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ACLが開幕、川崎が車屋選手の終了間際の得点でドロー発進、横浜FMと浦和は白星

2022年04月17日

ACLが開幕、川崎が車屋選手の終了間際の得点でドロー発進、横浜FMと浦和は白星

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の東地区グループステージが4月15日(金)に始まり、グループIの川崎フロンターレは蔚山現代(韓国)とマレーシアのジョホールバルで対戦。途中出場のDF車屋紳太郎選手が終了間際に同点ゴールを決めて1-1で引き分けてドロー発進。グループFの浦和レッズ、グループHの横浜F・マリノスはそれぞれ勝利を収めて、白星スタートを切りました。

アジア制覇を悲願とするJリーグ王者の川崎が初戦で対戦したのは、昨年16強対決で延長PK戦の後に黒星を喫した蔚山現代。それ以前の3大会でもグループステージでしのぎを削ってきた相手と今回も激しい戦いになりました。

マレーシアのジョホールバルで夕方17時からのキックオフ。慣れない暑さと高い湿度の中で動きの鈍い川崎は、序盤から出足の良い蔚山に苦戦します。前半21分、攻撃を仕掛けたところで相手にボールを取られ、最終ラインからのロングボール1本でFWレオナルド選手につながれて先制を許しました。

その後、蔚山はボールを保持して優位に試合を進め、川崎は攻撃に転じても相手の守備のブロックに手を焼いて攻めあぐねますが、前半の終盤からFWレアンドロ・ダミアン選手や、攻撃参加したDF山根視来選手、MF遠野大弥選手が相手ゴールに迫る場面を作るようになります。

ハーフタイムを挟んで川崎は4-2-3-1から慣れ親しんだ4-3-3にシステムを変更。すると、MF橘田健人選手が直後に思い切りのよいシュートで相手ゴールを脅かすなど、攻撃に絡む場面が増えます。60分前にはMFシミッチ選手からのロングフィードをFWマルシーニョ選手がつないで、ダミアン選手がシュートを放つ決定機も作ります。

攻めのリズムが出てきた川崎はその後、MF脇坂泰斗選手を63分に投入。その6分後にはFW知念慶選手、FW宮城天選手、車屋選手を送り出し、80分にはFW小林悠選手も投入。得点機を探ります。

動きがあったのはアディショナルタイム4分でした。宮城選手がミドルレンジから放ったシュートで川崎はCKのチャンスを獲得します。このキッカーを務めた脇坂選手のボールを相手GKがファンブル。そのこぼれ球に「ラストプレーだと分かっていた。体が勝手に反応した」という車屋選手が左足ボレーで捉えて鋭く振り、ゴールネットを揺らしました。車屋選手は負傷から復帰初戦での得点です。

直後に試合は終了。最後のワンプレーまで執念を見せた川崎が蔚山と1-1で引き分け、苦しみながらも貴重な勝点1を手にしました。

川崎の鬼木達監督は、「選手の最後まで諦めない姿勢を非常に頼もしく感じる。勝点1は大きい」と安堵の表情です。

この日別会場で行われたもう一試合では、地元ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が広州FC(中国)に5-0と快勝し、初戦を終えてグループI首位に立ちました。川崎は次戦18日(月)に広州と対戦します。

レオ・セアラ選手が2得点で横浜FM首位発進

横浜FMは16日(土)にベトナムのホーチミン・シティで地元のホアンアイン・ザライと対戦。暑さと大勢の地元サポーターの声援を味方に積極的に攻める相手に、開始早々にポストを直撃される決定機を作られる苦しいスタートでしたが、セットプレーが流れを変えました。

前半19分にCK、その6分後にはFKでFWレオ・セアラ選手が得点して2-0と優位に立ち、本来のパスワークでリズムを掴みました。

前半31分にセットプレーでのOGで1点を失いましたが、相手の反撃にも冷静に対応。横浜FMは後半にもレオ・セアラ選手や交代出場したMF水沼宏太選手らが決定機を作って相手ゴールを脅かし、16強入りした2020年以来となるアジア復帰初戦で2-1と勝利し、勝点3を手にしました。

