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【Match Report】SAMURAI BLUE、後半の3得点でブラジル代表に逆転、14戦目で歴史的な初勝利
2025年10月15日
SAMURAI BLUE(日本代表)は10月14日(火)、東京スタジアムにて行われたキリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦。南野拓実選手(ASモナコ)、中村敬斗選手(スタッド・ランス)、上田綺世選手(フェイエノールト)の後半3ゴールで3-2の逆転勝利を収め、ワールドカップ優勝5回を誇るブラジルから14度目の対戦で初白星を挙げました。
「同じ目線で思い切ってチャレンジする」
森保一監督が選手に求めていた姿勢を前面に出して挑んだ日本代表が、記念すべき結果を出しました。
パラグアイ戦での引き分けから中3日の試合に日本は先発4人を変更。アキレス腱の負傷から約1年ぶりに復帰した谷口彰悟選手(シントトロイデンVV)が3バックの中央で右の渡辺剛選手(フェイエノールト)、左の鈴木淳之介選手(FCコペンハーゲン)とともに最終ラインを統率。前節途中出場の鎌田大地選手(クリスタル・パレス)が佐野海舟選手(マインツ05)とボランチを組み、久保建英選手(レアル・ソシエダード)が右インサイドハーフに入って、堂安律選手(アイントラハト・フランクフルト)が右ウィングにシフトして、前線には上田選手を起用。左インサイドハーフの南野選手、左ウィングの中村選手のラインは変えずに、GK鈴木彩艶選手(パルマ・カルチョ)も2戦続けての先発という布陣で臨みました。
一方、ブラジルは10日にソウルで勝利した韓国戦から8人を入れ替えましたが、変更のなかったカゼミロ選手とブルーノ・ギマランイス選手の中盤の2人を軸に、前半優勢に試合を進めます。
日本は序盤から積極的に仕掛けて、15分を前に中村選手や佐野選手がゴールを狙い、20分過ぎにはペナルティエリア右に深く切り込んだ久保選手が折り返し、南野選手のシュート性のボールにゴール前に詰めた上田選手が左足を合わせる場面を作りますが、枠を捉えることができません。
ブラジルは日本の3バックの両サイドのスペースを狙って攻撃を仕掛け、日本は5-4-1のブロックを敷いて相手に対応しますが、前半26分に均衡を破られます。
ブラジルが中盤でビニシウス・ジュニオール選手、ギマランイス選手、ルーカス・パケタ選手とテンポのよいパスワークを披露。そこからパウロ・エンリケ選手が抜け出して右足を振り、先制します。
さらに32分には、ビニシウス・ジュニオール選手を起点にパスを受けたパケタ選手が日本のDFの裏へ出した浮き球を走り込んだガブリエウ・マルチネッリ選手が左足で捉えて追加点を奪いました。
日本は久保選手が右サイドを切り込んで得点機を探りますが、なかなか好機を作ることができません。
しかし、2点を追う日本は後半反撃。ハーフタイム直後から南野選手、鎌田選手、堂安選手が次々とシュートでゴールに迫り、良い流れを作ります。
そして52分、堂安選手、鎌田選手、上田選手、南野選手が高い位置でプレッシャーをかけて相手のボールロストを誘うと、南野選手がこぼれ球に反応して右足を振り、ゴール左に決めて日本が1点を返しました。
日本はこの直後に久保選手に代えて伊東純也選手(KRCヘンク)を投入。すると、2点目が生まれます。
右サイドで堂安選手が裏のスペースに出した縦パスを伊東選手が受けて右から鋭いクロスを入れると、逆サイドにノーマークで走り込んだ中村選手が右足を合わせてゴール右へシュートを放ちます。ブロックを試みた相手DFにあたって同点ゴールとなりました。
この2点で44,920人で埋まったスタジアムのボルテージも一気にヒートアップ。勢いに乗った日本は70分、GK鈴木選手からのロングフィードを上田選手が落として伊東選手に預けるとゴール前へダッシュ。そこに伊東選手が狙いすましたクロスを送ると、上田選手が頭で合わせます。これが相手DFにあたってCKとなります。
1分後、そのCKから伊東選手が再びゴール前へ鋭いボールを送ると、上田選手がヘディングで押し込んで勝ち越しゴールを決めました。
日本は74分に相馬勇紀選手(FC町田ゼルビア)、田中碧選手(リーズ・ユナイテッド)、町野修斗選手(ボルシア・メンヘングラートバッハ)を送り出し、さらに85分には小川航基選手(NECナイメヘン)、望月ヘンリー海輝選手(FC町田ゼルビア)も投入して攻勢を維持。相馬選手や望月選手、田中選手がシュートを放ちます。
ブラジルも74分に韓国戦で2得点したエステバン選手、リシャルリソン選手、カイオ・エンリケ選手を投入して巻き返しを図り、終盤は日本を押し込む場面が続きます。
しかし、日本は守備陣とGK鈴木選手の好セーブで対応。ブラジルに追加点を許さず、最後まで3-2リードを守って勝利を手にしました。
日本は4試合ぶりの白星で、ブラジルとの通算成績を1勝2分け11敗としました。ワールドカップ優勝国からの勝利はウルグアイ、ドイツ、スペインに続いて4か国目です。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
前半は厳しい戦いでしたが、選手たちが切れずに戦い続けてくれました。ハーフタイムでもみんなが建設的で、後半どう修正したらいいか、冷静にコミュニケーションを取って、コーチ陣もより明確な役割を伝えてくれました。チームが集中力を切らさず、前半からしっかり修正して戦えたことが、試合をひっくり返すことに繋がりました。試合の入りはアグレッシブに行って、試合が落ち着いたら前からプレッシャーをかけ、ボールを奪って攻撃を仕掛けると準備していたのですが、私の伝え方が良くなかったのか、最初にプレッシャーがかからなかった。ブラジルの圧を選手が感じて、それが少し構えてから行こうというところにも繋がったのかと思います。2022年ワールドカップのドイツ戦に似ていると思ったので、そこはチーム全体の経験値を高めて、さらに自信を持って試合に臨めるように選手の背中を押すような声掛けをしなければと感じました。
