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【JFAの知っトク!】新たな審判普及事業「Be a Referee!」をスタート。みんなで審判やってみない?

2025年07月11日

【JFAの知っトク!】新たな審判普及事業「Be a Referee!」をスタート。みんなで審判やってみない?

日本サッカー協会(JFA)は、審判の普及事業「Be a Referee!」を2025年度からスタートさせました。昨年10月に新潟県サッカー協会(FA)でトライアルを実施し、今年3月に滋賀県サッカー協会で第1回を開催。プロフェッショナルレフェリーも参加して直接レフェリングのアドバイスをしたり、参加者の質問に答えたりと双方に審判をする楽しさを感じられる場となっています。事業立ち上げの経緯や実施して思うことなどについてJFA審判委員会の扇谷健司委員長に聞きました。

※このインタビューは2025年5月27日に実施しました
※2024年10月27日(日)に新潟県サッカー協会で開催されたBe a Referee !「今日、審判やってみない?」の様子はこちら(JFATV/約5分) 

 審判員は一人じゃない、不安を解消して楽しく活動できるように

――普及事業「Be a Referee!」をスタートさせた経緯を教えてください。

扇谷 皆さんに審判の楽しさを知ってもらう、ということが一番の目的です。これまで審判資格を取得しても、その後どうやって試合で審判をすればいいのか分からないという不安を抱えてらっしゃる方は多くいました。都道府県サッカー協会(FA)としてもそこを何とか解消できないかと。各FAとJFAが一緒になって取り組むことで、審判員の皆さんがより楽しく、安心して活動できるようサポートできたらと考えました。

――確かに審判経験があまりない中、実際に試合で主審や副審を担当するのはかなりの勇気がいるかもしれません。例えば、子どものサッカーの試合のため、サッカー部の顧問になったからといった理由で審判資格を取得される方、中にはサッカー経験のない方もいます。

扇谷 そうですよね。子どもたちの試合でも、審判員に厳しい声が飛んでくるシビアな現実があることも事実です。そうした環境を変えていくためにも、審判資格を取得された方が楽しく審判活動できるようにサポートすること、そして、いろいろな人に審判員を経験してもらい審判側の思いや視点を知ってもらうこと、この2つが大切になります。審判員の皆さんには審判活動を楽しんでほしいですし、実際にやってみると楽しいということも体感してもらいたい。一緒に体を動かしながら、審判の楽しさを伝えていきたいと思っています。

「Be a Referee!」をスタートさせるにあたって審判員の特製Tシャツも作製。
参加者にも配布してみんなで着用している(モデルは扇谷委員長)

――昨年10月にはトライアルとして、新潟県FAと「今日、審判やってみない?」というテーマで開催されました。

扇谷 新潟県ではちょうどサッカーフェスティバルがありまして、そこに合わせてやってみようと新潟県FAの皆さんが企画してくださいました。小学生から50代くらいまで15人が参加し、審判資格を持っていない方、サッカー4級から2級の審判資格を持ってらっしゃる方までさまざまな顔触れでしたね。

――審判資格がなくても参加できるのですか。

扇谷 どのような方に参加していただくかは各FAが何を目的として開催するかにもよりますが、審判資格がなくても参加できるという点は、この普及事業の魅力の一つにしていきたいと思っています。新潟県FAでは、いろいろな人に参加してもらい審判の楽しさを伝えたいという意図があったので、その場で取材されていた方にも「やってみませんか?」と声をかけて、実際にシャツとジーパンという服装で参加された方もいましたよ。

――3月の滋賀県FAではユース審判員を対象に開催されたと聞きました。各FAによってテーマも異なると?

