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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第50回 三田智輝 北マリアナ諸島代表監督兼技術委員長

2021年04月30日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第50回 三田智輝 北マリアナ諸島代表監督兼技術委員長

これまでの15年とこれからの15年

2020年12月に開催された第30回アジアサッカー連盟(AFC)総会にて、北マリアナ諸島サッカー協会(NMIFA)は、念願のAFC準加盟から正規加盟への変更が承認されました。人口5万人と小さな島のサッカー協会が設立から15年でAFCの正規加盟に認められたのは、北マリアナ諸島(NMI)サッカーファミリーの偉業であり、NMIサッカーファミリーの情熱とハードワークなしには達成できなかったことです。また、JFAの継続した指導者派遣やユース育成資金などの多大な援助、そしてお隣のグアムサッカー協会のNMIFAに対し先輩のような役割で設立当初から行ってくれた継続的な支援も忘れてはなりません。
この15年間、島の限られた資源や人材の中でサッカーを発展させ、規模は小さいながらもNMIFAはグラスルーツ(普及)、ユース育成、代表チーム強化、指導者養成のサッカー発展の4本柱を軸に力を入れてきました。
この先の15年、質を伴った更なるNMIサッカーの発展を考えた時に、何が課題なのか、そして、JFAから派遣された自分が限られた期間の中で何に貢献できるのかを考えたところ、現地人材のさらなる育成、特に、キッズ、ジュニア年代の指導者不足を解消することが喫緊の課題です。島でのサッカー人気は比較的新しいため、現在の大人のサッカー経験者が少なく、指導者の成り手が中々いませんでした。選手は14歳から始まる代表チームに入る前に基本的にクラブに所属するのですが、その指導者不足の影響からか、サッカーの基本を身につけるトレーニング環境と指導が少ないため、基礎を教えられずに代表チーム入りする選手が多くいます。
この課題を改善するために、以下の施策を行うべく、クラブチームの幹部や指導者を招いて説明会を行いました。説明会では、クラブの理解と協力を得ることができ、この2021年3月から施策を実施することができました。(北マリアナ諸島では、クラブチームが地域のサッカー発展の役割を担っています。)

1.指導者養成講習会の拡充

AFCコーチングコンベンション実施に伴い、NMIFA C級を構築し、2月に初のNMIFA C級講習会を開催。その前段階としてこれまではD級指導者養成だけだったものから、ユース代表選手やキッズの親をターゲットに16歳以上ならだれでも参加できるグラスルーツキッズリーダー講習会も構築し幅広い層でレベルにあった学びができるよう拡充を図りました。現在は、AFCコーチングコンベンションB級を申請するため、B級のカリキュラムを作成中です。

2.指導者資格の更新制度導入

更新制度を導入することで、研修参加の義務化や資格のアップグレードなど継続して学べる環境を提供。

3.M-T-M(マッチ-トレーニング-マッチ)環境の創出

各クラブにチームの指導者をまとめるポジション、クラブマネージャーを置いていただき、クラブ側で各クラブの指導者を監督、マネージメントしてもらい、クラブの指導者がシーズン中に週末の試合でのコーチングだけでなく、きちんとトレーニングを行える環境をサポートしてもらい、NMIFAは、トレーニングを巡回して視察し、コーチ、クラブマネージャーとコミュニケーションを取りながらクラブと協力して、M-T-Mの環境の創出と指導者のレベルの向上に努めています。

北マリアナ諸島のコロナの状況は幸いなことに、政府の感染症対策やワクチン接種が順調に進んでおり、2021年2月からメンズ、ウイメンズリーグが再開。ジュニア年代のリーグはまだですが、クラブチームのトレーニングも再開しました。
「Together, We can shape the future」のスローガンを基にクラブとFAが協力して、過去15年NMIサッカーが発展したように、これからの15年もサッカーが地域に根付いていくようにしながら、AFCの加盟協会として国際的な質を基準に継続した発展を目指しNMIサッカーファミリー全体で精進していきたいと考えています。

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