横浜FMのケビン・マスカット監督は、「予想通り非常に難しい試合になったが、勝利でグループステージを始めることができてよかった。いいスタートになった」と述べています。

このあとの試合で、全北現代モータース(韓国)とシドニーFC(オーストラリア)が0-0で引き分け、横浜FMはグループH首位発進です。次戦は19日(火)に全北現代と対戦します。

3年ぶり復帰の浦和、快勝スタート

15日(金)にタイのブリラムで始まったグループFでは、準優勝した2019年以来3年ぶりにアジアの舞台に戻った浦和レッズがライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)と対戦。序盤から流れるような攻撃で終始相手を圧倒しました。

前半8分のFWキャスパー・ユンカー選手の先制ゴールを皮切りに、15分にMF江坂任選手、42分にMFダヴィド・モーベルグ選手が決めて3-0とリード。直後にOGで相手に得点を許しましたが、後半開始早々にMF松尾佑介選手が追加点をマークして、流れを渡さず、4-1で白星スタートを切りました。

浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「こういう大会は初戦は勝つことが大事。それを達成できたし、良い戦いができた」と話し、今季移籍加入後初ゴールを決めた松尾選手は「勝ててほっとしているが、チームとしてもう少しゴールを獲るポテンシャルがある。次の試合で生かしていきたい」と語りました。

同組もう一試合では大邱FC(韓国)が山東泰山(中国)に7-0と大勝。この結果、得失点差で大邱が首位に立ち、浦和は2位発進です。次戦は18日(月)に山東と対戦します。

なお、グループJのヴィッセル神戸は、16日に対戦予定だった上海海港(中国)がコロナ禍のため出場辞退となったため、3チームでの対戦に変更となり、19日(火)に傑志(香港)と対戦します。傑志は16日にチェンライ・ユナイテッド(タイ)に1-0で勝利しています。

また、日本勢のいないグループGはタイのパチュムで開催され、全南ドラゴンズ(韓国)がユナイテッド・シティFC(フィリピン)に1-0で勝利し、地元のBGパチュム・ユナイテッド(タイ)がメルボルン・シティ(オーストラリア)と1-1で引き分けています。

東地区グループステージは各グループが一都市集中開催で5月1日(日)まで2回戦総当たりで行われ、5グループの各1位と2位チームのなかで上位3チームが8月開催予定でのノックアウトステージへ進出できます。

その後、準決勝まで東西各地区で戦い、来年2月に行われる決勝で東西それぞれを勝ち進んだチームがホーム・アンド・アウェイで対戦してアジア王者を決定します。

監督・選手コメント

鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
最後まで諦めない姿勢が重要でしたが、選手たちはそれをこの気候の中でもやってくれました。試合の入りからアグレッシブに行きたかったのですが、相手とのかみ合わせでいけなかったのか、少し重心が後ろに引っ張られました。そこは反省ですが、後半はシステムを変えたりして、押し返してくれたので評価できると思います。もちろん、勝点3を目指していましたが、勝点1はビハインドのところから考えると、自分たちにとって大きなものになったと思います。それをこれからの5試合でどう生かすかです。気を引き締めながら自分たちらしく、よりアグレッシブに戦っていきたいです。

DF 車屋紳太郎 選手(川崎フロンターレ)
これまで怪我で出られなかった時間が続いて悔しさもありましたし、迷惑をかけた気持ちもあったので、何かしらチームに影響を与えたいと思って試合に入りました。自分らしくないゴールでしたが、チームメイトの頑張りで押し込める時間やCKが増えていたので、得点はそういう選手のおかげです。引き分と負けでは短期決戦で残り5試合を戦う上で気持ち的にも変わってきます。勝点0と1では違います。

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