と言うほどの勢いをもって試合に入り、正木昌宣監督が「やっぱり硬さはあった。ガチガチになっていた」と評した青森山田を押し込みます。

しかし、こうした劣勢の状況でも粘れるのが青森山田。この試合に向けて青森では雪が降り続く厳しい状況になりましたが、「雪から逃げない。ハンデを乗り越えてこその青森山田」（正木監督）と前向きな取り組みを継続。部員全員で協力しての雪かきを行いつつ、限られた時間でのトレーニングを積んできました。

MF芝田玲選手（#10）が「あれだけやってもらったのに、気持ちの部分で絶対に負けるわけにはいかなかった」と振り返ったように、全員が集中を切らさず、気迫あふれるプレーを継続。失点を許さず、徐々に試合の流れを引き戻します。

前線からのプレスでFC東京のビルドアップを阻害するだけでなくボールを奪い取れるようになっていた15分、ロングスローのこぼれ球をMF福島健太選手（#13）が蹴り込んで先制点を奪うと、前半終了間際の41分にもショートCKからの流れで、DF小林拓斗選手（#2）が頭で押し込んで追加点を奪い取りました。

FC東京もFW岡崎大智選手（#13）のシュートなどチャンスもありましたが、青森山田のGK鈴木将永選手（#1）のファインセーブもあってゴールは生まれず。後半は一進一退の展開となりましたが、青森山田は無理にリスクは取らずに試合を運び、DF山本虎選手（#4）を軸とした守備陣がFC東京の反撃を完封。2-0の勝利となり、勝ち点を「51」に伸ばし、2位・尚志高校（福島）の追撃を退け、EASTのリーグを制しました。

監督・選手コメント

奥原崇 監督（FC東京U-18）
最後にどれだけ見せられるかという試合で、内容も結果も取りにいこうという話をして臨みました。年間を通してこういう戦い方をしたいというベースを見せることはできたと思います。ただ、リスタートを含めた細部への詰めの部分で勝ちに持っていけませんでした。そこは自分の力不足で、選手たちは本当によく戦ってくれたと思います。

GK #16 小林将天 選手（FC東京U-18）
今年最後の試合でしたし、相手は青森山田という一番意識しているチームでした。相手が優勝に向けて全力でくることは分かっていたので、自分たちも同じテンションで向かっていこうと思っていました。セットプレーはこの試合で一番のキーで、ずっと練習もしてきて、備えていたのですが、混戦の中で守り切れず、個人としても非常に悔しいです。自分で止めてチームを救って勝てる選手になれるように、これから成長していきたいです。

正木昌宣 監督（青森山田高校）
今季は3度の引き分け、3度の敗戦がありましたが、連敗や連続しての引き分けは一度もありませんでした。「優勝したチームは連続で失敗しない」と言ってきました。前節の試合は引き分けてしまいましたが、最後も連続しての失敗をすることなく、優勝することができました。ここまでハングリーにやろうと言ってきたし、選手たちはよくやってくれたと思います。

MF #13 福島健太 選手（青森山田高校）
今年のリーグ戦でスタメンの選手は（GKを除いた）全員がゴールを決めていて、控えにも決めている選手がいる中で、自分だけがゴールを決められていませんでした。今週は絶対に自分が決めないといけないと思っていたし、ここで決められて本当に良かったです。ずっとアラート（研ぎ澄まされた状態）にしようと思っていて、（こぼれ球に）反応して決められて良かったです。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式X

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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