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第72回サッカードクターセミナー 初めてハイブリッド形式で開催

2023年02月15日

第72回サッカードクターセミナー 初めてハイブリッド形式で開催

全国の医師・歯科医師を対象としたサッカードクターセミナーが2月4日(土)、5日(日)、初めてハイブリッド形式にて開催されました。

今回のセミナーは3年半ぶりの対面方式と、Zoomを使ったオンライン形式の2通りの方式で同時に開催され、約150名の受講者が参加しました。
4日(土)は、高円宮記念JFA夢フィールドにてサッカー実技が行われ、この時期とは思えないほどの快晴、無風の温暖な気候の中、4チームによる総当たり戦を行い、受講者はふかふかな緑色の芝生の上で気持ちのいい汗をかきました。
翌5日(日)は、JFAハウスにて講義を行いました。講義では、「女性アスリートの下肢スポーツ障害・外傷」について、JFA医学委員で山形大学医学部整形外科学講座講師の鈴木朱美先生が講演を行い、続いて「サッカー選手における肩関節脱臼をどう考えるか?」について、十全記念病院整形外科肩・肘関節センター長の桐村憲吾先生より講演をいただきました。そして最後に、「臨床心理士によるアスリート(サッカー選手)への心理サポート」についての講演を、香川大学医学部臨床心理学科准教授の坂中尚哉先生より行いました。

その後は、2022年に開催された2つの世界大会に参加したドクターの帯同報告を行いました。「FIFA U-17女子ワールドカップインド2022」について、U-17日本女子代表チームドクターの塩澤淳先生から、「FIFAワールドカップカタール2022」については、SAMURAI BLUE(日本代表)の世話人ドクターである加藤晴康先生と内科ドクターの土肥美智子先生から、それぞれ報告がありました。
次回(第73回サッカードクターセミナー)は、今年10月21日(土)、22日(日)に高円宮記念JFA夢フィールドなどでハイブリッド形式(対面&オンライン)での開催を予定しています。

主催者コメント

齊藤雅彦 先生(JFA医学委員)
今回はハイブリッド開催でしたが、3年半ぶりに現地開催ができ、非常に嬉しく思いました。現地には54名、オンラインで92名と全国から多くの先生方にご参加いただけました。また、セミナーに先立って3年半ぶりの実技も行え、夢フィールドで42名の先生方と久しぶりにボールを蹴りながら交流を深められました。
講義では、女性アスリートの下肢スポーツ障害・外傷、サッカー選手の肩関節脱臼およびアスリートのメンタルサポートついてご講演をいただきました。サッカー選手を診る上で、どれも大事なトピックスであり、学びの多い講義になったのではないかと思います。また、帯同報告では日本中を興奮させてくれたSAMURAI BLUEのFIFAワールドカップとFIFA U-17女子ワールドカップの報告をしていただきました。徐々にコロナ前に戻りつつあるものの、未だ以前とは異なる海外遠征への対応についてお話いただき、受講された先生方には非常に有意義なセミナーになったと思います。講師の先生方には限られた時間内に貴重なご講演を賜りまして、本当にありがとうございました。
次回の第73回サッカードクターセミナーは10月21日と22日に高円宮記念JFA夢フィールド(千葉県千葉市)にて開催を予定しております。次回からは対象者にトレーナーも加え、サッカードクターの交流のみならず、ドクターとトレーナー間の交流を深められ、尚且つサッカー選手をしっかりとサポートできるメディカルチームを築けるよう一緒に学べるセミナーにしていきたいと思います。今回も日本シグマックス株式会社様、カールストルツ・エンドスコピー・ジャパン株式会社様にご協賛していただきましたこと深謝いたします。

受講者コメント

喜多恒允 先生(宮崎市郡医師会病院)
今回は3年半ぶりに対面形式での開催となり、念願の現地参加でした。初日はJFA夢フィールドという最高の環境で、サッカー愛溢れる先生方と共に汗を流すことができ、非常に刺激的な時間でした。
鈴木先生のご講演では男女の身体的特徴の差異によるスポーツの外傷性差を学ばせて頂き、女性の身体的特性を熟知することの重要性を感じました。桐村先生のご講演では肩関節脱臼に関して、解剖学的な内容から現場での対応や治療法まで、スペシャリストの先生の指針を聞くことができ大変勉強になりました。坂中先生のご講演では、「ドクターとしてはまず選手と身体の悩みを共有し、信頼を得ていく中で心の悩みも共有できるようになる」というお言葉が印象的でした。塩澤先生、加藤先生、土肥先生のワールドカップ帯同報告は、暑熱対策や感染症対策、ホテルでのシェフとのやりとり、海外クラブチームドクターとのやりとり、新しい睡眠評価法など、第一線でご活躍されている先生方からしか聞くことのできない非常に貴重なお話でした。選手たちの活躍を支えるメディカルチームの多大な努力に感銘を受けました。
総じて対面で繋がれる大切さを改めて実感した2日間でした。このような貴重な機会を開催いただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

窪田大輔 先生(東京慈恵会医科大学附属病院)
本セミナーには5回目の参加となりますが、毎回、現場に必要な知識を吸収すると共に、多くの刺激をいただいております。今回も全ての講義が勉強になりましたが、特に肩の脱臼の講義では、安全な整復法、また装具や固定肢位についての専門的なお話が大変参考になりました。また、カタールワールドカップの帯同報告では、年々海外組の選手が増加する中で、各国のクラブのドクターと連絡を取り合い診断・治療を擦り合わせていくことは相当な労力であろうと想像され、只々感服するばかりでありました。肉離れの分類や治療法、グローインペインの治療法など、海外における日本とは異なるスポーツ医学の常識も取り入れ、日々幅広く情報をアップデートする必要性を痛感し、身が引き締まる思いであります。
JFAハウスでのサッカードクターセミナーは今回が最後ということで、長年このセミナーを運営してこられたスタッフの方々の思いも垣間見え、私も改めて深い感謝の念を抱いております。今後も本セミナーで勉強させていただき、サッカーという同じ目的を持った先生・関係者の方々との交流も深めていければと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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