扇谷 基本的に各FAの取り組みにわれわれが協力させていただくという形で展開していきます。審判の普及といっても各都道府県で課題ややりたいテーマも違ってきますから、型をきちっと決めなくてもいいのかなと。各FAの皆さんにはわれわれを活用してもらえたらと思っています。

テーマは都道府県それぞれに設定。
課題としている部分やアプローチしたい部分をJFAと一緒になって取り組む(写真は新潟県より)

――都道府県の色が出そうですね。

扇谷 各地域でそれぞれ異なる角度で審判員に関わることができるという点では、われわれも刺激になりますし、いろいろな立場や環境で活動されている審判員と交流できるのでとても学びになりますね。当日の役割や実施方法などはJFA審判マネジャーの宮島一代さん(元国際副審)が中心となって調整していて、各FAと綿密な打ち合わせをした上で開催しています。

元国際副審の宮島一代JFA審判マネジャーも副審に細やかなアドバイスを送る。
レフェリングができる・分かるようになると楽しさも増す

プロフェッショナルレフェリーが直接指導し、レフェリングの楽しさを共有

――新潟県では山下良美主審、滋賀県では木村博之主審とプロフェッショナルレフェリー(PR)のお二人も参加されました。そこにも狙いがあるのですか。

扇谷 PRはいま24人(主審18人、副審6人)いますが、彼らはJリーグを担当する以外にも所属する都道府県でサッカー2級審判員の指導に当たるなど、後進の審判員育成にも尽力しています。そして普及においても、自分たちに貢献できることがあれば、という強い思いを持っているんですね。2級審判員と接する機会はあるのですが、4級、3級審判員と接する機会はあまりなかったので今回参加してもらうことにしました。各FAでの開催時には、PRは必ず一人参加してもらう予定です。

滋賀県ではプロフェッショナルレフェリーの木村博之主審が主審をサポート。
試合中や試合後も参加者に見るポイントや動き方などをアドバイスする

――PRから直接指導を受けられるのは特別な経験になりますね。

扇谷 二人は試合を担当する参加者の後ろについて一緒に動きながらアドバイスしていました。PRから直接指導を受けられることはなかなかないですからね。山下主審には1試合を担当してもらい、そのレフェリングも見てもらいました。PRとの交流を含めて、審判員としてサッカーに携わる楽しさを知ってもらえたらいいなと思います。

――PRのお二人も笑顔がたくさん見えて楽しそうでした。

扇谷 普段はJリーグという厳しい世界に身を投じている彼らにとっても、もしかしたらリフレッシュの場になっているかもしれません。審判員は厳しい言葉を投げかけられることもあり、ネガティブなイメージを持たれやすいかもしれない。でも、二人とも審判が好きで活動しているわけで、審判の楽しさを伝えたい、という強い思いがあります。参加者との交流を楽しんでいましたね。

各地の審判員との交流はプロフェッショナルレフェリーやJFAの審判指導者にとっても刺激があり、
楽しい時間となっている

――そういえば、扇谷委員長もピッチに立たれていました。久々に笛を吹かれたのではないですか。

扇谷 そうなんです。いやぁ、ほんとに、なんというか、楽しかったですね(笑)。

――実感がこもっていますね(笑)。

扇谷 審判って楽しいなと純粋に思いました。試合では基本的にPRの二人、副審は宮島さんが参加者をフォローしているのですが、PRはシーズン中でもあるのでたまに私が代わって入るようにしていました。われわれも楽しかったですし、参加者の皆さんにも楽しんでいただいて本当にやって良かったと思っています。

――試合の合間には参加者とピッチサイドで会話もされていました。

扇谷 こういった場での私の仕事の一つはおしゃべりすることだと思っていますから。試合がないときは、参加者の皆さんと試合を見ながら話したり、質問に答えたり、どうして審判活動を始めたのかなどいろいろと話しました。対面で会話ができるのも良かったですね。

――今後の展開や期待することについてお聞かせください。

扇谷 7月に富山県、8月には愛知県で実施予定です。新潟県、滋賀県を踏まえてとても良い事業になると実感していますので、今後も各FAと連携して定期的に開催していきます。審判員としての経験値も上がりますし、それによって審判活動も楽しいものになるはずです。各地でいろいろな方に参加してもらいたいですね。審判員の輪も、サッカーファミリーの輪も広がっていくといいなと思っています。

「審判員はかっこいい、やってみたいという人も増えてきている。それはとてもうれしいこと」と扇谷委員長。
だからこそ、みんなが楽しく審判活動を続けられる環境をつくっていきたい

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