チーム一丸となって粘り強く最後まで戦い抜くことをやってくれました。選手もコーチ陣もスタッフも、結果にこだわりながら戦い抜くプロセスと、理想通りにいかないところでも現実と向き合って、自分たちが成長することに対してトライを止めずに試合を進めてくれたことは、これからも続けていきたいと思います。
ブラジルに勝つことはそんなに簡単なことではないと思います。選手たちが所属チームで自分を高めることをしっかりやり、代表活動でやるべきことをポジティブに徹底して、チームと日本のために戦う姿勢を見せてくれた。それに、勝つためにチャレンジをしてくれた先人、先輩方がいたからこそ、自分たちの今日の結果につながったと思っています。ただ、ここからおそらくどの対戦国も我々へのマークを厳しくしてくると思います。ブラジルという世界の強豪に公式戦で勝つところ、今日の自信とこれからの警戒心を持って、前進していかなければいけないと考えています。
スタジアムを青色に染めてくれたサポーターのみなさんが良い応援の雰囲気を作ってくれたおかげで、選手たちが最後まで戦い抜くことができたと思います。みなさんの応援に感謝します。
DF #3 谷口彰悟 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
ブラジルに一回も勝っていなかったところで自分たちが勝つことができたのは、素直にうれしいです。パーフェクトな試合ではなかったので、反省しながら修正しながら次へやっていきたいです。失点をしてしまいましたが、最後しっかり鍵をかけるところはなんとかやれました。そこは自信を持って次につなげたいです。今日は僕の両サイドの2人が対人も含めてかなりタフにやってくれていたので、非常に頼もしかったですし、その2人をコントロールするのが僕の仕事でしたが、かなり救われました。みんなで守れたと思います。
MF/FW #8 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
0-2になりましたが、何回かチャンスがあったので選手たちはやれる、1点取り返せば盛り返せる感覚がありました。後半は前からプレスに行けるように同数ではめるようにやったので、ゴールの場面もうまく相手のミスをつけてよかったと思います。GKもちょっと見えて、シュートしかないと思って思い切って強いボールを意識しました。そのあとも同点になれそうな雰囲気もあって、ファンの後押しもあったので、そのおかげで勝てたかなと思います。ハーフタイムには監督も声をかけていますが、「まだまだこのゲームは死んでいない。1点取ったら絶対に勝負に持っていける」と。今まで1回も勝てていなくて、僕らとしては親善試合じゃない。ここで勝てたら自信につながると思ったので「歴史を変えるために戦おう」と声をかけました。
MF/FW #10 堂安律 選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
日本サッカーにとって、ブラジルという国を倒せたことは間違いなく大きな一歩になったと思いますし、1つ歴史を作った素晴らしい日になったと思います。でも本大会で勝たないといけない。本大会でやってこそ本物ですし、手放しで喜ぶ時間はないと思っています。ハーフタイムで多少戦術を変えて、「殴り合い」に行った結果、逆転できました。南野選手のシュートもうまかったですし、あそこで冷静に決め切れるのは簡単ではないですが、あれで勢いを作って雰囲気も出て、「行けるんじゃないか」と思わせたゴールです。相手がミスした中にも戦術がありましたし、素晴らしいゴールだったと思います。
MF/FW #13 中村敬斗 選手(スタッド・ランス/フランス)
得点場面は、伊東選手とはランスで2年間一緒にやっていたのでボールが来ると分かっていましたし、メチャクチャいい球がきたので、手前でバウンドしましたがふかさないように打ちました。結構スピードに乗った状態で入ったので難しかったですけど、コースに入ってゴールできてよかったです。
MF/FW #18 上田綺世 選手(フェイエノールト/オランダ)
(CKからの得点場面について)相手のマークが3枚で僕らが4枚で入るところだったので、クロス上がってくる前に1歩下がって、他の選手にマークについてもらって自分はフリーで動けるように、駆け引きというか、自分の中での準備はしていました。自分がマークから逸れればその段階でスペースを見つけられると思っていました。調子が良いというよりも、自分がいろいろと準備してやってきたことが形になっていると思います。ちゃんと実力としてレベルアップできているという感覚もあります。
カルロ・アンチェロッティ ブラジル代表監督
負けは誰も受け入れることはできないですし、残念で非常に不満に思っています。選手たちの代表としての意欲を見たいと思っていましたが、今日の後半は日本の勢いを全く止めることができなかった。センターバックの最初のミスで我々はコントロールを失い、メンタル面で調子を落としたことは今日の最大のミスです。日本は非常に素晴らしい、強いチームで、特に後半の前線でのプレッシャーで我々はビルドアップが難しかった。今日は大きな学びになりました。
2025年10月14日(火) 19:30 キックオフ(予定) vs ブラジル代表
会場:東京/東京スタジアム
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