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浦和、柏を延長で破って天皇杯決勝進出

2015年12月30日

浦和、柏を延長で破って天皇杯決勝進出

浦和レッズ(J1) 1-0(前半0-0、後半0-0、延長前半0-0、延長後半1-0) 柏レイソル(J1)

第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会準決勝が12月29日に行われ、浦和レッズは東京・味の素スタジアムで第92回(2012年)大会覇者の柏レイソルと対戦し、交代出場したFW李忠成選手の決勝ゴールで延長戦を1-0で制して9年ぶりの決勝進出を決めました。

1月1日の決勝では、準決勝でJリーグ王者のサンフレッチェ広島に3-0で勝利して連覇を狙うガンバ大阪と対戦します。決勝は同競技場で14:15キックオフの予定です。

日本一の栄誉と来年のAFCチャンピオンズリーグ出場権を懸けて、浦和と柏の対戦は両チームとも一歩も譲らない展開になりました。

積極的にパスをつなぎ、相手の倍の20本のシュートで攻撃する浦和に対して、柏はMF中谷進之介選手が最終ラインに入る5バックで守備を固めながらカウンターで得点機を探ります。

連覇した第86回(2006年)大会以来となる4強入りの浦和は、開始早々、右サイドの関根貴大選手のクロスにゴール前に走り込んだMF武藤雄樹選手が右足を合わせて相手ゴールを脅かします。その後も、サイドからチャンスを作り、22分にはMF阿部勇樹選手がCKの流れからシュートを狙いますが、枠を捉えることは出来ません。

35分には浦和の司令塔MF柏木陽介選手が相手との接触で負傷し、そのまま39分に交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われましたが、試合の主導権は握ったまま、前半を0-0で折り返します。

今季ACLベスト8の柏は押し込まれながらも機を見て攻め、26分には準々決勝でFKだけで3得点したFWクリスティアーノ選手がFKを直接狙い、29分には右CKにDFエドゥアルド選手が頭で合わせましたが、いずれもクロスバーの上へ流れました。

後半も浦和の攻撃が続き、立ち上がり早々にはCKからDF那須大亮選手がボレーシュートを狙い、64分には武藤選手のスルーに反応したMF梅崎司選手が攻め込んでシュートを放ちますが、柏GK菅野孝憲選手に止められました。その後も84分には梅崎選手のクロスにFWズラタン選手がヘディングで合わせますが、ゴールを割ることはできません。

じりじりとした展開が続く中、柏は87分に攻め上がったDF輪湖直樹選手が右足で狙い、後半終了間際にはクリスティアーノ選手がゴール前のFW工藤壮人選手へ絶好のクロスを送りますが、浦和DF槙野智章選手に阻まれました。

90分をスコアレスで終え、浦和は延長開始から李選手とFW興梠慎三選手をベンチから送り出します。柏も延長後半にFW大津祐樹選手を投入して、ゴール機会を探ります。

均衡を破ったのは浦和でした。117分に左サイドからの梅崎がしかけてゴール前にクロスボールを上げると、「120分で絶対に勝負を決めたかった」という李選手が頭で合わせて、ゴールネットを揺らしました。李選手は今大会3試合連続の得点です。柏は今季で退任を発表している吉田達磨監督を勝利で見送ることはできませんでした。

なお、ガンバがすでに来年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を確保しているため、Jリーグ年間3位の浦和は決勝の結果に関係なく、繰り上がりでACL本戦出場権を獲得。ACLプレーオフへは同4位のFC東京が繰り上がりで出場することになりました。

試合詳細はこちら

監督・選手コメント

ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督(浦和レッズ)
我々が仕掛けて、相手が守ってミスを待ってカウンターという展開は多いのですが、今日もそういう試合になりました。選手たちは疲労もあり、ミスもありましたが、最後まで非常に落ち着いて試合を運んでくれました。延長前に我々が得点して試合を決められるシーンは何度かあったと思います。選手たちが「絶対に勝ち上がる」という強い気持ちで戦ってくれて、しっかり我慢して試合を進められれば必ず勝てるという自信が感じられました。それが勝利につながったと思います。この2年、リーグタイトルを逃してなかなか評価されずに来たので、天皇杯を獲ることで、これまで自分たちがやってきたことは間違っていないのだと証明したいと思っています。

FW 李忠成 選手(浦和レッズ)
交代で出るまでベンチから「同点で自分にチャンスが来い。俺が絶対にヒーローになる」という強い気持ちで試合を見ていました。(ゴール場面は)みんなの思いがこもったパスでしたし、みんなの思いがこもったゴールだったと思います。みんなが諦めないでボールを繋いだ結果、自分の方に転がってきたので、あとは決めるだけでした。チームも自分も調子はいいです。この大会は是非自分の大会にしたいと思っているので、タイトルを獲得できるように、決勝も頑張りたいと思います。

吉田達磨 監督(柏レイソル)
負けてしまって2016年1月1日をピッチで迎えることができずにとても残念ですし、ACL出場権をチームに残せなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。全力で戦い、上手くプレーしたところもありましたが、延長117分、あと何分というところで失点して、勝負が決まってしまいました。浦和はタフなフィジカルとほぼ完成されたチーム戦術を持っていて、非常に強く賢くうまいチームです。彼らのスタイル、プレー、クオリティを称えたいと思います。

FW 工藤壮人 選手(柏レイソル)
負けは悔しいですし、残念です。拮抗した試合で、どちらがワンチャンスをものにするかというところで、浦和がそれを獲ったということです。ACLの権利を獲得して終わりたかったです。

第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会

2015/8/29(土)~2016/1/1(金・祝)
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