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女性リーダーシップシンポジウムを開催 後編

2021年03月30日

女性リーダーシップシンポジウムを開催 後編

日本サッカー協会(JFA)は2月28日、「JFA女性リーダーシップシンポジウム」を開催した。このシンポジウムは2月27、28日に最終モジュールを迎えたJFA女性リーダーシッププログラムの一環として行われたもので、受講生12人もオンラインで参加した。シンポジウムは、日本オリンピック委員会(JOC)理事でJFA理事の山口香さんがファシリテーターを務め、競技の垣根を超えた4人のゲストを迎えて女性活躍やリーダーシップ論について語り合った。

前編はこちら

【登壇者】
田嶋 幸三 公益財団法人日本サッカー協会 会長
岡島 喜久子 一般社団法人日本女子プロサッカーリーグチェア/公益財団法人日本サッカー協会 副会長
三屋 裕子 公益財団法人日本バスケットボール協会 会長/元バレーボール日本女子代表
岩渕 健輔 公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 専務理事/元ラグビー日本代表

【ファシリテーター】
山口 香 公益財団法人日本オリンピック委員会 理事/公益財団法人日本サッカー協会 理事/元柔道日本代表

アンコンシャス・バイアスについて

山口 優秀な女性が大勢いる一方、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」、つまり気づかないうちに刷り込まれている偏見もあります。

岩渕 私は20年前にイギリスの大学に進学しましたが、自分がいた社会を飛び出したことで初めて自分というものを認識し、いろいろなことを比較することができました。イギリスでも「日本だったらこうだった」と思ってしまうときがありましたが、それぞれの国や場所に良いところがあり、それを受け入れてくことが、アンコンシャス・バイアスを取り払うための通過点になると思います。物事を決めつけ、他人に押しつけることがアンコンシャス・バイアスにつながるので、自分以外を受け入れられるかどうか、自分自身を疑えるかどうかが非常に大切です。そのためには年齢も性別も関係なく、いろいろな意見を得られる環境が必要です。

山口 男性と女性とでは見方が異なりますし、意見が通るかどうかにかかわらず、気づきを与えることでもプラスになるということを、皆さんもぜひ意識の中に入れておいていただきたいです。田嶋会長は講義などの際に「オープンマインド」という言葉をよく使われますね。

田嶋 アンコンシャス・バイアスは、本人も気づかず、思い込みで進めてしまうから生まれるものであり、だからこそオープンマインドになることが大切です。「どうして自分より下手な人間に言われなきゃいけないんだ」という気持ちがあったらオープンマインドにはなれませんし、「女性はまだまだだ」と思っていたら女性に意見を求めることはできません。そういう部分をなくしていく必要があると思います。

これからのスポーツ界で求められるリーダーシップ

山口 リーダーになる人物には、アンコンシャス・バイアスが自分の中にあると認識し、気づこうという意識を働かせることが大切です。岡島チェアはWEリーグでどのようにリーダーシップを発揮していきたいと考えていますか。

岡島 女性の仕事の選択肢を増やし、壁をなくすためにいろいろな道筋を整えていきたいと思っています。女性でも指導者ライセンスを取得しやすい環境を整え、セカンドキャリアで実業界に進めるようなインターンシップを考え、引退後の道筋もつくっていく。もちろん私だけではできませんし、サッカー界の力だけでも実現できません。実業界、スポンサー企業、行政、内閣府、文部科学省、いろいろな機関の協力が必要なので、全てを巻き込んで渦をつくれるようなリーダーになっていきたいと考えています。

山口 三屋さんは長年、さまざまな組織のリーダーをしてきましたが、ご自身の中でリーダー像が変わった経験はありますか。

三屋 04年に大阪証券取引所二部上場企業の社長になったことが、大きな転換点でした。それまでスポーツ界と教育界にずっといて、全く縁がなかった経済界に入ったとき、それまでの自分の考え方やネットワークが一切使えなかったんです。そこでいろいろ教えていただきながら培ったものは、その後に大きく役立ちました。数字に対して責任を取らなければならない、社員やその家族を守らなければいけない中で務めた数年間は、私の中での大きな転換点です。もちろん不安でしたが、そのときも「やってみなければ分からない」と思いながら取り組みました。失敗しないと分からないことはたくさんあります。うまくいったことより失敗したことの方が人間を成長させると思います。

岩渕 実業界、経済界という言葉が出てきていますが、スポーツはまだ“界”ではなく“ムラ”社会で、そのムラから脱却することを嫌がっている部分があると思うんです。ムラの中にいれば快適ですから。ただ、リーダーとなる人間はその快適さを良しとせず、不快な状況にチャレンジしていかないとムラを界に変えることはできないと思います。

山口 リーダーになると批判を浴びることにもなりますが、田嶋会長はそれに対峙しながらどのようにかじ取りをされているのでしょうか。

田嶋 スポーツ界におけるリーダーには、批判に耐える力が必要です。批判をスルーしなければならないこともあります。時には、些細なことがすごく気になって、夜も寝られないこともあります。ただ、ぶれちゃいけないものは絶対にぶらさないようにしなければなりません。JFAにとっては、それが理念であり、ビジョンです。もっと言うと、常にそのことを意識していられる人間でなければならないと思っています。将来も見据えなければならないですね。周囲から遅れて対応するのではなく、先駆けてどんどん進めていく。それがリーダーシップだと思います。

「JFA女性リーダーシッププログラム」全日程を終了

2020年度に新設された「JFA女性リーダーシッププログラム」が2月28日に全日程を終了した。最終日に視聴した女性リーダーシップシンポジウム後には、プログラムの修了式が行われ、1期生12人に修了証と記念のボールが授与された。
【開催概要(抜粋)】
・目的: サッカー界、スポーツ界をけん引する女性役員/経営人材を養成する
・主催:日本サッカー協会、日本女子プロサッカーリーグ
・内容:「 ジェンダーと自己理解」「マインド改革」「経営リテラシーの獲得」を柱とし、研修や課題、オンライン講座等でプログラムを実施する
・研修期間:集合研修日程
 Module1 2020年10月31日(土)~11月1日(日)
 Module2 2020年11月28日(土)~11月29日(日)
 Module3 2021年1月30日(土)~1月31日(日)
 Module4 2021年2月27日(土)~2月28日(日)

※この記事は、公益財団法人日本サッカー協会機関誌『JFAnews』2021年3月号より転載しています。

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