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アカデミー生の思い 〜JFAアカデミー福島 スタッフ通信Vol.28

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2020年03月13日

アカデミー生の思い 〜JFAアカデミー福島 スタッフ通信Vol.28

JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島のレポートを担当するのは総務の堤葉子さんです。

JFAアカデミー福島の生活

JFAアカデミー福島男女総務の堤葉子です。今回のスタッフ通信では、所属する選手の言葉を通じて、日々の生活の様子とその思いをご紹介します。

JFAアカデミー福島(以下、アカデミー)の選手は寮で生活しています。2020年度は男子89名、女子38名の計127名が所属。内訳は男子中学生48名、高校生41名、女子中学生19名、高校生19名です。中学生、高校生とも公立学校に通学し、自宅に帰省する期間は学校の長期休業中で、それぞれのチーム活動に合わせて設定しています。3月2日(月)には9期生(高校3年生)の卒校式を予定していましたが、新型コロナウイルス対策として残念ながら中止となりました。いまだ不安な状況は続いていますが、4月の15期生(新中学1年生)入校に向けて準備を進めています。

今回は最上級生となる10期生(新高校3年生)男子の笹川修誠選手と女子の沼尾圭都選手に、5年間の振り返りと残り1年を切った今の心境を話してもらいました。

苦労したところ

笹川選手 入校して2週間でホームシックになりました。寮生活であることは分かっていたし、自分で選んだ道でしたが、慣れることができず「家に帰りたい、アカデミーを辞めたい」という思いが強かったです。両親からは、とりあえず1年はがんばろう、と日々励ましてもらいました。中2になる頃に、ようやく寮生活にも慣れました。中3時に進路を決める(アカデミーを続けるか、他のチームに進むか)タイミングがありましたが、その時は試合に十分に出られていなかったので、ユースに昇格して見返したいという気持ちがあり、アカデミーを続けることを選択しました。

沼尾選手 父親に勧められて受験を決意しました。トレーニング、栄養、睡眠時間などが整い、サッカーに没頭できる環境であることは想像通りでした。でも試合でベンチにも入れなかったり、怪我が続いたりした時に我慢することができず、自分で腐ってしまって、サッカーを楽しむことができませんでした。考えが甘かったのかもしれません。そんな時でも寮生活は続くので、家族に会いたい、リフレッシュしたい、という思いがあり、つらかったです。きっかけは特にないのですが、試合に出るという目標を立てるよりも、サッカーを楽しむという考えに変えてからはポジティブになりました。今、思い返せば、あの時に腐らずコツコツ続けていれば、もっと上手くなっていたのでは、と感じています。

長いようで、あっという間

笹川選手 苦しい時も全力でやり切ってほしい、中途半端に終わると後悔を残す、という両親の言葉を胸に5年間がんばってきました。早かったです。寮生活や集団生活では自分のやりたいことだけではなく、時間を守る、部屋をきれいにするなどの統一が必要です。人に流されてしまうこともあるけれど、自律し、自分で考えることが求められます。毎日サッカーの話をしたり、コミュニケーションをとることができるので、特に今年のチームは団結力が強いと感じています。最高学年として、チームを引っ張っていきたいです。

沼尾選手 特に中2と高1の時にサッカーでうまくいかなかったことが多かったですが、その時のことについて後悔はしていません。物事を深く考えていなかった自分を受け止めて前に進んでいます。今年は結果を残すことにこだわりたいです。質の高いプレーを基準にする。寮生活はみんなと日頃から楽しく過ごしています。

夢を持ち続ける強さ

冒頭にアカデミーの選手数をご紹介しましたが、決して大所帯ではありません。選手の入れ替わりも少なく、この競争が少ない中でいかに選手を育成していくか、という問題に取り組んでいます。閉鎖的であり、客観的なものさしを知らないまま育ってしまうかもしれません。しかし、本当の勝負はアカデミーを卒校した後ではないでしょうか。個人が大きな壁にぶつかった時にどう乗り越えていくか、そのために今どのような力を身につけるべきか、日々選手とともに模索しています。

二人には、将来についても尋ねてみました。笹川選手は大学に進みプロ選手になりたい、沼尾選手は大学となでしこリーグ1部に所属し、なでしこジャパンのメンバーに入りたい、と話してくれました。私はこの仕事に長く関わっているため、二人を小学6年生の選考試験時から見ています。おそらく、その時の将来の自分も、プロ選手、代表選手ではなかったでしょうか。アカデミーで5年間を過ごし、二人ともうまくいくことばかりではなかったはずです。それでも、アカデミーの五訓(夢・誇り・創造・責任・自由)の一つでもある「夢」を持ち続けていることに、彼らの強さと誇らしさを感じました。

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